俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2023年6月20日週の兼題

【曜日ごとに結果を公開中】

【並選】

  • 鳴神の迫り来る捜索の山

    谷川ふみ

  • 神鳴うすき白黒の使節団

    近藤饂飩粉

  • 遠雷や二点リードの二回ウラ

    秋月

  • 風呂擦る予報通りの雷雨いま

    山田蚯蚓

  • 一閃の雷へ眼を剥く仁王像

    大庭慈温

  • 雷鳴やバイト不足の赤提灯

    夜音 友

  • ガリレオの眼に伝播する雷よ

    伊久多彩葉

  • 遠雷聞こゆ夜の滑走路

    羅美都

  • 雷や裂けし木霊の行く先は

    風間 燈華

  • 雷鳴や成績順に座らされ

    ゐるす

  • 雷雲セーラー服で立ち漕ぎす

    雷神丸

  • 激雷や立ち漕ぎ二台の歓声

    山姥和

  • 窓少し開け嗅ぐ夜の遠雷は

    田中ミノル

  • 留守番や雷鳴ろか鳴ろまいか

    青に桃々@いつき組俳句迷子の会

  • 雷よ東屋に人旅半ば

    白井 佐登志

  • 雷去りて神の怒りの遺しもの

    ひぐちいちおう(一応)

  • 雷果てて海底静か零戦機

    中村すじこ

  • 雷鳴を突っ切る笛の合図かな

    塩風しーたん

  • 雷や吾子の握力頼もしき

    和泉攷

  • 雷の重さとひとしきまばたき

    太田栗青

  • 雷や英雄の話をしよう

    庄司直也

  • 雷の偏頭痛TORYSの琥珀

    迫久鯨

  • 子一人の雷雨の夜の受話器かな

    仁山かえる

  • 雷や亡き犬の犬小屋覗く

    西村 棗

  • 雷鳴や六羽のエミュー脱走す

    青居 舞

  • 遠き雷ガーゼ充ちたる硝子壜

    也和

  • 車窓には雷ビール頼んじゃお

    西田武

  • 雷鳴よ消せよ聞きたくなき言葉

    釜眞手打ち蕎麦

  • 雷が固定したまま君の影

    新子熊耳

  • 彼の山は雷神すらも友とせず

    むじーじ

  • ロリポップ溶かす間の雷雨かな

    小川テル子

  • 煽らるる峠の下り日雷

    紫鋼

  • へたくそな口笛るるる遠き雷

    伊藤映雪

  • 網膜に烙印めける雷の影

    石井一草

  • 激雷や最後の章の金田一

    はなぶさあきら

  • 夜のかみなり後の静寂が好き

    樹魔瑠

  • 迅雷や阿吽吽形仁王様

    千茶

  • 迅雷や箱車に荷物ふたつきり

    ヒマラヤで平謝り

  • 鳴神の一筆書きはhelloかな

    染野まさこ

  • 迅雷突き進む馬車御者の拳

    三隅 涙

  • 雷にぐわと目開く仁王像

    笑松

  • 鳴り響く白杖の鈴日雷

    有田みかん

  • いかづちの逆鱗神木の焔

    アンサトウ

  • 雷の夜を檻から嗅ぐ獣

    龍田山門

  • 雨音を伊勢の雷鳴上書きす

    清水祥月

  • 遠雷に泡立つやうな詩語の群れ

    鷹取 碧村

  • はたた神逃げ足早き次男坊

    高木音弥

  • 雷神やシュプレヒコールの歌を待つ

    山川土時

  • 風ふいにピアスを撫でて雷鳴来

    伊予素数

  • その僧は人を信ぜぬ日雷

    中原柊ニ

  • 雷声へ理科部写真部合同隊

    さるぼぼ@チーム天地夢遥

  • 雷を追うて東へ帰りをり

    刈屋まさを

  • 雷や事務所に人質は四人

    キッカワテツヤ

  • 海の雷すべてを水面に引き寄せる

    真喜王

  • 雷鳴やいかほど巨きとり獣

    モトミレイ

  • 鳴神に応う波立つ田んぼかな

    一条春枕

  • 雷と対するテナー歌手の息

    恋瀬川三緒

  • ガラスペンのインク途切れてはたた神

    濃厚エッグタルト

  • 翁掃くひめゆりのガマ雷近し

     紫水晶

  • 雷や電子レンジは暴れ出す

    アシツノカラ

  • 雷過ぐメタセコイアの裂けてをり

    淡湖千優

  • 能登の雷対消滅の名残かな

    嵐菜

  • 雷の音聞き分けて眠りけり

    一走人

  • 雷を方程式で解く夫

    岡山由加

  • 飼犬の避妊手術や日雷

    幸田梓弓

  • 雷激しブレーキランプ蛇行して

    富山の露玉

  • はたた神鼻腔をつつく採取棒

    夢見昼顔

  • 雷や眼のごとき壁のシミ

    海老名吟

  • 雷の海よ和彫の腕の浮く

    鳥羽南良

  • 雷落ちて一村の景動かざる

    円美々

  • 雷や狐の面の笑う壁

    富佐野ほろよい

  • 御弥彦の奥より聞こゆ日雷

    つまりの

  • また靴がない雷を数えよう

    小川さゆみ

  • したたかに空き巣驚かしたる雷

    翡翠工房

  • 雷があっち行くまでポテチ食う

    京あられ

  • 十数へても雷のしづかなり

    高橋寅次

  • 食器棚ガタン余震か迅雷か

    村上甘雨

  • 遺族年金うらやましいか日雷

    松山めゐ

  • 遠雷や大神ゼウスの後ろ髪

    acorn

  • 雷や屋根裏部屋に河童の手

    GONZA

  • 雷雨きて帰路ちりぢりのツーリング

    深山むらさき

  • 時差ぼけのパリの安宿遠き雷

    笑姫天臼

  • 赤ちゃんの地球に雷の孤独かな

    地球人

  • 遠雷やライブハウスに凭るる背

    木野桂樹

  • 雷鳴の追いつくまでの無言かな

    嶋村らぴ

  • 落雷や恐竜展の骨に罅

    川内佳代

  • 雷の夜の血流音よ父の手よ

    ま猿

  • 日雷戦支度の紅をひく

    眠 睡花

  • 雷は空の痒みを掻いてゐる

    朱鷺9条湯八

  • 一人残業雷鳴が盟友か

     宗平圭司

  • 雷鳴や猛りたるほど吾の愉悦

    衣笠 野波

  • 雷や右目捧げし師の話

    高永 摺墨

  • 自転車の立ち漕ぎ速し日雷

    むねあかどり

  • 雷を指でなぞれば死者の夢

    高遠見上

  • 遠雷や最終ゴンドラ五分前

    葉るみ

  • 落雷や急勾配のある現場

    種種番外

  • 雷落ちて限界集落しづかなり

    愚老

  • 遠雷や繰り返す呼吸の波形

    武井 超凡

  • 雷や机の下に老いた犬

    万里の森

  • 鼓笛隊三十人と日雷

     どいつ薔芭

  • はたた神大東京をぎざぎざに

    高田杏

  • やがて眠るラジオノイズも雷も

    沖原イヲ

  • 雷の天を踏み貫き踏み貫き来

    灰頭徨鴉

  • 雷鳴や盆地蓋する黒い雲

    吉田わさび

  • 日雷家族で分ける陰膳よ

    かつたろー。

  • 遠雷や書きなぐる葬儀の日取り

    秋雪

  • 遠雷や土の匂ひの猫もどる

    天陽ゆう

  • はたた神午後の薬を飲み忘る

    牧野あやこ

  • 日雷母は話しをくり返す

    みやかわけい子

  • 遠雷に鍵とかすかな香を残し

    あつちやん

  • 雷を上目使いにチキンカレー

    橋本有太津

  • はたた神ひょうたんわらじ腰に揺れ

    竹原かよこ

  • 間歇泉嬲る雷の大音響

  • 雷の夜の溶けそうな気配かな

    増山 銀桜

  • 山水に雷響く故郷かな

    野中泰風

  • 幾千の腕のうごめく雷のステージ

    緒方朋子

  • 放課後の雷告白されそう

    羽野あき

  • 雷や道具の性の臭ふ納屋

    椿 佳香

  • 疾雷や賢治の詩集音読に

    服部勝枝

  • 連弾の如き雷山怒る

    杉山駄芭

  • 雷神も呆れる程の立ち話

    秋内 壱玖

  • 懺悔する花窓に雷走りけり

    竹春エリザベス

  • 三ヶ月付添ふ病院遠き雷

    田絵

  • 深夜ニ時鳴神渡る摩天楼

    かなえの

  • 賽の目は神の気まぐれ日雷

    ふくじん

  • 印泥にめり込む落款日雷

    あまぐり

  • 占ひ師しづかに雷のアーケード

    倉木はじめ

  • はたた神背に育休届ひらく

    服部あや

  • 遠雷や白きシーツの肌触り

    山内順子

  • 雷やコックリさんは母じゃない

    奈良の真

  • 雷の街で最後の恋を捨つ

    灰谷素数

  • 朝湯のキャンドル未明から雷

    野井みこ

  • 雷を映画のごとく二時間半

    絵夢衷子

  • 発売日とて雷へアクセルを

    日向こるり

  • 雷雨後やヤクザな夜の風の息

    海星葛

  • 雷に風一つ吹く厠かな

    夏の町子

  • 遠雷やボールの残るグラウンド

    くぅ

  • ふたつめはこころしてますはたたがみ

    つくも果音

  • 雷や遺影に見守らるるわが家

    沙一

  • 夫は出張電話越しの雷鳴

    アニマル可秘跳

  • 天を五に裂くいかづちの臭みかな

    白プロキオン

  • 咆哮の雷火ひたすら吾に落とせ

    螺原トモ

  • 雷や伝へたかつたさやうなら

    そめいゆ

  • 雷やたじろぎもせずナウマン象

    唯果

  • 雷だ教室は四角だらけだ

    閑々鶏

  • 日雷や新聞記事のフェイクめく

    あなうさぎ

  • 富士山頂白龍と化すいかずち

    入道 まりこ

  • やわらかきウェルニッケ野へ日雷

    丹波らる

  • 遠雷や北を枕に丹波竜

    山くじら

  • 遠雷やきらきら鳴れるイヤリング

    緑の手

  • 遠雷を低き霧笛と聞く夜かな

    太平楽太郎

  • 雷を溶かし掛け湯の甘きこと

    山香ばし

  • 監督は未だ酒臭し日雷

    多事

  • ののさまの蝋燭ともす雷の闇

    オニチョロ

  • ミシン開く吾子の寝息と遠き雷

    大小田忍

  • 群衆に雷鳴幽か少年A

    黄鶺鴒

  • 雷は神の手のごと開きけり

    里山子

  • 遠雷や乳首ずれをる仁王像

    立山穂高

  • 雷や秘仏を拭ふ寺男

    大黒とむとむ

  • 雷鳴や式の讃美歌絶え間なく

    どくだみ茶

  • 日雷兄の漢字は口と足

    亀の

  • 雷の模様はきっともじゃもじゃで

    快晴ノセカイ

  • 赤土を撥ね上げ雷響の四駆

    ジン・ケンジ

  • 遠雷や家族会議は日延べとす

    佐川碧

  • 雷神の近づく夜を知らぬ妻

    鷹見沢 幸

  • 雷の夜のきれいに抜ける魚のわた

    露草うづら

  • 雷や高層ビルを下る竜

    殿さまペンギン

  • 雷鳴や夫ずつしりと眠りをり

    くま鶉

  • 雷の教室数式は零れ落ち

    黒木水産

  • ゴジラ岩の口を貫く雷火かな

    むったん@狐狸山会

  • 愛猫のワクチン接種はたた神

    新山晶花

  • 雷や破水の妻は淡々と

    まっちゃこ良々

  • 雷に撃たれて母となりにけり

    野原茉莉

  • 子どもしか知らぬ近道はたた神

    月城龍二

  • サッカーは引分雷は遠く

    望月朔

  • 仕留めたる月喰らふごと遠雷

    中島 真珠

  • 雷や真夜中を破り捨つるごと

    梅鶏

  • 鸚鵡螺の九十の触手伸びる雷

    福良ちどり

  • 仁王像睨む雷の分岐点

    なしむらなしん

  • 雷声の忍び寄りたるフェスの夜

    竹八郎

  • 行きつけの味噌屋廃業はたた神

    いつか

  • 昇降機ワイヤー固しはたたがみ

    高山佳風

  • 雷鳴や子たちざわめく歯科医院

    月待 小石

  • カードレールの凹みや錆や雷雨来る

    空木眠兎

  • 丹田に乗りをる猫や日雷

    小だいふく

  • 剣奴哮るコロッセオの雷

    粋庵仁空

  • 落雷の闇に像ある昭和かな

    たつき

  • 雷海にぬめる瞬膜半透明

    満嶋ハト

  • 胎の子へ牛追唄と雷と

    熊の谷のまさる@俳句迷子の会

  • 雷ひとつ細動斬るためのパドル

    有野 安津

  • 日雷もろ肌脱ぎのツーリング

    空木花風

  • 結婚の挨拶の朝雷来

    秋白ネリネ

  • 放課後の音楽室よ雷鳴よ

    ピアニシモ@金カル

  • タイムアウトスタジアムにはただ雷鳴

    杼 けいこ

  • 雷響や誰かが何かを企みぬ

    山田四十郎

  • 癖箸に戻ってしまう雷の後

    岬ぷるうと

  • 淦汲の腕ぶつとし日雷

    葉村直

  • 遠雷や吹き残る蝋燭二つ

    白玉みぞれ

  • 雷や泣き怒り笑む土偶どち

    戸口のふっこ

  • 雷は甘露のにほひ煮沸瓶

    李安

  • 地より風沸き立つており日雷

    夏椿咲く

  • 雷を遠巻きにして八百万

    字坊人造

  • 室外機ねじれたあの日の雷

    もりさわ

  • 停電の部屋に雷鳴居すわりて

    水無月 

  • 遠雷はほろほろ貨車は轟ごう来

    石塚碧葉

  • 足元に子犬の温みのち遠雷

    永井春蘭

  • 雷や赤地の御簾に揺らぐ影

    弘中しかもり

  • 雷を言い訳にして雑魚寝かな

    杜乃しずか

  • 雷や机を挟む睨みあひ

    吉崎赤絲

  • 雷や二時に追加のゾルピデム

    結城むすかり

  • 鳴神のすぐそこにゐて居留守かな

    錆田水遊

  • 雷を怖がる妻とパン齧る

    高木石塊

  • 雷鳴を聞きをり夫じやない人と

    うからうから

  • 落雷や海底めける繁華街

    谷山みつこ

  • 雷響やバタートースト割けば湯気

    野口真砂輝

  • 雷は鳴るは子供は産まれるは

    紫小寿々

  • 遠雷や故郷の土間黒々と

    宇田女@ノエル

  • 日雷鳴れこの葬列の哀しみよ

    老人日記

  • 雷やスワンボートの岸に寄り

    山野麓

  • 雷なれどバレエのチュチュは震へない

    吉谷地由子

  • 雷やコンビニで傘盗む人

    丘上 すめる

  • カーテンの内まで走りはたた神

  • 雷の1km手前風温し

    遥風

  • いかずちや鏡に光る我の顔

    麗し

  • 踝のギブスは白し昨夜の雷

    時まる

  • 雷にハモニカ途切れ途切れかな

    丹下京子

  • 遠雷や赤提灯のほの灯り

    はぐれ雲

  • 痛恨のエラー家路を日雷

    武井かま猫

  • 恙なく帰国せし夜のはたた神

    武田ラーラ

  • ストリートオルガンに洞ひかみなり

    ろまねす子

  • ダリを模写する雷の補講かな

    染井つぐみ

  • 湯のごとき雨を四方へはたた神

    キートスばんじょうし

  • 遠雷の背広の希薄ナフタリン

    正岡丹ん

  • 素戔嗚慟哭故炸裂雷雨

    かんこ鳥

  • 陸閘の赤色灯や大雷雨

    杜まお実

  • 遠雷や展翅の針をきゆつと刺し

    さくらうお

  • はたた神食はれて残る腸と羽根

    慢鱚

  • 夜の雷や離婚届の判を押す

    いくたドロップ

  • 落雷やランプの眩しかりし夜さ

    伊江かつじ

  • 雷の秩序に飢ゑてゐる角度

    加座みつほ

  • 服用の間隔長し雷の夜

    梅路みね

  • 雷途切れバックミラーのクラクション

    佐野明世

  • 雷やトーキョーは空せまいねん

    高尾里甫

  • 雷鳴に眼光一閃仁王像

    じゅんこ

  • 雷鳴ごと喰らえ神田のカツカレー

    周防の兎

  • 天地つなぐ雷は樹状突起

    正念亭若知古

  • 叔母が嘘質せる夜の雷火かな

    内藤羊皐

  • 雷を告げ他人のやうな母となる

    ちゃうりん

  • 迅雷の巷路に青きパトランプ

    西川由野

  • 遠雷や看護師覗き来て逆光

    周防の鼠

  • 遠雷や夜明けの海を嗅ぐ港

    馬場めばる

  • 眼底に刺激臭あり雷の夜

    冬のおこじょ

  • はたた神原始へひとを巻き戻す

    浦野紗知

  • 大雷雨水が噴き出すマンホール

    雨李

  • 雷火やまず石になつてしまおうか

    夏雨ちや

  • 日雷万年筆のインク漏れ

    彼方ひらく

  • 怪鳥の喚き雷をも呼ぶか

    小西天

  • 雷やキットに偽陰性の線

    28あずきち

  • 志ん朝の手振りよろしやはたた神

    二丁目

  • 雷鳴やうんうん疼く親知らず

    みやま千樹

  • 遠雷やガラス食器の青光り

    布村 柚子

  • 雷やまあるい魔物転がりぬ

    匹田小春花

  • 日雷近し黄色のチョーク折れ

    ちょうさん

  • 雷の光方向音痴かな

    岡田雅喜

  • 遠雷を背に釜山の灯が近づく

    藤白真語

  • 鳥の音の絶えて雷透きとほる

    橘鶫

  • いかずちや清涼殿に焔立つ

    白猫のあくび

  • 先笄の三味線の間に雷ひとつ

    吉永那夫子

  • 雷や百の街には百の塔

    山内彩月

  • 雷の華やぎ競う長電話

    枯山日明萌

  • 遠雷や気の漫ろなる心電図

    垣岡凡才

  • 雷や星のまぐはふ音がする

    藤白月

  • モーターで巻き取るリール雷の声

    詠頃

  • 遠雷や干されたままの作業服

    夏 しのぶ

  • 雷の夜や首長竜の骨

    山城道霞

  • 風神も雷神も来しひと日かな

    ななかまど

  • 雷を突くゆびぶえ高し馬賊来

    桜月夜

  • 雷の傷半日で癒える空

    灰田兵庫

  • 買い言葉探して探して夜の雷

    叶田屋

  • 雷や本気にさせる筑後川

    紋舞蘭

  • はたた神敵前逃亡ヘリコプター

    浜 友輔

  • 遠雷や届かなくてもいい葉書

    よしおかあんみつ

  • いかづちや村まるごとの目覚めたり

    森 日美香

  • 雷やゴリラの檻の赤き錆

    富山湾

  • 日雷ばりり揚げたてカレーパン

    銀紙

  • 雷や義眼を溢れ出る余熱

    新右衛門

  • かみなりやきりんはつのをかくせない

    今野淳風

  • 遠雷や恋なんかしてゐないのに

    冨樫由美子

  • 雷はアルミホイルの味がして

    泥塗れのポスト

  • 病床の窓へ雷近づきぬ

    はごろも856

  • 雷や空が美しすぎる理由

    四季春茶子

  • 遠雷や納戸の奥の黒電話

    檜鼻ことは

  • 遠雷や彼の地は更に雨と云ふ

    古都 鈴

  • 八回コールド雷雨の甲子園

    織部なつめ

  • 遠雷やペン先を待つ白紙稿

    めいおう星

  • 遠雷や猫は黙って立ち去りぬ

    下條ちりり

  • 雷去りぬ郵便受けの蓋開けて

    文月

  • 雷鳴や水晶体の青濁る

    苫野とまや

  • 落雷せし免震重要棟に

    チームニシキゴイ 太刀盗人

  • いかづちの猛るや黒板は青く

    はっしー

  • 雷や喧嘩はとうにおわってる

    野山遊

  • 雷の尾つぽじりりり鳴く薬罐

    モッツァレラえのくし

  • 雷激し犬によじ登られてゐる

    雪井苑生

  • 遠雷や株価はけふも乱高下

    若井柳児

  • 雷鳴や支柱へ這わす蔓の先

    清水 三雲

  • 雷や天神様を避けてゆく

    中島走吟

  • 県庁は冷たき鼓膜はたた神

    玉庭正章

  • 雷のでんぐり返し山越え来

    杏乃みずな

  • 片方のヒール壊れて夜の雷

    ヤヒロ

  • 雷や青山高原三角点

    ニッシャン

  • ベル押す奴来ロンドンの雷か

    司啓

  • 雷は神のシャッター町白し

    蜘蛛野澄香

  • 雷鳴の窓や刃を入るSIMカード

    北川颯

  • 雷去るやつくねんと座す忌の老女

    祥林

  • 遠雷の夜や点滴一時間

    藤咲大地

  • 蝋燭の影の巨人と雷と

    紅 珊瑚

  • 雷去りてするするとまたプラレール

    柚木みゆき

  • 家中の耳という耳聳え雷

    夢雨似夜

  • 雷や床にのっぺらぼうの影

    加山シンゴ

  • 雷や電車は「革命」のリズム

    空豆魚

  • 信号の光のとける大雷雨

    金太郎

  • 雷やトローチの穴垂るる味蕾

    Vn 花のん

  • 雷や龍神の破れし鼓膜

    綱川羽音

  • 雷や紙ストローの紙の味

    みつれしづく

  • ビニルハウスを貫ぬく蒼や夜の雷

    たかみたかみ

  • 真つ黒な猫を洗ひぬ雷の夜

    広木登一

  • いかずちや光るカバンに核ボタン

    涼月橋

  • 腕枕して雷を待つてをり

    山田蹴人

  • 雷を巨象のごときボーイング

    森脩平

  • 思ひ出は研ぎあぐるもの日雷

    堀口 房水

  • はたた神煽られて行く結願寺

    舟御前@ノエル

  • 真昼間の闇に墜ちれば雷匂ふ

    小池令香

  • 雷の遠き火ばしら絵のやうに

    黒麹 糀

  • 白線の薄くなりたり雷雨去る

    聞岳

  • 雷去りて打ち明け話ぽつりぽつり

    畑山六十二

  • なきひとにあへる雷の香を嗅がば

    越智空子

  • 雷さつて歌あふれだすラジオかな

    花南天anne

  • 虚子像の立ち上がるべくはたた神

    石上あまね

  • 父祖春吉雷鳴聞いて蹲る

    山内 負乗

  • 雷落つ青空のまだ残る

    柚和

  • 雷の去りて味噌汁濃くなりぬ

    飯村祐知子

  • 雷の匂ひピクルス漬け終はる

    すりいぴい

  • 雷や聞き返す眼の見開かれ

    髙田祥聖

  • 思い出が消えた雷青かった

    四條たんし

  • 雷や豚カツ匂う午後一時

    石川順天

  • 雷神の去りて六甲おろしまた

    さかえ八八六

  • 雷はゼウスの嘆き上野駅

    一生のお願い

  • 日雷御朱印帳の長き列

    天風月日

  • ハードルを畳まず運ぶ夕の雷

    さくさく作物

  • カーテンの裾のほつれや雷近し

    関椿

  • はたたくや此の市はかつて村八つ

    魔星蟲ダークネスライザー1世

  • 玄関に折り目正しき雷落つる

    峰 乱里

  • 退屈な会議終はらすはたた神

    いこん

  • 米炊くや雷様がやつて来る

    たけろー

  • 停電の間を埋めて居る日雷

    塩の司厨長

  • 鳴神の声を聞いてる飛鳥にて

    Karino

  • 雷のスーパー楽し父と吾

    美織

  • 遠雷や余命きられし猫を梳く

    朗子

  • 江戸城の本丸跡やはたた神

    如月ドロップ

  • 遠雷やサイパン沖の祖父の声

    瀧川祥洞

  • 禁煙の三日目かみなりが匂う

    オキザリス

  • 玉眼を千千に八つ裂くはたた神

    しゃれこうべの妻

  • サックスのソロ鳴り止みて雷雨かな

    陽花天

  • 雷や避難所はただ押し黙り

    太之方もり子

  • 車椅子の目線に屈み雷の駅

    石田将仁

  • 雷やコンクリートの撓む音

    うみのすな

  • 鳴神に会話続けてもらえました

    加良太知

  • ニューロン繋ぐ瞼越しの雷光

    孔明

  • 日雷男の疲れが目に映る

    藤鷹圓哉

  • 雷響や虎が夜空を駆け吠える

    玉響海月

  • いかずちの果て争いのない天空

    くさ

  • 雷鳴の一撃皆を縛り上げ

    古乃池糸歩

  • 雷を後ろに乗せて踏むペダル

    一日一笑

  • 雷鳴とグラスの氷鳴る夜更け

    林 和寿

  • 遠雷や子は部活へと走り出す

    草間八千代

  • 水底の昏さ増したる雷雨かな

    花伝

  • タロットのはじまりに愚者日雷

    月石 幸

  • 珈琲落ちる間や遠雷となる間

    だがし菓子

  • 雷を飼うドラァグクイーンの手鏡に

    熊谷 温古

  • 雷は吠え雨粒は紙やすり

    ちびつぶぶどう

  • 幸せの残りはあるか日雷

    風蘭智子

  • 中枢へ雷一発の響き

    坂本梨帆

  • 発酵すすむ干し草や夜の雷

    ふわり子

  • 雷神に出逢ふ建仁寺の廊下

    小田虎賢

  • 珈琲に沈むミルクやはたた神

    草夕感じ

  • 入院の荷物は三個雷の車庫

    星月彩也華

  • 遠雷や夜間保育のうす灯り

  • 鳴神や震へる窓の街に罅

    原 水仙

  • いかづちの声に憂える女となり

    桔梗

  • 棺桶の蓋を揺るがす通夜の雷

    是空

  • 雷はストレスフリーまた来るぞ

    金子日歩美

  • 雷鳴は龍の陣痛かもと君

    水蜜桃

  • 雷の子守りを扶く一日かな

    アントワネット@ノエル

  • 雷鳴や慌てて巻いた玉子焼

    阿万女@ノエル

  • 遠雷や肝臓の痛みことしきり

    羽衣@ノエル

  • ボイトレのクラッシュボイスや日雷

    星児@ノエル

  • 雷やワタクシ髪を切りました

    多可木@ノエル

  • 遠雷にライブハウスの出待ちかな

    大山兎山@ノエル

  • 遠雷や訪問先のマージャン台

    奴賀 章@ノエル

  • 雷に停止す頬のカンロ飴

    帝菜

  • 落雷や動脈瘤の裂けるごと

    木村ひむか

  • 一頭の馬置き雷雨去りにけり

    寺尾当卯

  • 鉄塔に真っ赤な怯えはたた神

    恵勇

  • 市民ラジオは赤く点滅雷近し

    黒蜜かりんとう

  • 雷やかごめかごめの鬼は僕

    葉月庵郁斗

  • 脳天にチョップくらひぬはたた神

    沼宮内 かほる

  • 爆撃には慣れ雷に驚く

    あらかわすすむ

  • 朝摘みのベリー煮る音遠き雷

    村岡花風

  • 盛り塩の光を婉曲せし雷声

    ぱぷりかまめ

  • 雷や肝の据わつた子の眠り

    杉柳才

  • 遠雷や姉の柩の小さき窓

    まるちゃんにいさん

  • 天割れるなかで豆煮る雷雨の夜

    洋々

  • 雷は薄刃に闇を削ぎ落とす

    登りびと

  • 雷がゴールポストに落ちにけり

    勘太郎

  • 雷の音なき夜の音どこへ

    水間澱凡

  • 「運命」の休符に雷響の豊か

    坪山紘士

  • 竹千代の産湯の井戸や遠き雷

    なかの花梨

  • 本音は人に言はせる母よ日雷

    鈴白菜実

  • 遠雷や金気おびたる胸騒ぎ

    夏草はむ

  • 滑りたる手から卵や日雷

    福花

  • 夜更けの神鳴り剥製の眼力

    清松藍

  • 戦争を地下で聞く子らはたた神

    乃の

  • 遠雷へ向かうドライバーの無言

    大山和水

  • 火曜日のいつものカレー遠き雷

    くろけん

  • カメラ構えて鳴神を呼び捨てる

    西田月旦

  • 日雷隣の畠は草が無い

    栗田すずさん

  • 雷鳴やハローワークのソファ硬し

    樹海ソース

  • 雷鳴や骨肉喰らふピットブル

    久保田凡

  • いかずちの檄神官の走り出す

    石浜西夏

  • 雷を追ひ雷に追はるる高速道

    木寺 仙游

  • 雷の伴走続くバスの帰路

    野州てんまり

  • 雷鳴や龍の鱗の匂ひ立つ

    岸来夢

  • 抽斗に封じし恋や日雷

    岡山小鞠

  • 雷は鬼の嚔のやうに吐く

    佐藤茂之

  • 雷の鳩尾撃つか午前四時

    明後日めぐみ

  • 雷神にトランペットで応答す

    草秋桃源

  • 竹かごに赤きぞうりやはたた神

    夕虹くすん

  • 雷や黙して開く広辞苑

    上津 力

  • はたた神居座る苦情処理係

    横山雑煮

  • 雷の裾コントラバスの瞋恚曳く

    看做しみず

  • 雷や雷帝の絵の眼光は

    流流

  • いかづちや言ふこと聞かぬ老医の手

    津々うらら

  • 雷やタブララーサの母とゐて

    たま走哉

  • 点滴の針に眠る子昼の雷

    おかげでさんぽ

  • 遠雷や波従えて烏帽子岩

    登盛満

  • 雷鳴や久闊の友裏戸より

    清川鮎太

  • 遠雷やそれでも君は街を出る

    土井あくび

  • 畝もまたため息つけり午後の雷

    瀬戸ゆらり

  • 雷過ぎて不規則動詞忘れたる

    伏見丹耶

  • 大雷雨試合中止は二十二時

    ふくびきけん

  • 交番に雷の子の二三人

    さくら悠日

  • バイク乗り悠々雷の鳴る方へ

    長谷機械児

  • 雷の音を友として労働歌

    乙華散

  • 不機嫌なをんな街路のはたた神

    入口弘徳

  • はたた神話し止まらぬ老婆いて

    村橋 桂

  • 遠雷や第二分団待機中

    香依蒼

  • 雷声へ叫ぶ子どもら土管基地

    山口絢子

  • 石膏に疼く土器片日雷

    北欧小町

  • 雷はしる点滴二滴分の距離

    藍創千悠子

  • はたた神釈迦の右手の天を差し

    谷本均

  • 居間の灯を消して雷品評会

    平良嘉列乙

  • 避雷小屋五人無言の缶珈琲

    中村一烏

  • 雷やモールス符号乱れ飛び

    田辺富士雄

  • 夜の雷わたしのからだ透きとほる

    まこ@いつき組広ブロ俳句部

  • 遠雷の不吉な予感訃報来る

    辻󠄀本四季鳥

  • いかずちや鎮痛剤は骨の色

    福原あさひ

  • 遠雷や余白に母の走り書き

    ぼたんのむら

  • 雷や朽ちたるビルを打ち残し

    鈴木来穂

  • 雷に向かう僧衣のはためけり

    鮫島しょうん

  • 遠雷や木々突き抜ける竹の揺れ

    とも子

  • 遠雷や病理結果を待つ廊下

    竜退治の騎士

  • 雷に白き裸身を見られけり

    渡辺十把 

  • 遠雷や与党共闘亀裂めく

    比良山

  • 医者突く脳の画像や日雷

    野々村澄夫

  • 迅雷やベンチへダッシュ敵味方

    花和音

  • 雷の夜を抱くどちらが吸血鬼

    西野誓光

  • コンセントの穴雷神の息づかひ

    北藤詩旦

  • 遠雷やマンションの苦情は数多

    ぐりぐら京子

  • 雷の匂い漂う庭暗い

    小島ひまわり

  • 遠雷に雨の匂いを見つけた日

    風の旅人

  • 遠雷や大仏殿の鴟尾光る

    後藤三梅

  • 雷走る理科室の骸骨走る

    林真紗湖

  • 飼ひ犬に手を咬まれけりはたた神

    山川腎茶

  • 遠雷に頭巡らす郵便夫

    堀雅一

  • 豆腐屋へ鍋と駆くるや日雷

    じょいふるとしちゃん

  • 僕がまだ雷だった頃のこと

    雨森 茂喜

  • 激雷や塹壕の空はジグザク

    四丁目

  • 遠雷や記憶を失くす君といて

    河村静葩

  • 雷の気配鳥去る餌場から

    美津うつわ

  • 雷鳴やはっと目覚める深海魚

    さとう夢虫

  • 土砂降りの路地に降りたる霹靂神

    庭野環石

  • 日雷せんせいはもう怒らない

    ノセミコ

  • 調剤を待つ間うとうと日雷

    としなり

  • 八木節の樽叩く手を止める雷

    弥勒夕陽

  • 遠雷やお愛想のLINEスタンプ

    渡海灯子

  • 雷をくしやくしやまるめ鬼なげた

    中 兎波

  • 遠雷や聴かぬCD五千枚

    公木正

  • 昼雷に売り残してやキチンカー

    みゆむうしば

  • 「黒電話_使い方」ググる雷の夜

    嶋田奈緒

  • 雷の一撃に沸くナース室

    大谷如水

  • 雷光やうつつへ戻す瞬きか

    はれみちる

  • 鳴神は百のいろにて鳴りなさる

    沢拓庵@いつき組カーリング部

  • 雷雨なり修繕終わらぬ厳島

    広島じょーかーず

  • いかづちを振り分け捌く真夜浅間

    ゆきなごむ

  • 落雷の運動場は無傷なり

    紅紫あやめ

  • 雷の近し逆子が骨を蹴る

    青海也緒

  • 日雷スワンボートは最終日

    遊羽女

  • 筑波嶺の峰割りて立つはたた神

    雪だるま

  • 雷の轟く夜のヴィシソワーズ

    絵十

  • 造船の島雷響に暮れ急ぐ

    木染湧水

  • 雷寂しお化け煙突がない

    せいち

  • 雷割れて同期寿退社の件

    山羊座の千賀子

  • 雷の一ピコといふはじめかな

    ひねもす

  • 雷神の視線すり抜けオートバイ

    酔下弦

  • 雷のひしゃけし音の後静か

    若林鄙げし

  • 遠雷やエスカレータの摩擦熱

    玉野汐音

  • 言葉とは礫雷とは赦し

    梵庸子

  • 座禅堂内なる空へひびく雷

    月谷 日耀

  • 日雷後楽園は鉄の園

    糸川ラッコ

  • 雷鳴の素数複数ダンバー数

    立ち漕ぎブランコじゅん

  • 落雷やか細き麺を啜りたる

    酒井春棋

  • 落雷の樹に西南の役の弾

    清水明美

  • 永訣の読経雷フォルテシモ

    國本秀山

  • 雷や能面の眼を見開かせ

    富士桜花

  • 雷のドンガラリンと歌ひ出し

    菫久

  • はたた神車椅子押す力瘤

    英子

  • 日曜の祈り雷轟きて

    こきん

  • 雷や音楽室の弦震う

    玉響雷子

  • 昨日の菓子パン雷の只中

    剣翔寺亜太琉

  • メロンパンうまい雷こわくない

    赤馬福助

  • ぴくり耳雷ひとつ拾う猫

    尚茶

  • 遠雷や虚無僧の立つ松屋前

    朶美子(えみこ)

  • オムレツを裂いて開いて雷雨くる

    秋野茜

  • 遠雷やラストシーンの車椅子

    六花

  • 雷ぐわらっ雨ぼたっぼたっぼたぼた

    くろべぇ

  • 雷や耳鳴りぐわんとフォルテシモ

    びんごおもて

  • 雷神や運命線を刻む爪

    麻生ツナ子

  • 給湯室の小さなシンク日雷

    里すみか

  • 雷やかかと落としの三十回

    小笹いのり

  • 雷来紫宸殿辺りの暗し

    瑞陽庵

  • 雷鳴や傷つきやすきフィラメント

    森海まのわ

  • 雷やヒヤリと丸い聴診器

    阿部八富利

  • 軽トラの荷台三人はたた神

    植木彩由

  • 雷鳴と雷火ぶつかるまた離る

    関津祐花

  • 雷の鼓動田んぼの一本道

    まるにの子

  • 空よ歪めよ雷きっと骸

    本村なつみ

  • 遠雷や気持のあせる夜行バス

    樹朋

  • 雷や大浴場に百の臍

    多々良海月

  • 雷に落ちを忘れてしまひけり

    香田ちり

  • 放馬の芦毛逃げる逃げるや日雷

    二十八

  • 隻眼の猫は三和土に夜の雷

    水須ぽっぽ

  • 雷や隣りのビルに避雷針

    小林番茶

  • 遠雷やフォークボールのすっぽ抜け

    野澤真澄

  • 遠雷が焦れったくって手を握る

    芦幸

  • 雷に慣れ単身の日日恙無し

    新濃 健

  • 遠雷や給水塔の猿梯子

    清瀬朱磨

  • 雷光や海溝の如傷深し

    虎堂吟雅

  • 雷鳴や譜面横軸少しずれ

    岡井風紋

  • 遠雷やわたしの代で終わる墓

    千早安寿

  • 雷や落ちるコインの長電話

    伊ナイトあさか

  • 遠雷や娘の帰国祈るカフェ

    星影りこ

  • 日雷窃盗犯を捕まへる

    フージー

  • 仏語(ふつご)めく居間や津軽を大迅雷

    戸部紅屑

  • 軽雷やトースト置きし皿に滴

    川澄栞大

  • 隣家に落雷ラジオから火花飛ぶ

    希布

  • 雷の一閃空の芯を突く

    一久恵

  • 雷鳴やいつになく聴くカスケーズ

    陽乃姫

  • 文明を嘲笑ふごと雷響す

    風来坊健丸

  • 塔あふぐ艀溜りの日雷

    すがりとおる

  • 一瞬の怒髪の山や夜の雷

    芋 二郎

  • 空翔る雷デロリアン何処

    古庄 萬里

  • 時計塔よそよそし雷去りてより

    居並小

  • 雷やスマホ画面のPINコード

    まるかじり

  • 曳く網の重さよ海へはたた神

    望月とおん

  • 雷や戻りし指輪鑑定書

    源次郎

  • 迅雷や父の湯灌に間に合うて

    一寸雄町

  • 眼球をぐるりとまはすはたた神

    おきいふ

  • 雷神睨め塾バス待ちゐたる吾子

    らん丸

  • 激雷にさすが上州新任地

    玉川 徳兵衛

  • シエパードの涎だらだら雷近し

    ふのんへん宗悟

  • 雷を起こしたのかや浅草寺

    中村 自在

  • 雷を目指して国道は真っ直ぐ

    月岡方円

  • 遠雷や寿司屋に光り物食へば

    Kかれん

  • 雷鳴やショパンの響く地下ホール

    小島やよひ

  • 積読はいびつなかたちはたた神

    青空まる

  • 迅雷や西の空長崎の空

    増田 昴

  • 雷や会話遮るドライヤー

    ジョージア

  • 雷や赤子産まるる声がする

    田村美穂

  • 落雷を見てやおにぎり二つ食う

    中村笙平

  • 遠雷や俳句弾圧不忘の碑

    村瀬っち

  • 雷に壊るるものに空と犬

    柿司 十六

  • 聞こえない聞かない聞きたくない雷

    けーい〇

  • 雷や火竜水竜絡み合う

    まりい@木ノ芽

  • 人材を揃へ雷待ちにけり

    伊予吟会 宵嵐

  • 雷や新宿の空広げたる

    dragon

  • クロックスの住職走る日雷

    平野水麦

  • しみじみと雷に叱られてゐる

    三重丸

  • 雷やこけしつるりと笑ふでせう

    卯年のふみ

  • 美しき雷火の走る富山湾

    木村隆夫

  • いつの間に歪みし指輪はたた神

    豊後の李子

  • 落雷の地響きにテント震えをり

    鯛 風

  • 雷や「根はいい奴」とかどうでもいい

    あらい

  • 雷や途切れ途切れのハーモニカ

    愛柑

  • 雷や無理強いされしあみだくじ

    ぐりえぶらん

  • 三秒後の驚喜雷と遊ぶ

    みなづき光緒

  • 遠雷や一瞬にして耳に粒

    青鷹

  • 遠雷や飲み忘れたるハルシオン

    多喰身・デラックス

  • 雷や明日死んでもいいように

    西村小市

  • 本土への搬送猶予なき雷雨

    沼野大統領

  • 雷や谷ふところの蒸留所

    夏 六葉

  • 雷の夜の郵便受けの鳴る静寂

    る・こんと

  • 道草の吾子雷は二つ鳴った

    さんざし

  • 雷は真上あたりかポット沸く

    虹岡思惟造

  • 足遣ひの黒衣は若し日雷

    中根由起子

  • 雷やおこげの匂ひ漂へり

    文月あつみ

  • 応援団いよいよ声枯れて雷雨

    不学

  • 雷鳴を行くタクシーの轍かな

    着流きるお

  • 雷の兆す匂ひや天気痛

    高岡春雪

  • 摩天楼が雷の蹠に踏まれさう

    羊似妃

  • 遠雷となり新しき墓数多

    斉藤百女

  • 雷やリュックに熊鈴手に御守

    梅世耕

  • 雷や肋骨のひびぴりぴりと

    やまさきゆみ

  • 雷不意に楔のごとく直立す

    妹のりこ

  • 雷すぎし銀座や柳よりしづく

    大久保加州

  • 雷を待つその人の肩が青く

    麻生四里

  • そのまんま雷雨に濡れる僕の影

    田中明美

  • 雷やひとり倉庫の棚卸し

    くずもち鹿之助

  • 分娩は雷の夜まだ二十歳

    ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部

  • 夜半の雷気分は悪の大魔王

    羅蒐

  • 遠雷や胎児の四肢のむくめきて

    小川朱棕

  • あの男見返してやる夜の雷

    土佐藩俳句百姓豊哲

  • 雷ありて父の灰皿じっと見る

    風民

  • 雷や唾液いつから冷たくて

    片岡六子

  • 雷に目覚む星座のとりけもの

    風の鳥

  • 雷のあまた抗ふも父を恋ふ

    林りんりん。

  • 遠雷や墓継ぐためのペン重し

    朝月沙都子

  • 自らの尻尾追ふ犬日雷

    斗三木童

  • 逆立ちにはだける裾やはたた神

    さ乙女龍チヨ

  • 雷の轟く真昼摩天楼

    茫々

  • 雷やバットを天へ向けてみる

    一富士リリー

  • 丑三つの雷発熱の子を抱く

    苺井千恵

  • かみなりのビブラート鴇色に咲いて

    じゃすみん

  • 鳴神の閉づる重き戸手術室

    野瀬藻石子

  • 少年や雷の日本武道館

    東山すいか

  • 遠雷や露店しまふも台ふたつ

    中野風鈴

  • はたた神木曽馬の眼の笑ひをり

    蘭丸結動

  • 病床や雷に生まるる影数多

    葦屋蛙城

  • 孤城めく2Kアパート夜の雷

    あなぐまはる

  • 遠雷や野菜切る間も煮込む間も

    千の葉

  • 雷よあのドローンへジャミングを

    たていし 隆松

  • 地下茎のごとく雷天を這う

    どこにでもいる田中

  • 雷や五臓の奥は虚無なのか

    永田千春

  • 刳り舟や沖よりとほく大雷雨

    片平仙花

  • 日雷暗渠をおほふビルの森

    ふじこ

  • 遠雷やペット火葬の炉の余熱

    佐藤さらこ

  • 雷鳴の中へ突つ込むオートバイ

    宥光

  • ずぶ濡れを玄関に抱く大雷雨

    留野ばあば

  • 積木積み崩す遊びや日雷

    三休

  • 遠雷や潮が鱗を削るたび

    大和田美信

  • 雷やNintendoの本社ビル

    京野さち

  • 雷や牛丼喰らう夜明け前

    全速

  • 遠雷や君住む街は雨だらう

    佐藤志祐

  • 落雷や卑弥呼伝説雨を呼ぶ

    水鏡新

  • 雷は野生馬の野の狂詩曲

    小豆白虎

  • 雷やサカバンバスピスの昼寝

    うめやえのきだけ

  • 遠雷や口頭弁論まぢかに

    コーヒー博士

  • 雷の夜の航海セントエルモの火

    野点さわ

  • 雷や余韻の鬼のあえぐ息

    メレンゲたこ焼き

  • 海を刺す雷動脈のごとく

    るびちゅ

  • 清々し雷のあと我と空

    武知小雪

  • 雷や五歳のころのまちのいろ

    川代つ傘

  • 雷やカルキ匂はせふたりぼち

    渡辺桃蓮

  • 雷や大きな厠一休寺

    いなほせどり

  • 雷やフルグライトの兆す真理

    ムーンさだこ

  • 落雷やインター着のバスを待つ

    原島ちび助

  • 遠雷やテレビ画面のノイズ揺る

    国東町子

  • ラララ雷ラララ雷なんばグランド花月の夜

    帝釈鴫

  • いかずちや禅僧の如ゴリラ座す

    よぶこどり

  • 雷は雨雲自然発射砲

    明惟久里

  • 雷去りてくたくたとなるカップ麺

    虎穴虎児

  • 遠雷の音こそ濃けれ瑞巌寺

    風慈音

  • 遠雷や介護日記の赤い線

    松井くろ

  • 雷の響きティンパニーの連打

    あさぬま雅王

  • 雷や帝王切開炎症期

    前田麺

  • 雷に見つけたカゲの暗い暗い

    三無季生

  • 雷響やADayInTheLifeの空

    嶺乃森夜亜舎

  • 遠雷へフリゲート艦離れゆく

    ふゆの都々逸

  • 浮き上がる君のふくらみ雷雨の夜

    うはのそら

  • 遠雷や大事な何か忘れをり

    河野灰土

  • 遠雷を岳にあずけて陽はのぼる

    さいとう歌月

  • 窓硝子雷好きの指紋跡

    桂子

  • 霊峰の小さき祠やはたた神

    たむらせつこ

  • かみなりや画面乱るる五回裏

    はまゆう

  • 雷来る懇談中の教室に

    戌の箸置

  • 迅雷や主人見上げて盲導犬

    那須のお漬物

  • 雷や龍が飛び込む棋士の眉

    東田 一鮎@金カル

  • 駅名は宮本武蔵はたた神

    星野はいかい

  • 秒針や雷を待つ少年団

    和泉穣

  • 遠雷やシャトルコックが震えてる

    沙那夏

  • 雷やよほろにうねる青き脈

    宍戸もくれん

  • 鳥山の立ちたる海へ雷迅し

    春海のたり

  • 雷は路上検定車を追うて

    秋野しら露

  • 遠雷や牛の屍にわずか肉

    宮武濱女

  • メレンゲの緩く泡立つ雷の朝

    あっくん

  • 迅雷に口をつぐみしマンドリル

    まめばと

  • 雷の間遠になつて動く街

    鎌倉 了

  • 夜の雷棚田幻灯めいてをり

    ⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部

  • 雷や餌やる野良に威嚇され

    なつめモコ

  • 迅雷やトイレは防空壕のやう

    城内幸江

  • 落雷で川原に戻るあんちゃんと

    杉と松

  • 雷の転がってゆく富士五合

    村上優貴

  • 肺砕く如き雷鳴闇一村

    一港

  • 雷遠し武将の墓の続く参道(みち)

    吟  梵

  • わが鬱を砕きて去りぬ日雷

    伊藤順女

  • 大蒙古遠雷沖を迫りけり

    火炎幸彦

  • 染抜きの力士大股日雷

    青木りんどう

  • 雷の形状記憶乱れたり

    みつき 夏

  • うつろなる雷の声聞く石仏

    田中美蟲角

  • 雷の去りていつもの台所

    リコピン

  • 人失せて雷挙動不審なり

    松本裕子

  • 雷のまたたきの間を愛しあふ

    南方日午

  • 背表紙の褪する金文字雷の風

    菅井香永

  • 雷鳴や祖国のやうす言ふ嫗

    君島笑夢

  • 遣るせなさ恥じてや龍の落とす雷

    津軽わさお

  • 遠雷を母に伝へて受話器置く

    花咲めだ香

  • 日雷子規ゆきたった百年余

    津軽まつ

  • 旋回の左翼街の灯夜の雷

    佐藤儒艮

  • 雷よあの青鬼は泣いたのか

    大津美

  • 雷や空砲響く駐屯地

    水越千里

  • 雷神の破りし空の被膜かな

    鷹星

  • 負け試合流す土砂降りはたた神

    篠田ピンク

  • 遠雷や包丁研ぐ手休めたり

    ふじかつとび

  • 遠雷や病床に聞く三拍子

    KOMA

  • 居残りの友と眺むる夜の雷

    渥美 謝蕗牛

  • 雷の幽か浸潤麻酔法

    薫夏

  • 雷やチェックメイトの真暗闇

    埼玉の巫女

  • 雷や調子つぱずれに吠ゆる街

    蜥蜴の尻尾

  • 雷や高圧研の窓閉める

    ウロ

  • 遠雷や国後なおも遠ざかる

    野々原ラピ

  • 日雷好きとじょっぱる津軽人

    津軽ちゃう

  • はたた神吠へるホーキングの宇宙

    かん かんし

  • アスファルトも泡立つてゐる雷雨かな

    片山蒼心

  • 雷やトライアスロン已む無論

    吉野川

  • ジツゾンをさがすまいにち日雷

    サイコロピエロ

  • 題名も分からぬ映画夜の雷

    剛海

  • 雷響が止まない私を止めて

    冬野とも

  • 夜の雷ぴしゃん大腿筋ぴしゃん

    夏立也

  • 雷を理由に居座る保健室

    卯月紫乃

  • あかり消しのぞみ開いてはたた神

    ぉ村椅子(志村肇)

  • 遠雷のまたか追試はわら半紙

    百瀬一兎

  • キューポラに挑みいかずち去りゆきぬ

    ひすい風香

  • 雷の音の割り込む読書会

    塩野谷慎吾

  • 待ち人は来ず遠雷の酒一献

    立川猫丸

  • 雷や棺の釘はそっと打て

    秋星子

  • 雷の慟哭砂丘にて円か

    木ぼこやしき

  • 海風の辛さ増しをり日雷

    月見柑

  • 雷や湯船の内の指みじか

    弘友於泥

  • 激雷や親子鑑定報告書

    宇野翔月

  • 雷や良いことだけを考える

    高本蒼岑

  • 迅雷や放牧牛も足早に

    始の子

  • 雷鳴に妻が飲み干すグラスかな

    露崎一己句

  • あれは遠雷か東へ東へと

    そ乃田

  • 固ゆでの卵のにほひはたた神

    ことまと

  • 雷は雷鼓打つ鬼ひとり棲む

    まー坊

  • みずいろの時間をたたむ雷雨かな

    吉 や 

  • 迅雷のやみて聖夜の如き街

    卓鐘

  • 雷は遠鳴りとなる手もちぶさた

    水木合歓

  • 雷遠くナマズ巻きつく浅みの夜

    鶴亀

  • 三角は何か足りない日雷

    猫ふぐ

  • 雷や堂々と濡れ歩く俺

    羽光

  • ホチキスの針がどつかに日雷

    久留里61

  • 鳴神さんと呼び優しい祖父でした

    亜桜みかり@金カル

  • 遠雷へ耳を向けつつ眠る猫

    もふ美

  • ひと息に裁つ白生地や日雷

    主藤充子

  • 雷はブルー夭逝の自画像

    ほしのあお

  • 遠雷の半跏思惟ほど澄み渡り

    新城典午

  • 締切も雷もまだ近くない

    季切少楽@いつき組広ブロ俳句部

  • 雷やプレパラートを覗き込む

    光本弥観

  • 砂が匂う日の瞼のようにホテルのどこかの窓には一頭の山羊/雷

    さ青

  • 遠雷や疾うに切れてたパスポート

    新多

  • 六甲の雷山を大きうす

    松元転石

  • 雷に飛び出してゆく聴こえぬ子

    青野遊飛@蚊帳のなか

  • 遠雷や新旧の書の十牛図

    寺嶋杳杳

  • 雷の午後や鳥葬写真集

    内田こと

  • 雷過ぎて成層圏の匂ひかな

    A・アメリ

  • 遠雷や牧をさまよふ裸馬

    蒼鳩 薫

  • 雷や今国宝の鐘を撞く

    蔵原 貢次郎

  • 雷やジャックの巨樹をまつぷたつ

    黒子

  • 雷の度に自転の加速せり

    新蕎麦句会・凪太

  • 角膜に雷鼓膜に雷

    俳句ファイヤー立志

  • 雷と祖母が戸袋開ける音

    吉乃紫享

  • 雷鳴や今日の音叉の周波数

    いたまきし

  • 雷や喉を差し出す猫に手を

    ノアノア

  • 雷の過ぎし空見て病院へ

    倉たけ

  • 雷を浴び腐りだす頭かな

    野原 華

  • 遠雷や行方不明者探す町

    ゆみづき

  • 太陽が剥げた雷また来るぞ

    青井えのこ

  • 船上のダンスパーティ遠雷す

    雨霧彦@木ノ芽

  • 雷去りて試験会場ペン閑か

    旺上林加

  • 雷や鉄の扉の体育館

    河島 八々十

  • 遠雷や紙に包んだ鬼の面

    立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部

  • 落雷や空に紐づく夜の街

    勝瀬啓衛門

  • 雷鳴や楽聖並ぶ音楽室

    野ばら

  • 雷や気短ゼウス一喝す

    小石日和

  • 雷や抗うつ剤の効かぬ夜

    東原桜空

  • いかづちや闇の密度の濃く重く

    夏湖乃

  • 雷や僕は神社に行く途中

    山本蓮子

  • 雷や事務所に閑話はじまりぬ

    陽光

  • 遠雷や人伝に聞く吾の噂

    由づる

  • 雷やテレビ極彩色になり

    acari

  • 雷に総合病院聳えたり

    向原てつ

  • 大雷雨避けてバーガー不味すぎて

    紗羅ささら

  • 八重山に雷神渡る島時間

    柳絮

  • 雷は糸を吐きつつ泣いている

    在在空空

  • 霊界の塵焼き払へはたた神

    晴田そわか

  • 雷やノートに刻む黒歴史

    広瀬 康

  • 白壁に厳然と松夜の雷

    かゐみすず

  • 雷や乱鴉の空を縦に打つ

    村上継鳥

  • 去り際はあつけなきものはたた神

    髙橋弓女

  • 遠雷や勇気と描かれた風向計

    武志望

  • 遠雷や潮の香どっと押し寄せる

    小藤たみよ

  • 雷響か雲より島の落ちたるか

    山本先生

  • 鳴神や尾行のプランBで行く

    鳥田政宗

  • 帯選びあふや雷迫りおり

    空想婆

  • 雷近づくそれよりけふのめし

    哲庵

  • 雷鳴やベートーベンの鋭き眼

    緩木あんず

  • 友情を試す雷鳴すぐ此処に

    山崎 かよ

  • 遠雷や屋体崩しに芝居果つ

    中里 凜

  • 雷や文庫本より栞落つ

    可笑式

  • シェルターは押入れの中雷迫る

    花咲明日香

  • 町会の強制清掃雷雨かな

    田口大寒六

  • 遠雷や一行だけの父の遺書

    小川都

  • 日記書く三行の間を落雷す

    伊藤 柚良

  • 保線区の点検半ば雷走る

    喜多丘一路

  • 日雷結論の出ぬ会議室

    石塚彩楓

  • 雷声や闇堕ちライダーの「変身•••」

    ダンサーU-KI

  • 球拾い遠雷とフルート微か

    角野角子

  • いかづちの力くらべやあきつしま

    谷 牛歩

  • 雷の結ぶ天地風匂ふ

    広島あーやあーや

  • 雷や陸の孤島となる館

    渡辺香野

  • 鳴神の今日の舞台は弥陀ヶ原

    釋愚拙

  • 雷や木鼻の迫る鐘楼門

    トウ甘藻

  • 雷や隣家の窓の闇を顔

    粋田化石

  • 雷落つる各地のニュース途切れなく

    藤 えま

  • サバンナの雷に出会しジープ止む

  • 雷鳴や今日を諦め逝った人

    ふくろう悠々

  • 出来たての青焼き図面日雷

    でんでん琴女

  • 遠雷や母にロマンスの仄聞

    仮名鶫

  • 北斎の画集買い十時の雷

    鬼殻

  • 劣勢の猫の尾太し日雷

    鶴小なみ

  • 雷の写メに返信音ぽろん

    はくたい

  • 雷の夜やルンバ静かに出動す

    竹田むべ

  • 岩堰ののみ跡しづか日雷

    ゆすらご

  • かみなりに打たれ眠りぬ左眼は

    haruwo

  • いかずちや命日赤きカレンダー

    海老海老

  • 日雷や逆上がりの蹴る大地

    縞ふみ

  • 妹の水晶体にいかづち来

    山尾政弘

  • 雷ぞ怖き黒いドローン行く

    ナゾラブ

  • 雷やまた玄関の傘かさむ

    川上 生煎

  • 雷去るを山に伏し待つ土の味

    まつといのいち

  • 雷にめげない祖母の握り飯

    云々 美雲

  • 遠雷や「試合中止」の通知ピコン

    フィビキ I

  • マティーニをシェイクする如霹靂神

    えりべり

  • 遠雷や延命父の動く喉

    山本たか祥

  • 雷去りてエンドロールのやうな雲

    砂楽梨

  • 雷を好きな女と暮らしをり

    笹 靖子

  • 歯科出れば麻酔の口に日雷

    谷町百合乃

  • 遠雷や遺言は一行あればよし

    まんぷく

  • 雷やわずかに妙義山の影

    とんぶりっこ

  • 遠雷やシフォンケーキのスイッチオン

    百卓@ノエル

  • 雷や予告の長き映画館

    小夏

  • 電気ブラン飲みつつ聞くやはたた神

    森一平

  • 震度五の速報窓を震わす雷

    宮坂暢介

  • 遠雷やしりぬぐひてふきれいごと

    郡山の白圭

  • こんなにも小さき島に雷の来て

    亀山酔田

  • 雷鳴に家路の街がいきをのむ

    牧野京子

  • プーチンをプチンと潰せはたた神

    喜多輝女

  • 雷や三度硝子戸震わせて

    haru_sumomo

  • 鳥栖駅の貨車もくもく日雷

    きゅうもん@木の芽

  • 峻峰や雷鳴を聞くランプ宿

    そうま純香

  • 耳奥の止まぬ雷そとは雨

    空流峰山

  • 雷や透明は存在のコア

    リーガル海苔助

  • 雷や半地下画材屋にたむろ

    つばさ

  • 雷の来て去つてなほ棋譜並べ

    ももたもも

  • 雷や大動脈の解離して

    松高法彦

  • 青白く瞼越え来る雷よ

    諫鼓苔深

  • くつに新聞つひに雷始まりぬ

    海野青

  • 遠雷や図書館は今日休館です

    たまのねこ

  • 田も畑も草に呑まれて山の雷

    山田不律

  • 角打ちのあては缶詰日雷

    みらんだぶぅ

  • 雷や一日無音の黒電話

    スモールちもこ

  • 遠雷に父墨壷の糸弾く

    さゆり@金カル

  • 日常に義母の命日はたた神

    八幡風花

  • 清かなる雲の輪郭雷起こる

    佐藤レアレア

  • 遠雷や五百羅漢の欠けた耳

    平としまる

  • いかづちを見下ろすほどに岩登り

    清水奈々子

  • 雷鳴や布巾粛々干す厨

    清白真冬

  • 雷やハーネス握る手の湿り

    山吹なお

  • 雷を理由に行かぬ偲ぶ会

    仙川 チュン

  • 雷や男女の睦むつくば山

    神谷たくみ

  • 雷の夜の相続会議始まりぬ

    松本笑月

  • 異常巻きのアンモナイトや遠き雷

    ふもふも

  • 遠雷や時計回りのミキサー車

    金子泰山

  • いかずちの車のなかに眠る子よ

    大野美波

  • 雷や龍神様を見上げ待つ

    石原しょう

  • 遠雷のまだ続きをり夜の闇に

    三島ひめばしょう

  • 錆び付いて蛇口動かぬ日雷

    山 ゆり

  • 遠雷や一行あけてさよならと

    仲 操

  • 雷鳴や身の上話は佳境へと

    栞虫かじり

  • 遠雷や最終出社日の知らせ

    瀬央ありさ

  • たいそうな雷の夜の耳の垢

    田季たまき

  • 落雷や父の軍靴に小さき穴

    鶴岡木の葉

  • 雷や酸素の足らぬ視床下部

    さざなみ葉

  • アテンション雷遠きターミナル

    三水低オサム

  • 昼飲み屋雷で混む御徒町

    馬門宗太

  • 叫べども迅雷すでに塔を撃つ

    榊昭広

  • 忘れたき人おもひ出し雷を聞く

    うみのひつじ

  • 雷近し演説の止む昼下り

    野田遊水

  • 雷のほぼ平行に機体在り

    あねもねワンヲ

  • 遠雷を行くや土産は千疋屋

    野口日記

  • 遠雷や医者の言葉を聞きながら

    村上薫

  • 雷ぐあらり野仏も半眼す

    八十六九

  • 雷鳴にコップの氷ゆらゆらと

    ほこ

  • 遠雷や地雷探知機反応音

    田畑 整

  • 遠雷や実家に住まう終身刑

    灰色狼

  • 遠雷や樹のオオタカはたじろがず

    えいぎょ

  • 雷やファドの洩れくるローリー車

    あるる

  • アルピニストの沈黙霹靂神そこ

    吉田竹織

  • 雷や保険解約の印朱し

    泉水あやめ

  • 遠雷や野良の目吾の目似るを知る

    亀亀子

  • 柿の種ガサと握つて雷見をり

    大岩摩利

  • 雷鳴や唇は「さよなら」と読め

    荒一葉

  • 鳴神や音楽室の残響音

    冬島 直

  • 指呼の間されど国後遠き雷

    黒澤墨青

  • 地鎮祭の斎竹しなる雷遠し

    もりたきみ

  • 留守番の母のプリンや雷響く

    あおみどり

  • 遠雷や投票箱はジュラルミン

    秋野木吾

  • 歩き方忘れた母や日雷

    白薔薇

  • 遠雷や真直ぐ切れぬ藁半紙

    暖井むゆき

  • はたた神竈の灰の奥の奥

    桂葉子

  • 雷鳴やジオラマめきて歩道橋

    平本魚水

  • 雷の轟海を攪拌す

    西町彰子

  • 雷や蝦の首より蛻たり

    勘八

  • 雷神は心が傷む時に打つ

    コモドドラゴン

  • 空近し渓間の村に雷来襲

    まぐのりあ@蚊帳のなか

  • 雷や母は空襲語り出す

    山口朝子

  • 避雷針雷の指先皸りけり

    亘航希

  • 雷や天井高き蔵座敷

    青柿

  • 雷の落ちてトランス火を噴きぬ

    岩田遊泉

  • はたた神われのプリンをねらひ給ふ

    くみくまマフラー

  • 雷が酒の度数を上げたのだ

    伊藤辰弥

  • 億兆の雷原始の海に降る

    秦 理露

  • はこね号従へ雷雨通過中

    秋津穂 実

  • また母の入院が延び日雷

    太閤検地郎

  • 雷鳴や変わらぬ心雨晒し

    秋沙雨

  • 雷や蛇口を上に空き家らし

    春風流士

  • 雷鳴やあなたは私の何を知る

    穂麦ひろこ

  • 脱獄や落雷の夜に打つ土管

    いなだはまち

  • 遠雷や風が運んで来る匂ひ

    岩本夏柿

  • 琵琶湖から若狭へ走る夜の雷

    山路碧水

  • 雷や最終面接の前夜

    楽花生

  • 雷や毀れる空の色硝子

    小川野棕櫚

  • 遠雷や妹よりも火の馬が欲し

    元野おぺら

  • 雷やビルを五色の毛の麒麟

    千鳥城@いつき組広ブロ俳句部カナダ支部

  • 雷や鬼を操る鬼がをり

    こま爺

  • ダイヤルのゼロほど遅れ雷鳴来

    佐藤烏有

  • 遠雷や手紙と錆びたスペアキー

    桜鯛みわ

  • 疾雷や友の家族の中独り

    川端こうせゐ

  • 雷鳴まじりアマチュアのCDは

    つちや海郷

  • 遠雷や草に埋もれし線路跡

    角田 球

  • 貝が口開ける瞬間日雷

    姫川ひすい

  • 雷の近しラジオより戦況

    そうり

  • 雷の教室こつくりさんが聞こえない

    七瀬ゆきこ

  • がうがうと雷さかる夜半独り

    at花結い

  • 採血のじっとしたるや遠きに雷

    加東ネムイナ

  • 恩師逝く雷照らす長き坂

    藤永桂月

  • 駅前の裸婦像跳ぬる雷雨かな

    宏楽

  • 遠雷や五百羅漢に千の耳

    雑魚寝

  • 落雷やエッフェル塔を垂直に

    みなみはな

  • 雷の夜や働く父の枕の香

    栗の坊楚材

  • 地球儀の極地の剥がれ遠き雷

    林省造

  • 雷の攻撃自走カート遅遅

    風花まゆみ

  • 八又の光天へと帰還雷

    外鴨南菊

  • 雷雨去り星の生まれぬ山路かな

    小林昇

  • 雷に動じず祖母は出汁をとり

    川口雅裕

  • 人形も蝋燭かこむ雷の夜

    華胥醒子

  • 雷は叫びブラウン管黙る

    織 紫子

  • 雷や父の鼓膜を破りし母

    英ルナ

  • 真夜中の雷よあの猫どこにおる

    泉晶子

  • 雷やたばしるがごと打つチョーク

    枯丸

  • 雷に雷がつん終わる恋

    百瀬はな

  • 鳴神や待合室は犬ばかり

    虎八花乙

  • 雷鳴や赤子時折ぴくりとし

    小池博美

  • 雷や揺るる灯りの数ⅡB

    無弦奏

  • 蔵に入る落雷多き山間部

    多摩川風子

  • 被雷にも耐へる造りと言ふ機長

    野地垂木

  • 遠雷を同時中継ラジオ局

    やっせん坊 池上

  • 雷や受け子のえくぼ深き影

    巳智みちる

  • 雷や次の頁で人が死ぬ

    月影の桃

  • 雷やおびえる祖母のいたところ

    だいやま

  • アクセルは全開真夜中の雷鳴

    よみちとせ

  • 雷やセンサーライト無反応

    高市青柘榴

  • 落ちさうで落ちぬ雷ハチ公前

    三崎扁舟

  • カプセルは胃の腑へ落ちて夜の雷

    渋谷晶

  • 我意とほす吾似の吾子や日雷

    遠山比々き

  • エキストラ百人待機雷の街

    蒼空蒼子

  • 雷やマイクからライムとフロウ

    豆柴

  • 鎮まりし靖国の空はたた神

    坂土海夏

  • 紫電一閃鉄塔走る落雷

    佐藤 啓蟄

  • 雷鳴が大西洋に突き抜ける

    吽田のう

  • 迅雷や静かに答弁書陳述

    HNKAGA

  • 補聴器を取つて迅雷つと躱す

    椋本望生

  • 簸の川の肥沃な大地日雷

    星埜黴円

  • 突然の雷やむを得ずプリン

    島田ポン吉

  • 遠雷や初生児抱く乳硬し

    さく砂月

  • 日雷主治医の声の遠去かり

    森中ことり

  • 大地うつくし雷にあひてより

    竜胆

  • 雷や切手の味の残る舌

    珈藤絵本

  • 鳴神や神木の皺深めをり

    久保田A

  • 勤行へ一声はたた神通る

    駒村タクト

  • 雷鳴や線香立てて数珠の母

    杉尾芭蕉

  • 雷鳴やプレゼン資料未送信

    アリマノミコ

  • 雷のすぎさるまでを自習室

    にゃん

  • 留守番の雷鳴テレビは怪談

    清仁

  • 雷雨去き持ち場復帰のドーベルマン

    堀邦翔

  • 雷にほふ地下街の人だまり

    鈴野蒼爽

  • 遠雷に谷底の村潤みだす

    花屋英利

  • いかずちの孤独木陰の一輪車

    島田あんず

  • 忘れ得ぬ父の一言はたたがみ

    ひろ

  • 死も辛し生も辛しと雷鳴が

    まにあ

  • はたた神さわぎて吾を置き去りに

    西野桃果

  • 雷や屯田の碑の叫ぶ夜

    佐藤これ凡

  • 沖に根を張る日雷美しや

    鈴木裕公仁

  • 西へ五分雷くぐり離婚届

    井田みち

  • 雷やうっすら残る蒙古斑

    鈴木くんの父

  • 雷に目覚める夜も覚めぬ夜も

    一型

  • 雷鳴や病窓からの街明かり

    玲風

  • 遠雷やくすんだ色の皮財布

    小園夢子

  • はたた神鏡の顔の赤き痣

    剣橋こじ

  • 遠雷や湯の沸く音の甲高し

    梅朶こいぬ

  • 北信の五岳に雷の突き刺さり

    でんだ浜千鳥

  • 雷や落ち着く先は阿弥陀籤

    豊岡重翁

  • 本日のクライマックス昼の雷

    田辺ふみ

  • 雷様の道とぞ老婆引き籠もる

    天東あさじ

  • 雷に青く光りぬ郵便車

    岡塚 敬芳

  • 遠雷や誰かに借りたままの本

    海老煎餅

  • 快速は渋谷出たらし雷雨来る

    三月兎

  • セロ弾きの雷に旋律つけたる譜

    坐花酔月

  • 鳴神の落ちざま四斗は呑んでおる

    丁鼻トゥエルブ

  • 雷や四時に歯医者のアポイント

    千原 十吾

  • 遠雷やぎよろと窓向く遺影の眼

    シュリ

  • 雷や爆音立てる改造車

    誠馬ノマド

  • 遠吠えと聞けば本気のははた神

    一生のふさく

  • 雷に人生持って行かすかい

    松本俊彦

  • かみなりや犬は耳もて息をする

    笹野夕

  • 雷に潜む魚群やひとつ跳ね

    パンの木

  • 人体に薄き体毛夜の雷

    霞山旅

  • 雷は近づく町は止まったまま

    ほうちゃん

  • 遠雷や文集にホチキス錆びて

    あたなごっち

  • 遠雷やひよめきは熱く昏き門

    佐々木のはら

  • 日雷五重塔は逃げませぬ

    鶴富士

  • 雷の予祝顕に!(感嘆符)

    三群梛乃

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