俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2026年3月20日週の兼題

春陰

【曜日ごとに結果を公開中】

【並選】

  • 春陰やへそくり記憶はシュレッダー

    さくらバディ

  • 春陰や将来見へぬ若者の

    山口康煌

  • 春陰に丸まつて寝る保健室

    神谷たくみ

  • 春陰や鳥ことごとく隔離され

    宮内みゃあ~~~

  • 春陰や口内炎の治まらず

    後藤三梅

  • 春陰や退院の父無表情

    葉多 豊

  • 春陰や七重八重なる山の影

    吉岡ひさ子

  • 春陰や今日も倒れし老大樹

    豊岡重翁

  • 春陰やからから笑ふ塔婆あり

    浩子赤城おろし

  • 春陰や鉢割れ猫のとほりみち

    斉藤 屯

  • 春陰や回り道なる女坂

    花南天anne

  • 春陰やみづうみをひっくり返す

    岩本遥

  • 119かける春陰手の震え

    馬門宗太

  • 春陰や消え物として花届け

    湖乃しじみ

  • 春陰や人混みを避け吾と犬

    白倉黄鶺鴒

  • 春陰や司馬全集の無き二巻

    坂本雪桃

  • 春陰や火傷の痕の白き膜

    ふもふも

  • 春陰や大先生の定年日

    林 水城

  • 春陰や蹴りたる石について行く

    磯野ふらぼん

  • 春陰や寛解まではあと二年

    哲庵

  • 春陰やチャンキーソール7cm

    水間澱凡

  • 春陰やお飾りと化す掛時計

    紅 珊瑚

  • 春陰や二枚つづりの処方箋

    千寿 ココ

  • 春陰やヘッドライトの曲がり行く

    汀望人

  • 春陰を孕む古池さざれ波

    國本秀山

  • 春陰や情夫の耳の薄き傷

    子猫のミル

  • 春陰の砂の城くづれて海へ

    haruwo

  • 春陰や母のダウンに飴一つ

    Karino

  • 春陰や理由ありなのと言う女将

    宇田女deノエル

  • 春陰や落ちた小銭が見つからず

    稲光虎介

  • 春陰よ山門隔て三世代

    隠し刀のんき

  • 春陰やホームを歩く鳩一羽

    宇のななみ

  • 春陰や逃げない烏ゴミ置き場

    ゴーマ

  • 春陰のカフェに太宰は重すぎる

    小川テル子

  • 春陰やスーツの皺のおおまかな

    柳十八公

  • 春陰の脈拍数は秒に一

    白神ハムサンド

  • 春陰や絶妙な元気の無さ

    時小町

  • 春陰や矛か盾かと機械問ふ

    止川 章

  • 春陰や地図に載らざる喫茶店

    檜鼻ことは

  • 春陰や橋のたもとのカップ酒

    文室七星

  • 春陰の窓や婦人の歯を磨く

    松島泉

  • 春陰の団扇太鼓や朝景色

    紫鋼

  • 春陰やがん再発の夫のこと

    PONホンダ

  • 春陰や家終いして鍵かけて

    平野のらり

  • 春陰の薬切れゆく奥歯かな

    千・いつき組広ブロ俳句部

  • 春陰は時の刺青入るる予兆

    嶋田奈緒

  • 春陰の朝眠剤のカケラあり

    空 ひろ

  • 春陰や背突かれ奔る交差点

    有骸蟲蜴

  • 春陰のラジオ聴く吾は静かなり

    加納仁桜

  • 春陰の窓告解の椅子ふたつ

    嶋村らぴ

  • 春陰のパティオ亡友のライン消す

    吉永那夫子

  • 春陰に醤油の匂いありにけり

    吉 や

  • 春陰や予備校側に降りる駅

    虎穴虎児

  • 春陰や村営バスは客二人

    聞岳

  • 春陰や炭火起こしの雨男

    さかえ八八六

  • 春陰のタロットカード愚者のいる

    宮井そら

  • レフ板の白や子役待つ春陰

    哀乃縁

  • 春陰や知恵の輪解けた難易度5

    くりた りく

  • 春陰やデイサービスに夫を出し

    中防美津子

  • 春陰を崩しホチキス軽く打つ

    さとうナッツ

  • 春陰や戸建値下げの捨て看板

    辻 花和音

  • 春陰や話せば分かるなんて嘘

    ななかまど

  • 春陰や遺影のピース子供らに

    風間 燈華

  • 春陰の混雑運休の余波

    松浦美紅

  • 呼べど声なき春陰の森の中

    伊藤なお

  • 春陰の朽ちし空き家にカラス死す

    白打子

  • 「幸せになれ!」春陰の離任式

    東原桜空

  • 春陰や模試の数学六十分

    円谷琢人

  • 春陰や閉店セールの飛行船

    風間 爺句

  • 春陰の果て贋作の世を嗤ふ

    成瀬源三

  • 春陰の朝吸い込んで旅立ちぬ

    猫出招き

  • 春陰や応へ待つ身の影薄く

    鈴木来穂

  • 閃輝暗点に目を瞑る春陰

    浅井ねむり

  • 春陰にひとかたまりの床の髪

    春野ぷりん

  • 春陰や監督のゲキよく通る

    渡部克三度

  • つい長居図書館日和の春陰

    白山おこ女

  • 春陰や父の手帖に死亡時刻

    風友

  • 春陰や五限目の貧血検査

    わわんとにごー

  • 春陰を自衛隊機と米軍機

    野点さわ

  • 春陰や症状は無き再検査

    でんでん琴女

  • 春陰や電線からむ飲み屋街

    能研ショテカ

  • 春陰や老の大工は鑿を研ぐ

    北郷傘寿

  • 春陰の門出五歩目に水溜り

    たこ山焼之輔

  • 春陰や刺繍の一針広がりぬ

    川崎ルル

  • 閻魔のご機嫌晴れてなお春隂

    Dr.でぶ

  • 噛み砕く三粒のミント春陰に

    バンブー

  • 春陰や入院予約してカレー

    松本厚史

  • 春陰や右の目尻の逆まつ毛

    藤本花をり

  • 春陰の防犯カメラ横切つて

    野ばら

  • 春陰や床下に獣の気配

    清鱒

  • 春陰のもやしからんで透くなかば

    青空まる

  • 春陰や女給あがりの祖母の墓

    伏見丹耶

  • 春陰や移動火葬車到着す

    猫塚れおん

  • 春陰や生涯続く飲み薬

    中島尚之

  • 春陰の重し砕きてチアガール

    花吹雪  浅海ひとみ

  • 春陰や継母の抱く黒電話

    三上 栞

  • 春陰や首塚曲がりオフィスへ

    椿泰文

  • 軒下に積まれし肥料春陰に

    虎の尾

  • 砂抜きし冷凍春陰の朝餉

    稀星 柳皇(佐東亜阿介改め境沢一千雄改め綺星柳皇改め)

  • 春陰や明日は手術日ステージ二

    村上秀造

  • 春陰やマンジヤロの鍵開けてゐる

    小室雅俊

  • 春陰や雲梯眺む一年生

    遊子眼鏡

  • 春陰や二日古りたるチーズの香

    畑中幸利

  • 春陰の街を烏の闊歩せり

    千代 之人

  • 裏返しても春陰の診断書

    みしまはぐし

  • もしももしもが私をつぶす春陰よ

    小川都雪

  • 春陰の蒼い夕ぐれ重たい瞼

    桃花鳥ゑ

  • 春陰や図書館前の裸婦の像

    三尾ひすい

  • 春陰や黒のネクタイ探す朝

    よみちとせ

  • 春陰や伊賀紐組の濃紫

    石塚彩楓

  • 春陰の眺む石室古代米

    富良里旅人

  • 春陰の音響歩行「通りゃんせ」

    陶笛有味音

  • 春陰や空へゆらゆら赤風船

    西瓜頭

  • 春陰や余白に独活と書き記す

    慈夢りん

  • 春陰の施設鏡と話す母

    八幡風花

  • 春陰や煙草の吸える喫茶店

    藤鷹圓哉

  • 春陰の甘やかさに負けページ閉づ

    希凛咲女

  • 春陰やタイムカプセル掘り起こす

    沙那夏

  • 春陰や鏡の顔に消えぬ傷

    葉月庵郁斗

  • 春陰やただ在るやうな痣ひとつ

    帷子川ソラ

  • 春陰やパンプスの踵に血の滲み

    小箱 守

  • 春陰や女人禁処に遊ぶ鳥

    佐々木棗

  • 春陰や語らう友なく歳を喰む

    猪飼篤彦

  • 猫と居る部屋にはショパン春陰の候

    坂本秋風

  • 春陰や遺品に古きお札あり

    奥田圭衣

  • 春陰や昆布茶の友の生煎餅

    渥美こぶこ

  • 春隂や天使の姿無き梯子

    鶴岡木の葉

  • 春陰や木立に抱かれ異人墓地

    蓮見玲

  • 春陰の何処を通るジェット機か

    葦野月ノ水

  • 春陰の深みへ白き巡礼す

    佐藤知春

  • 春陰や人類絶滅危惧II類

    佐々木さわら

  • 春陰や今日も言い返せなかったな

    津田燕子花

  • 春陰や二重線引く「ご出席」

    紙谷杳子

  • 春陰や退職書類に判子押す

    亜寿紗

  • 春陰や読み込み鈍しセルフレジ

    春野たんぽぽ

  • 春陰や母のパジャマの布名札

    和田宏泉

  • 春陰や卵同士をぶつけ合ふ

    大地緑

  • 春陰の樹々くろぐろとフレームへ

    守田散歩

  • 春陰や卵焼き器の居場所なき

    桜井タケ女

  • 春陰や祖母の残した庭の色

    ぱせり

  • 春陰や伽藍に紙の鶴ひとつ

    狷狷亭猩々

  • 春陰の峰は遠くにありにけり

    渡邉花

  • 春陰や決算書へと雫すお茶

    はっぴー猫

  • 春陰の色は迷路の裏小路

    るびちゅ

  • 春陰やもったり重き更年期

    花彼岸

  • 春陰や転校生の里訛り

    土井あくび

  • 春陰や色褪せはじむ写真立

    伊藤 蒼邨

  • 春陰や塔を映せる濁り池

    与志魚

  • 春陰や土に埋もれし紙吹雪

    フージー

  • 春陰や役員決めの体育館

    さがみ湧水

  • 春陰や空き教室の世界地図

    谷本均

  • 春陰や無為な一日乗車券

    吉丈月子

  • 春陰や鯨ベーコン箸に垂る

    松山松男

  • 春陰の渇きの町や雨いずこ

    鍋奉行

  • 春陰の学び舎は閉じ汽笛聴く

    あさぼらけ

  • 春陰の錆びし鉄路を父還る

    新濃 健

  • 春陰や優先席の前に立ち

    川蜷

  • 春陰や施設の壁の指の跡

    小鳥遊こはく

  • 客五人の春陰のバス日に五便

    リカ

  • 春陰や牛のよだれの途切れざる

    広島あーやあーや

  • 春陰とは甘辛き塩麹よ

    吽田のう

  • 春陰に夭折の跡惟る

    吉 灯寛

  • 春陰や普段使わぬ部屋ばかり

    幸久

  • 春陰や日銭稼ぎに子沢山

    加藤多作

  • 春陰を足音軽き若き医師

    金治宜香

  • 春陰や研ぎ澄ましたる打刃物

    愚老

  • 春陰を破る一歩や靴の紐

    不動進太

  • 春陰や図鑑に重ねる影やはら

    猫丸

  • 春陰や神社に長寿の夫婦杉

    どれみすみ

  • 春陰や夫の野良着のほつれ縫ふ

    大久保一水

  • 春陰や黒のパンプスの高音

    香羊

  • 春陰や厚き契約書に割印

    じょいふるとしちゃん

  • 誰が声と問う春陰の声変わり

    弘田根発子

  • 春陰や黎明蒼く棚田染む

    坂土海夏

  • 春陰のネクタイ結び目のいびつ

    江良 中

  • 春陰や折り畳み傘やや重く

    青い空加納

  • 春陰や金属音のしぼませて

    米山カローリング

  • 春陰や街跡あらわダムの底

    コモドドラゴン

  • ギイギイと実家の雨戸開け春陰

    平田暮路伊

  • 春陰や煙草燻ぶる停留所

    小田毬藻

  • 春陰の川面へ礫投げつづけ

    ひだ岩魚

  • 春陰や君は可愛いまま逝った

    灰色狼

  • 春陰や古書に挿みし吸取紙

    オキザリス

  • 春陰や朝から読書と決めており

    近未来

  • 春陰や老猫は祖母の眼をして

    中村想吉

  • 春陰や島唄手踊り浜の音

    荒木ゆうな

  • 春陰はカルーア・ミルク濃いめかな

    小田嶋隅雀

  • 春陰に諭され帰るプチ家出

    遠藤 千草

  • 春陰や医院の椅子のランドセル

    空心菜

  • 春陰の中間色の地方都市

    寺尾当卯

  • 春陰やコンビニ側の喫煙所

    山本葉舟

  • 春陰のCTX線MRI

    宮川武久

  • 春陰や間違え探しのできる犬

    香依蒼

  • ぼんやりと春陰自販機の灯り

    比良山

  • 春陰に色なしかをりあり日暮

    萩女

  • 春陰や廃墟のままの精神科

    萇崎りん

  • 春陰や推し活ライトの反戦デモ

    中村雪之丞

  • 春陰の宿れる指がスマホ割る

    ロジック・ファットフィールド

  • 春陰の帯封数を読む受け子

    野口雅也

  • 春陰や今日で最後のショートケア

    中村葉季

  • 春陰やポテトサラダに粉チーズ

    GONZA

  • 春陰の園庭さよならはそれぞれ

    我孫子もふもふ

  • 春陰や鳥の美声も消されゆく

    コタロー

  • 春陰や井戸汲む音のきゆと泣く

    亀田かつおぶし

  • 春陰の匂ひをこぼす如雨露かな

    牧茉侖

  • 春陰やまだ出来ること数えをり

    春のまさ女

  • 春陰や満タンまであとどのくらい

    仮名鶫

  • 春陰やとぼとぼ参る観音堂

    希布

  • 春陰や応答のなき友のスマホ

    霧 澄渡

  • 春陰や笑顔の写真飾る通夜

    北田立緒

  • 春陰の今日は亡き妻生まれし日

    小山 晃

  • 春陰や待合狭き診療所

    風の木原

  • 春陰やゲームアバターのはつらつと

    Machicorita

  • 春陰のぼた山空家の炭住

    神島六男

  • 春陰や吾の命は誰のため

    おんちゃん。

  • 春陰差す九品阿弥陀は横一線

    美津うつわ

  • 春陰に老帝のゐる地球かな

    おまち 草

  • 春陰や岩打つ杖に若き声

    藤井 桜香

  • 干上がれるダム湖春陰あえかなり

    茗乃壱

  • 春陰やレシートを折る折る折る折る

    芥もくた

  • 春陰や川辺の鳥は天に鳴き

    岡塚敬芳

  • つなぐ手のない春陰の橋わたる

    幸田柝の音

  • 春陰や爬虫類分館は休館

    清松藍

  • 春陰や誰もかれもが探偵かよ

    外鴨南菊

  • 春陰や四神の庭の麒麟待つ

    友咲恵子

  • 春陰や今朝のインターフォンの怒号

    瀬央ありさ

  • 春陰の雲去り難く地を掴む

    芋 二郎

  • 春陰やアルトサックス吹く窓辺

    岡田瑛琳

  • 春陰や地殻変動観測点

    みやざき白水

  • 春陰や継ぎ足しのタレ壺黒く

    星醒

  • 春陰や一輪挿しの濁り水

    前原鶏頭

  • 削掘の山の悲鳴よ春陰よ

    春の風花

  • 春陰や「きっと」「だろう」のない祈り

    俳句川棒人間

  • 春陰や日記に過去のことだけを

    絵十

  • 春陰へモールス符号めく歩幅

    三角山子

  • 春陰や大仏の甍沈みをり

    鈴木 潤

  • 春陰や杖を携え同期会

    中村あつこ

  • デフォルメに倦む春陰の画廊展

    美竹花蘭

  • 春陰や波打ち際で手紙焼く

    守屋陽柑

  • 春陰や牛車の如く雲流る

    永想

  • 春陰に線香の煙たちにけり

    みやこあみ

  • 春陰や老舗負けじの旧市街

    もりお

  • 春陰の小駅ななつぼし通過

    円路

  • 春陰を右目に時を左目に

    高遠みかみ

  • 春陰や二十階より鳥瞰す

    祐 紀杏里

  • 春陰のビラの犇く硝子かな

    刈屋まさを

  • 春陰や川は己を取り戻す

    チャールストン

  • 春陰を透くクレーンの平行線

    ランナーズ寅さん

  • 春陰やアイアン右へ曲る癖

    もりさわ

  • 春陰や職業欄に主婦と書く

    蜜がけまやこ

  • 春陰や古墳を覆ふ杉木立

    一久 恵

  • 春陰や迷い迷いて出ずじまい

    平川一空

  • 春陰のコップの縁の鉄の味

    関津祐花

  • 春陰や腰引きながら出す名刺

    イサク

  • 春陰の路地を互ひに後退り

    空地ヶ有

  • 春陰にかざす爪先桜色

    虹岡思惟造

  • 春陰や喉の枢にしこり立つ

    羽柳武助

  • 春陰や十二年目の御朱印帳

    丸井ねこ

  • 春陰の事業所午後の電話番

    中岡秀次

  • 春陰や女二人で縄のれん

    砂山恵子

  • 春陰や鉢底穴のひとやすみ

    acari

  • 春陰や闇見つめゐるアリアドネ

    武志望

  • 春陰の湿り瞳からの雫

    房総とらママ

  • 春陰や人が三人死ぬ映画

    光峯霏々

  • 偏差値は50春陰の正門

    越前俊水

  • 春陰に魞から帰る舟重し

    たていし 隆松

  • 春陰のサイレン父の出廷日

    明日ぱらこ

  • 春陰の皮膚ごと剥げるテーピング

    まっちゃこ

  • 春陰や酒を求めて川上る

    未知久幸

  • 春陰の波長に染まる魚の血

    谷地ましこ

  • 春陰の軟膏残る指の先

    水須ぽっぽ

  • 春陰や列なす平和記念館

    横山三水

  • 春陰の窓の縁にハンガーハンガー

    井登をかし

  • 春陰やニライカナイを眺めをり

    入口弘徳

  • 春陰や足腰の守護神は猪

    亜桜みかり

  • 春陰の病棟老いの声左右

    大月 銀

  • 春陰の虚ろよ白き目の犬よ

    一井かおり

  • 春陰の裏木戸抜けて暮るる浜

    中田邦光

  • 春陰を睨む予備校の窓硝子

    森捷子

  • 春陰や戦死を隠しゐる暈し

    くずもち鹿之助

  • 春陰や迎賓館の閉ざす門

    島田あんず

  • 春陰や喜寿なる父は癌である

    人見直樹

  • 春陰やミラーの母が小さくなる

    小川しめじ

  • 春陰や画像データと問診票

    わたなべ☆いつせい

  • 春陰や老いの寝床の脚高し

    緩木あんず

  • 春陰や遥か戦雲の紛れる

    風のピアノ

  • 春陰のアーケード街写真展

    悪七兵衛

  • 春陰のテラス白帆めくドレス

    渡辺桃蓮

  • 春陰や母と姑女とも百寿

    線ケイト

  • 寿限無寿限無春陰の器械体操

    浪松新子

  • 春陰の天気読み切る老漁師

    康 寿

  • 春陰やうねり高めむ鹿島灘

    そめやまさみ

  • 車輪一つ越す春陰の停止線

    堀雅一

  • 春陰や飛鳥大仏うすき笑み

    亀山酔田

  • 春陰や水吸ふ鉢に穴ひとつ

    庵のエビグラタン

  • 春陰よ見ろ逆転の大三元

    村上継鳥

  • 本を繰る指に春陰及びけり

    IquedaQuenshi

  • 祈願像春陰の海拝すかに

    君島笑夢

  • 春陰や憂と鬱とをこき混ぜて

    折口一大

  • 春陰や拭き上げる塗やはらかく

    福井桔梗

  • 春陰の駅舎イヤホンから「ファイト」

    火星ラジオ

  • 春陰や画像診断二か所して

    増山銀桜

  • 春陰ひそかに真紅のとびら探す

    武藤あきみ

  • 春陰や処分始むる手紙類

    木寺 仙游

  • 春陰や泣き出しそうな寺の鐘

    白井百合子

  • 春陰や吾のユーミンは荒井由実

    秋田俳楽

  • 春陰の地より琴声圓光寺

    秋月

  • 春陰あなたを知りたい爪を切る

    青みどり

  • 春陰は黙F15飛び立ちぬ

    やちださとる

  • 春陰や読みかけの本に塵積もる

    佐藤 聰

  • 春陰や踏みつけられし邪鬼の面

    増本空ふね

  • 春陰やアトムは何処を飛んでいる

    田邉真舟

  • 春陰のザラメ糖のるビスケット

    ふゆの都々逸

  • 春陰やうだつの町の藍のれん

    冬の土の子

  • 春陰に狂いし絃の不言色

    飯田蛙子

  • 矛盾とふ言葉を知つた日の春陰

    杉浦萌芽

  • 春陰の傍聴を待つ整理券

    花蜜伊ゆ

  • 春陰や連絡船の遠汽笛

    松元転石

  • 春陰や検診バスのがうがうと

    青に桃々(俳句迷子の会)

  • 春陰やぽろぽろぽろと後朝に

    釋愚拙

  • 春陰の薬箪笥の鈍き艶

    一寸雄町

  • 老犬に野辺の花摘む春陰

    くろべぇ

  • 春陰や病の粥の塩気なき

    小林一千

  • 春陰やお墓参りの月命日

    卓司

  • 紗のかかる街並み春陰の眠り

    猫またぎ 早弓

  • 春陰や硬き我欲に折れる朝

    立石神流

  • 引き篭もりの春陰を抜け農日記

    夜寺耕太

  • 春陰や忌む日いくつか刻まれて

    髙山 藹然

  • 春陰や甘くて苦いサッカリン

    振戦太郎

  • 春陰の釣舟ゆらぐ淡海の湖

    家古谷 硯翠

  • 鈍角の春陰、渇水の地元

    濱野 五時

  • 春陰を果てなく進む御練り行

    まぐのりあ(蚊帳のなか)

  • 春陰や反論出来ぬ青切符

    輝棒

  • 春陰やLINEグループ見つめる子

    岩砂 鬼太

  • 春陰や棺がガタと鳴りました

    旧人オールド

  • 春陰や天守の閉づる名古屋城

    山田翔子

  • 春陰や犬の命日風もなし

    くちなしの香

  • 春陰に一か八かで唾を吐く

    丸山一赳

  • 春陰や下足置場に靴は似て

    高尾一叶

  • 春陰や不倫現場の道外れ

    噂野アンドゥー

  • 春陰や光のよわい蔵の中

    kikuti-aya

  • 春陰の翁の進む短き歩

    藤 えま

  • 春陰や黄身の外れて白身の環

    長谷川水素

  • 春陰や「バッタの孤独相」図前

    千葉水路

  • 春陰や神奈川沖は藍く凪ぎ

    大本 武

  • 春陰やプロペラ音のこもるヘリ

    野州てんまり

  • 春陰やスロースターターはホッとして

    西田武

  • 春陰や曽て名主の長屋門

    羽住博之

  • レコードの傷音春陰の恋情

    羊似妃

  • 春陰の空家管理の続きをり

    ことまと

  • 透明なる人春陰の溜め息

    野瀬藻石子

  • 春陰の寄進瓦の野積みかな

    中里 凜

  • 春陰や介護日誌のマーキング

    さぶり

  • 春陰や公衆電話に籠る人

    仲 操

  • 春陰やまたゴロを打つ草野球

    タケザワサトシ

  • トングでつかむ春陰のアルミ缶

    百瀬はな

  • 春陰や洟すする音ひそやかに

    ゆかりん

  • 春陰や河馬の眼ぬうと現れぬ

    林省造

  • 春陰に磨く亡師の机かな

    金井双波

  • なまこ壁干ぬ春陰の小京都

    高原としなり

  • 雉鳩の濁音包む春陰よ

    木村となえーる

  • 春陰やふるまい検知されてをり

    本田 踊留

  • 春陰や日めくり捲る手術の日

    増田楽子

  • 空見ゆる坂に春陰の底ひらく

    明月詩悠

  • 春陰やまた妹が泣いている

    せんとう一波

  • 春陰をスクールバスの低きホーン

    山羊座の千賀子

  • 春陰を裂かむと来たる吾子の剣

    黒山万牛

  • 春陰や最後のページ閉づる音

    とりゆふ

  • 春陰や離任式にも目を見せず

    岡崎佐々紅

  • 春陰や熱は三十六度五分

    宝塚御殿子

  • 春陰のかの海峡に亘りけり

    林眞亜紀

  • 春陰や焦がしたパンを齧る朝

    ナゾラブ

  • 助手席に知らない香り識る春陰

    沢 唯果

  • 春陰やビラかへりみぬ駅の朝

    ゐつしん

  • 春陰や急坂上る霊柩車

    山田蚯蚓

  • 春陰の九回推しの本塁打

    つーじい

  • 春陰を来る看護師の荷の重し

    大久保加州

  • 春陰の帰阪老母のそら笑ひ

    戸部紅屑

  • 春陰や時の化石を孕む海

    坂本秋天

  • 春陰を郊外へ行く列車あり

    也和

  • 春陰や遅延待つ子に飴ひとつ

    三群梛乃

  • 春陰の今日を始める塩むすび

    苺井千恵

  • 春陰や形見の時計遅れがち

    小石日和

  • 翁ら癒やせと春陰の津軽富士

    津軽わさお

  • 春陰や港に沁むる欧陽菲菲

    紅のジーナ

  • 春陰や粒膨らんで滴下筒

    定位置

  • 春陰や窓辺のマリモついに死す

    中井無心

  • 春陰や友の胆嚢にポリープ

    笑酔

  • 早生まれの吾春陰の通学路

    原颯太

  • 春陰や阪神園芸気になって

    横山ひろこ

  • 春陰や金継ぎ始むかの形見

    オアズマン

  • 春陰の陸奥湾稚貝斃死の惨

    津軽ちゃう

  • 窓際や誰か好くのか春陰を

    波多露音

  • 春陰やリコーダーの音濁る午後

    夏の町子

  • 春陰のこめかみ夜べの酒の澱

    植木彩由

  • 春陰の見分けの付かぬ青と黒

    猪倉さえこ

  • 春陰のただなかをながらえている

    国領柩

  • 中千本散つて京も春陰か

    阿部八富利

  • 春陰の空気を泳ぐここも海

    縄田ゆみこ

  • 春陰や少女の脛の腥き

    草夕感じ

  • 春陰や抽斗奥の水琴鈴

    かわいはる

  • 春陰や甕に映りし人の顔

    明智明秀

  • 春陰や半跏思惟も伏目がち

    蝦夷やなぎ

  • 春陰や疲れし老婆引くリヤカー

    北美三風

  • 春陰や最期の声が消えやらず

    北伯和鈴

  • 春陰を山ただ深く息をつく

    今井方円

  • 春陰の鏡の中のわれ若き

    坂本なおひさ

  • 春陰や河原へ放つパンの屑

    トウ甘藻

  • 春陰やカルテに並ぶやまいだれ

    徹光よし季

  • 春陰や君の気配のない余白

    中島穂華

  • 春陰の下覚悟のリベンジ

    三宅翔丞

  • 春陰の我は陰なき幽霊ぞ

    渡辺香野

  • 春陰や重ねたままのプランター

    坪田恭壱

  • 春陰や和菓子くぐもる薄き紙

    浜の紫炎

  • 春陰や水平線の見えぬ海

    露崎一己句

  • 春陰に身を隠したる鳥白き

    榎本千代女

  • 春陰や人生初の反抗期

    のはらいちこ

  • 春陰のうなじに触れてみたかった

    東沖和季

  • 春陰や母三回忌父卒寿

    新森楓大

  • 春陰や古家の庭に鳥集ふ

    加藤水玉

  • ​春陰や指で注文するランチ

    岡田きなこ

  • 春陰や虚栄を捨てて無方者

    林口竹

  • 春陰や糺の森の赤き橋

    染井 亀野

  • 春陰や時に音する非常口

    上津 嘉子

  • 子の作る春陰の汁妻の在り

    紫檀豆蔵

  • 春陰やそなたの生成されてゐる

    餅入桜

  • 春陰や厚き扉の百年史

    東山すいか

  • 春陰の不要レシート入れ満杯

    つちや郷里

  • 春陰や地球儀回す夜明け前

    岸壁の龍崎爺

  • 春陰や猫の背(そびら)を濃くしたり

    山川土時

  • 春陰や焼酎入れしレジ袋

    大野美波

  • 春陰や四角く白く室外機

    京野さち

  • 春陰や奈良の大仏影を脱ぐ

    藤本 仁士

  • 春陰や三日連続の面談

    藤紫香澄

  • 春陰や卵の欠片黄身に入る

    永森琴葉

  • 春陰や茶店で借りる金剛杖

    風花まゆみ

  • 春陰や趣味なしと言ふ自己紹介

    絡丸いと

  • 春陰や義母のまぶたの腫れやまず

    東田一鮎

  • 春陰や統合校と顔合わせ

    和泉穣

  • 春陰や奥都城の文字角かたし

    斧 的部

  • 春陰の病室花びんに白花

    西野桃果

  • 春陰や石灯籠も散されて

    空 春翔

  • 狛犬の角のこぼるる春陰に

    日の峰祥雲

  • 春陰の怪士の影濃やかに

    あねもねワンヲ

  • 春陰の旗やギシギシ轟きぬ

    田中みどり

  • 繋がれて春陰昇る気球かな

    島田ポン吉

  • 春陰や乾かぬシャツの浅葱色

    風谷エクレア

  • 春陰や身に薬膳の行き渡り

    吉川花ほっぺ

  • 春陰の異郷に耳を澄ます犬

    西村青夏

  • 春陰の朝踏切は鳴り止まず

    ほのぼぉの (蚊帳のなか)

  • 春陰の部屋に傾く置時計

    森重聲

  • 春陰や障害手帳の届きたり

    桃香

  • 春陰や地球に墳の余地があり

    らのほ

  • 曳き戻し待つ春陰の弘前城

    篠田ピンク

  • 春陰や笑ひ話にまだならず

    所沢のローライダー乗り

  • 春陰や恋の行方の茶は苦し

    蔵書室主人

  • 春陰や繋がれしまま連絡船

    野々原ラピ

  • 春陰や君と歩く段葛

    東 湘輝

  • 春陰やドクターヘリの青い文字

    きべし

  • 春陰の泥々聞かせ給ふひと

    喜田紫陽

  • 春陰や富士まもなくのE席ぞ

    玄琶小篇

  • 春陰や無縁となりぬ士卒墓碑

    児玉ひでき

  • 春陰の机は影を背負ひける

    志村肇

  • 春陰へ瓶詰せらる草木の香

    浅乃み雪

  • 春陰や仏飯の粒ひとつ起つ

    ちさいちそく

  • 春陰やスローカーブを封印す

    蘭丸結動

  • 春陰や夢の余韻は喨々と

    片平仙花

  • 春陰や積まれし古書にフォクシング

    森毬子

  • 春陰や蕾のままの紅き芯

    空木眠兎

  • 春陰の目覚め吾を覆う現

    蔦すみれ

  • 春陰や脳は心臓より重し

    慈雨

  • 春陰や若き蹉跌の澱紊る

    守一

  • 春陰や夜を侵食する菌糸

    老鶴

  • 春陰の泥棒の出る森に用

    スベスベな氷

  • 春陰や窓際族の背は丸く

    雅屋少将

  • 監獄の顔はめパネル春陰や

    笠原広環

  • 春陰のポカリと明るい伐採地

    花とわこ

  • 春陰や色あるところみな平和

    梅朶こいぬ

  • 春陰に撫でる弱りし御神木

    西町花冠

  • 春陰や人の振りして敬語出づ

    東雲 文丹

  • 春陰や履き潰されたトウシューズ

    平野芍薬

  • 春陰や杉玉吊るす和食店

    深森佳鶴

  • 春陰を見あぐる津波到達点

    清水縞午

  • ムリーリョの天使吹き飛ばせ春陰

    來花

  • 春陰や墓石に語る老婆あり

    林 和寿

  • 春陰に悪の作法はかけ流し

    柑青夕理

  • 自爆ドローン遠き東京の春陰

    暁雲海

  • 春陰やスワンボートを待つふたり

    三崎扁舟

  • 春陰や売れずにゴミに出す書籍

    Nakahara結月

  • 春陰に容れる嫉妬がなほ足らぬ

    堀口房水

  • 春陰やギター爪弾く松林

    楽和音

  • 春陰や探しに来ないかくれんぼ

    木下風民

  • 春陰や音楽室の肖像画

    伊藤勘太郎

  • 春陰や納骨の骨カシャと落ち

    西町彰子

  • ふつうつと春陰の旅鯉跳ねる

    鶴屋桃福

  • 春陰や跡形もなき駅舎の巣

    樋口滑瓢

  • 春陰や機影微かな音残し

    谷野なおなお

  • 春陰を吹き払ふ日よ産声よ

    空たかし

  • 春陰や羽音の湿る鳩一羽

    筒井らんぷん

  • 春陰や君の体温知りてなほ

    倉風なつ

  • テニスコートの余はく春陰へ素振り

    奈良の真

  • 春陰や健診の列歪みたり

    山川腎茶

  • オリオンの月より見入る春陰よ

    田辺富士雄

  • 春陰や結石癖は父さん似

    若林くくな

  • 春陰の父の歩いた登り坂

    神楽れもん

  • 春陰の車道を跳ねるゴムボール

    坪山紘士

  • 春陰のENEOS少女は窓を拭く

    夏雨ちや

  • 春陰や田畑遍く眠たげに

    立歩

  • 春陰や寄席跳ねてひとり角打ちへ

    田口大寒六

  • 朋友逝くや二十五日の春陰に

    達坊

  • 春陰の重さを量りかねて午後

    繁茂おじ

  • 春陰や瓦に腹見せ回る鳶

    藤井といつ

  • 春陰やウェイトベアーといふ禍福

    杜まお実

  • 子宮掻き終え春陰をさ迷えり

    不屈の文男

  • 春陰やカーブミラーに過疎のバス

    ツユマメ・広ブロ俳句部

  • 春陰や南朝哀史を語る寺

    豚々舎 休庵

  • 春陰や政宗の目の銅のまま

    万葉剣

  • 春陰やイージス艦に整列し

    田畑 整

  • 春陰の川へ鍵投ぐ鴉鳴く

    らん丸

  • 春陰やじみじみ締むるマンシェット

    季切少楽・広ブロ俳句部

  • 春陰かしらアールグレイをいただくわ

    摂田屋酵道

  • 春陰や拾わるる骨と銀ボルト

    村岡花風

  • ドライブの話題乏しき春陰や

    小橋真梨子

  • 春陰の婚活濃き紅のカップ

    千の葉

  • 春陰や地球の傷の映る日に

    独楽

  • 春陰の凝りとして押し花は白

    古味鳥椋人

  • 春陰や私のため息がはね返る

    川口里山

  • 春陰や邪険に騒く取説書

    いとう香り子

  • 春陰やすべりの悪い鍵の穴

    空山プラネタリウム

  • 春陰やトド鳴き続く敷香町

    Mミータ

  • 春陰やナフサの無きを憂うまま

    羽馬愚朗

  • 春陰を我先と裁つ雛の嘴

    為参

  • 春陰にがらんどうなる登り窯

    余田酒梨

  • 柔らかきサンド春陰の朝喰む

    海堂一花

  • 春陰やバス停から赤い女

    始の子

  • 春陰や俳句ポストの口あんぐり

    永田千春

  • 春陰やポップコーンが弾けない

    綱川羽音

  • 春陰やハッカー仲間の通夜に行く

    まつおえりか

  • 春陰や限界集落この先に

    ニッシャン

  • 春陰やひとりはとバス二階席

    春の幸

  • 人恋ふる目してドローン春陰へ

    謙久

  • 春陰の耳に己の息の音

    笑松

  • 春陰の蔵お仕置きの兄ふたり

    疋田千優

  • 春陰を吸い込み海の底深し

    壱太

  • 春陰や新人戦の五厘刈り

    虎有子

  • 曇るサックス春陰のディソナンス

    舞矢愛

  • 春陰や濠の水面に風の襞

    キッカワテツヤ

  • 春陰や折りし腓骨のつなぐ音

    睦月くらげ

  • 春陰やか弱き者の胸の内

    石内宏明

  • 春陰や更地となりし居間を踏む

    萩野穂々々

  • 句友の句集春陰の飛ばし読み

    宥光

  • 春陰は慣れない街の色をして

    馬場めばる

  • 春陰や遺書と遺言書のちがい

    岬りこ

  • 春陰や家族写真の色の失せ

    桂葉子

  • 春陰やミサイルをちこち飛んでゐる

    大岡秋

  • 春陰や埋もるる風の色鈍く

    山田季聴

  • 春陰や隣の部屋に籠る夫

    松元春苑

  • 春陰や赤べこけふも聞き上手

    前田いろは

  • 春陰を貫く地球のふしあはせ

    星井でで

  • 警笛の春陰裂くや我は母

    落句言

  • 春陰や受け身の取れぬ男の子

    鈴木 太郎

  • 抜け道をゆく春陰のみづ白し

    青野遊飛(蚊帳の中)

  • 春陰や準一級の「涅槃」の字

    香山リカ

  • 春陰の谷戸に尾を引く汽笛かな

    堀邦翔

  • 春陰やカレーの匂ふ学生街

    伊藤順女

  • パパラチアカラーのモヒカン映える春陰

    森無田

  • 春陰の鈍したたかに影を奪ふ

    風慈音

  • 春陰やわだつみよ日を呑み干せし

    長操

  • 春陰や風によろけて啼く烏

    ちやあき

  • 春陰や鴉の骨の真っ白け

    無花果邪無

  • 春陰や池を見下ろす薬師堂

    虎堂吟雅

  • 酒樽のベンチに座する春陰

    アントワネットdeノエル

  • 春陰や納戸となりし子の部屋

    渡邉 俊

  • 春陰や葉書一枚残しをり

    今乃武椪

  • 春陰や探しあぐむる転居先

    ルーミイ

  • 春陰や等間隔の道路鋲

    小川雷夏

  • 春陰やピアノはいつも壁向きに

    常磐はぜ

  • 春陰の海より上がり来し男

    日暮ひぐらし

  • 春陰の大きソファに眠る魚

    三尺玉子

  • 通学を競ふサイクル春陰

    三島ひめばしょう

  • 春陰を富士塚の鉢廻る老

    星埜黴円

  • イヤホンを外す春陰の雑踏

    諫鼓苔深

  • 春陰やブルーシートの下の草

    ひでやん

  • 春陰の海峡明日へ暮れ落ちつ

    みなづき光緒

  • 春陰よ煙草ジャムパン釣五円

    新ぱちあ

  • 鴉声ひと度春陰の除幕式

    火炎幸彦

  • 春陰や半分閉めたシャッターへ

    宇野翔月

  • 春陰や遺品整理をすべて終へ

    アーモンドよーせい

  • 春陰やスマホ時代の陽と陰

    竜眼ジジ

  • 春陰や担当カラーを後輩に

    十休

  • 春陰や園児の列にクラクション

    佐藤マンジャロ

  • 春陰や神田明神神馬鳴く

    森一平

  • 春陰や半音低く鳴く鴉

    小倉あんこ

  • 春陰や紙で切りたる指の傷

    西村小市

  • 春陰や教室を出て戻らぬ子

    中島走吟

  • 春陰やゆきあふ人の指いきれ

    盛堂恒子

  • 春陰や蝋燭の灯のひと揺らぎ

    はなぶさあきら

  • 春陰のステンドグラスの赤い影

    鳥不驚

  • 春陰や恋し恋しと鳥の声

    みつき 夏

  • 春陰のほんとはボクがやりました

    山口葵生

  • 春陰の履修登録5限多し

    延命寺

  • 春陰をラジオから声甘やかに

    紗羅ささら

  • 春陰やバンパー削るいけず石

    平良嘉列乙

  • 六法を捲る捲る春陰を仰ぐ

    月丘佑

  • 春陰よ俺は留年なんだって

    冨川ニコ

  • ブラッドプレッシャー高し春陰

    西宮景

  • 春陰の待合五匹の譲渡犬

    卯之町 空

  • 春陰の別れは瞳閉じるやうに

    神山すい如

  • 春陰や客引きの生まるる新歓

    甘中翔

  • 春陰やコーヒー冷めし二人の間

    鈴木風里

  • 春陰へ届いてしまうビル五本

    千鳥城、広ブロ俳句部カナダ支部

  • 春陰やブロック塀の赤い花

    山地宏

  • 春陰や箒の埃は手で毟り

    かぼちゃなすび

  • 春陰や父は卒寿をひとつ越へ

    北乃薫衣草

  • 胸元の春陰うつす粒真珠

    吉田一葉

  • 春陰やあの世この世の朝支度

    青野みやび

  • 春陰やひかりを知らぬ土不踏

    天陽ゆう

  • 春陰や今日は無理して笑わない

    泉吉桃宝

  • 春陰や十一年の花暦

    故里恋心

  • 春陰の墓標「ピヨ子」とていねいに

    桜井教人

  • 春陰や湿布は縒れて纏はりぬ

    浅紫  泉

  • 早弁匂ふ春陰の二時間目

    小笹いのり

  • 川岸の亀春陰を宿しけり

    中島 紺

  • 春陰や海昏くして貝白し

    風の鳥

  • 春陰を漕げば重たき水の音

    麻Y音

  • 春陰やマックスウェルの魔も眠る

    菅田斑猫

  • 赤髪の子と春陰の喫煙所

    アロイジオ

  • 春陰の四角い景色かゆ美味し

    清水千種

  • 春陰や温もりのある文庫本

    月城龍二

  • 春陰や木鼻の獅子の疲労感

    青女の花

  • 春陰を膝つき合はせ告知受く

    紫小寿々

  • 春陰の砦ざらざら遠き鬨

    海色のの

  • 春陰や風化激しき六地蔵

    渡邉竹庵

  • 春陰の喫茶店じゃあ割り勘で

    露口全速

  • 春陰や百寿白寿の送迎車

    黒猫かずこ

  • 春陰や白きシートの待合室

    やっせん坊 池上

  • 春陰や鳥居の前に烏骨鶏

    中村笙平

  • 春陰や珈琲豆の一掬い

    坂本 羊雲

  • 春陰や車窓をなぞる指ひとつ

    月絵絵雲

  • 春陰に少女無表情に犬

    在在空空

  • ガス灯の揺らぐ春陰の馬車道

    津軽まつ

  • 春陰や私一人のクリニック

    しんしん

  • 春陰に溶かしゆくウィンナコーヒー

    佳葉

  • スタミナ定食食べ春陰をほくそ笑む

    らぴのこやっぴー

  • 記念写真映えぬが構わぬ春陰に

    藤村 一寿

  • 春陰や山手通りは中山道

    寺嶋杳杳

  • 春陰の窓拭く布や片汚れ

    古葉寅万

  • 春陰や牧に買うカウベル響かせて

    ぎんやんま

  • 春陰や仁王の拳(こぶし)柔らかく

    甘泉

  • 春陰や影の透きゆく祝い帯

    俳句王

  • 春陰や休業は店主の都合

    林 常住

  • 春陰や湿気たミットへ百マイル

    橘 春香子

  • 春陰やマス目の多き処方箋

    井納蒼求

  • 春陰や鉄槌下す不動明王

    かよ

  • 春陰の砂曼荼羅夕読経

    哲山(山田 哲也)

  • 春陰や風の電話をかける君

    西川 たもつ

  • 春陰や犬のはしゃぎようが救い

    柴桜子

  • 春陰やひよこの喪主の墓づくり

    楓摩ゆみ

  • 春陰に空気二層や目の高さ

    小公園噴水

  • 春陰や悩み預けし石仏

    柴 野鍛冶

  • 春陰の小指シャープの黒鍵に

    竹石猫またぎ

  • 内覧の幟三本揺る春陰

    滝上 珠加

  • 春陰や地球儀の床弾みゆく

    大 広秋

  • 春陰の河を見ていた母を待ち

    野田遊水

  • 春陰や点きては消ゆる街路灯

    玲風

  • 春陰を風のみどりご生まれけり

    坐花酔月

  • 春陰の星をつなぎて大曲線

    宏楽

  • 春陰やよぎる鉄音赤ヒール

    出金 菩呂

  • 春陰の頂上君の下に街

    有島 正保

  • 二胡唸る春陰に溶く二線かな

    柚子こしょう

  • 縁側に春陰の足踏みミシン

    広島立葵

  • 春陰の午後カフェで聴くジムノペティ

    安曇 平

  • 春陰や天才だってミスをする

    ふくびきけん

  • 春陰やはぐれ鳩きてやがて雨

    渡嘉敷五福

  • 春陰や水占いの朔の文字

    翡翠工房

  • 春陰の朝を優しき鏡かな

    越智空子

  • 春陰や転んで起きる赤達磨

    塚本隆二

  • 春陰の耳に鳥語のひらきけり

  • 春陰のきしむ螺旋やさざえ堂

    町神

  • 春陰や走る軍靴の音止まず

    立野音思

  • 春陰や潮騒だけの岬道

    古川一光

  • 春陰の祠に拝すをみなかな

    髙橋弓女

  • 吐き出した煙春陰の葬儀場

    剛海

  • 春陰を往く此れ切りのクラス会

    水きんくⅡ

  • 春陰のピンクの廊下不妊治療

    満嶋ハト

  • 春陰や時の止まりし母の部屋

    高本蒼岑

  • 春陰や順番待ちの年金日

    金子泰山

  • 変人のおとうとに会ひぬ春陰

    三高 姫

  • 春陰や知らない唄を口ずさむ

    椿 佳香

  • 春陰の作戦は午後なかま五人

    縞ふみ

  • 春陰を呑み込まむかや富山湾

    愛碁終日

  • 春陰の港不漁の続く海

    田辺ふみ

  • 春陰や軋り鳴る下駄箱はカラ

    藤 無南

  • タイミーに探す春陰の歩道橋

    亀田荒太

  • 春陰やアンビエントの全音符

    安溶二

  • 春陰の舌の届かぬ口内炎

    鹿達熊夜

  • 春陰や花粉予報の真っ赤っ赤

    山姥和

  • 春陰やあるやもしれぬと父の医師

    榊裕江子

  • ひらひらと越されし杖の吾春陰や

    田村 宗貞

  • 羽搏つて春陰すこし振りほどく

    稲川ほろろ

  • 春陰と肌をひっぱる剃り残し

    渥美 謝蕗牛

  • 春陰や禁止の文字の滑り台

    ミセスコロンボ

  • 春陰やガムの捨て紙捨てちゃった

    となりの天然石

  • 余生悠悠春陰に柴を刈る

    あさのとびら

  • 春陰をダッシュの四人一年生

    高橋風香

  • 春陰や長引く咳の義母痩せし

    雪ん子達磨

  • 春陰や車に独り社畜あり

    彩桜里

  • 春陰と未だやわい鳩の高い声

    白川 譽

  • 春陰や沖行く舟に大漁旗

    里山まさを

  • 春陰や優しき人に背を向けて

    だん がらり

  • 春陰や扉の奥の秘仏笑む

    青山 椒魚

  • 春陰や秒針ふっと動き出す

    二丁目

  • 春陰の道すがら聞くビートルズ

    一走人

  • 春陰へ鏑矢のごとティーショット

    風待ラテ

  • 春陰や目尻も庭の棘もまるい

    然渡小智

  • 春陰や500ページの引継書

    盛 久子

  • 春陰や今も動かぬ街宣車

    柳絮

  • 春陰や誤飲せしサプリの行方

    あたなごっち

  • よりモテる春陰の朱のフラミンゴ

    八光地蔵

  • 春陰や隻眼猫のさくら耳

    林廉子

  • 春陰やコンドルの羽根半開く

    桃山直

  • 徘徊にあらず春陰漫歩かな

    霜川このみ

  • 春陰の森の三椏昼の星

    相野谷笑子

  • 春陰や誇れぬ社章置きて行け

    咖喱亭 章之輔

  • 春陰や戒名嗤ふ亡夫の顔

    島 桜

  • 春陰や鏡に老いた母の顔

    乃の

  • 春陰や瓶底にある別のまち

    藤本夕空

  • 春陰や空き家に残るキンチョール

    花星壱和

  • 春陰の色の鍵なら見つからず

    八田昌代

  • 春陰や真鶴峠の急カーブ

    鳥田政宗

  • スカーフを被りて春陰と思ふ

    源早苗

  • 春陰や人差し指で弾くピアノ

    喜多丘一路

  • 春陰やロダンの像の背の丸み

    竜胆

  • 春陰や昔聴いてた別れ歌

    川彩明

  • 春陰に誕生日来て義父も癌

    宮原渓秀

  • 春陰や馬頭観音の罅に泥

    齋藤満月

  • 春陰や精神科医のミイラ取り

    中原柊ニ

  • 春陰のフリマ一人を揃えゆく

    むらぴ

  • みな乳房に触れ春陰の銀杏樹の

    ななせ貫

  • 春陰や卓の対ひに空の椅子

    山田不律

  • 春陰や待合室に時計のみ

    みうらけんじ

  • 春陰や富士の裾野の鈍き青

    ねこの☆さんぽ

  • 探し物春陰犬も腹這いし

    川辺世界遺産の居候

  • 春陰や島へ赴任の救急医

    よこいちやこ

  • 春陰や心療内科に切る電源

    玉響雷子

  • 春陰やグルチャ通知のまた鳴りぬ

    太之方もり子

  • 春陰やスプリングバー弾けゆく

    ノリウェイ

  • 春陰や病の果ての鎮痛剤

    松本笑月

  • 春陰やのそりのそりと黒き靴

    六浦筆の介

  • 春陰や愚痴こぼす母の杖となり

    山田千華

  • 春陰やエヴァンゲリオンの吠える街

    北山 烏兔

  • 春陰の川面さすらう菓子袋

    地味伊達也

  • 春陰やX線に映る胸

    林 恵光

  • 春陰や母が遠ざかる新幹線

    翠永風彩

  • 春陰の詫び状の筆重かりき

    大空輪夢

  • 両腕で☓春陰の診察後

    竹村マイ(蚊帳のなか)

  • 春陰やサドルの軋み低くなる

    吉トン子

  • 春陰やステンドグラス色冴えぬ

    千葉睦女

  • 春陰や行けるなら学校へ行きたい

    くつの した子

  • 春陰に三半規管暴走し

    あおのめ

  • 春陰や客人の帰った朝は

    伊代ちゃんの娘2

  • 春陰やうがい薬の澱の濃く

    莉里

  • 動脈のうねり春陰のいのりよ

    飯沼深生

  • 春陰や背後のレンジピピピピピ

    葉るみ

  • 春陰や疲れぬうちに席を立つ

    石浜西夏

  • 目で送る先春陰のデイケアバス

    星田羽沖

  • 春陰や独居の並ぶ路地無音

    みやかわけい子

  • 春陰を笑ひ転げて溜息す

    戸口のふつこ

  • 春陰や夫赴任すひとりの身

    こきん

  • 発砲の音春陰の滑走路

    土佐藩俳句百姓豊哲

  • 春陰の唸り何処かに銀の翼

    匹田小春花

  • 春陰や名残りの散歩お城跡

    高旗みつき

  • やわらかな息つむぐ春陰のヨガ

    森ともよ

  • 春陰の沖よ大漁旗の濃き

    日月坊

  • 春陰やLINEが告げるヤツの訃報

    ふくろう悠々

  • 春陰にもうふりやがれと好々爺

    西村典まん

  • 春陰やハンバーガーの星条旗

    寺尾向日葵

  • 雲に入る春陰て真つ白なんだ

    水蜜桃

  • 春陰や昨日のミスで呼び出され

    ダンサーゆうき

  • 春陰の法灯不滅比叡山

    川島欣也

  • 春陰の海やなまりの波の音

    長嶋 佐渡

  • 春陰や橋の擬宝珠に刀傷

    なかの花梨

  • 暗室を出づ春陰の紅茶冷む

    石ノ上三年

  • 春陰や鏡の吾の笑みいびつ

    森中ことり

  • 春陰や妻特養へ残し置き

    妄児

  • 春陰や天守閣なぞ屁の河童

    石原しょう

  • 春陰や手首に残る鬱の傷

    黒澤墨青

  • 春陰の鳥の溶け込むかくれんぼ

    欅学堂

  • 春陰や去年と違うとこ探す

    どらまにあ

  • 春陰や屏風に浮かぶ地獄絵図

    山口雀昭

  • 春陰やひたひたと鳴る通りやんせ

    藤白真語

  • 謎のもの出る春陰の冷凍庫

    富山の露玉

  • 春陰や又再発と告知され

    麗し

  • 春陰や墓誌に加はる彫り白し

    伊予素数

  • 春陰やエッフェル塔のエレベータ

    むい美縁

  • 春陰や受付のケロヨン揺れて

    藤井かすみそう

  • 臨月を迎え春陰の孤独

    富山湾

  • 春陰や向こう五年の癌治療

    谷町百合乃

  • 春陰や洗濯物は一人分

    登盛満

  • 春陰やタカラジェンヌの撫でし猫

    朝日雫

  • 春陰や流刑の島の波鈍む

    ジン・ケンジ

  • 春陰の腰痛、膝痛、ものもらい

    紗藍 愛

  • 春陰や子の悲しみを分かり得ず

    ららら句らら

  • 春陰の頭痛よカフェラテをごくり

    笙湖

  • 春陰や漬物石の底光り

    阿蘇の乙女

  • 春陰や押し入れの褪せたアルバム

    月見里ふく

  • 春陰や献血できぬ数値です

    月下檸檬

  • 春陰や地層の丸き泥団子

    坊 いち坊

  • 春陰の速報帰還の落下傘

    雑魚寝

  • 春陰や義父母の家を売り払ひ

    有村自懐

  • ノット結び出来た!春陰に見せる子ら

    織 紫子

  • 春陰や初産の娘の張らぬ乳

    向日葵姐、いつき組広ブロ俳句部

  • 春陰の廃屋なにか声を上ぐ

    甘えび

  • 春陰や端渓硯の鈍き色

    せいしゅう

  • 春陰にペット探偵走りけり

    青星ふみる

  • 春陰や一礼をして神域に

    埼玉の巫女

  • 春陰や出郷の子に握り飯

    原島ちび助

  • 春陰や無人の島の診療所

    みらんだぶぅ

  • 春陰や鼓動を孕む土竜塚

    白石花仙

  • 春陰や柩に綴づる夫の影

    恵勇

  • 春陰やならし保育は明日まで

    杉山千歳

  • 九度山の春陰に旗六文銭

    亀くみ

  • 春陰やみそとせといふ時の束

    円美々

  • 春陰へ地鳴り率ゐる耕うん機

    筏へいじ

  • 春陰や遠く眺むる雄ゴリラ

    安春

  • 春陰や象舎の高き鉄格子

    浦野紗知

  • あなた以後ずっと警報なき春陰

    Taxi Drivers Union Social Club

  • 春陰の海よ真白き灯台よ

    細葉海蘭

  • 春陰や裏の畑にキョンの声

    めでかや

  • 日雇ひの背に春陰の湿りかな

    岩瀬正人

  • 春陰や立て看板の指の跡

    くぼたみどらー

  • 春陰や文字の消えたる道しるべ

    金子月二

  • 春陰や雀の夫婦を手なずける

    カリヨン

  • 春陰や漁船出航ゆるゆると

    望月ゆう

  • 診察めく春陰のハローワーク

    一井蝸牛

  • 春陰や校舎の奥の壁かがみ

    鈴野蒼爽

  • 春陰に靴擦れて血の滲む足

    もちのくも

  • 春陰を大漁旗のお見送り

    しみずこころ

  • 春陰やぬるりほぐるるヘッドスパ

    梵庸子

  • 春陰の路地はSL走る如し

    空郷 阿房人

  • 春陰の店先に並べるキンパ

    ぐりえぶらん

  • 春陰や胡坐のゴリラ膝さする

    富田健朗

  • 春陰や冷たき幹のプラタナス

    西乃羊雲

  • 瓶底の澱に春陰積もる夜

    夏川三矢子

  • 春陰や午睡の夢に妻を抱く

    岡田いっかん

  • 春陰や不機嫌な妻とする散歩

    藤永桂月

  • 春陰を映して動かぬ琵琶の湖

    暁天

  • 春陰や買うならショーケースの隅の

    ぐでたまご

  • 春陰や第一ボタンしめ直す

    花咲めだ香

  • 春陰よ姓だけが墓の手掛かり

    慢鱚

  • 春陰や残す写真に零る笑み

    雨霧彦(木ノ芽)

  • 春陰の病室荒き母の息

    笑姫天臼

  • 春陰や詐欺の受話器に若き声

    加賀くちこ

  • 春陰や未満児保育室へ鍵

    沢胡桃

  • 春陰の水晶玉を磨きをり

    幸田梓弓

  • 春陰や老婆の畑世の噂

    ねずちゅー

  • 春陰や粘土細工の指の跡

    永井無々

  • 春陰や好きだと言へぬ三四郎

    森葉豆

  • 春陰や空集合に瞑目す

    真夏の雪だるま

  • ソリストは春陰を泣きつつ歌う

    秋野しら露

  • 春陰や一人で留守番してるよな

    井上美月

  • 春陰や不合格者の登校日

    高石蓬莱

  • 春陰や追悼文を書きあぐね

    藤井赤童子

  • 春陰や頬ふくよかな栄養士

    吉谷地由子

  • 春陰や吾のひざ奪い合う姉妹

    丸山隆子

  • 春陰に佇む請戸小学校や

    玉響海月

  • 春陰の朝餉もうすぐ保護される

    紅紫あやめ

  • 春陰や職安に聞く笑い声

    山海動静

  • 春陰や小径震わす輪唱歌

    谷 道悦

  • 春陰や氵のものうばひ合ふ

    伊藤ペンタ郎

  • 春陰や退院者また次は誰

    服部勝枝

  • 光陰は疾(と)し春陰の姉妹川

    佐藤烏有

  • 心凝らしい抜き透かせる春陰の先

    隈崎光華

  • 春陰のピアノ拭かれて弾かれざる

    円堂実花

  • 春陰や川面は銀の音を立て

    松田迷泉

  • 錠剤の転がる春陰のベッド

    碧西里

  • 春陰や骨格白きレントゲン

    清仁

  • 天井に春陰覗く石舞台

    大谷 走郎

  • 春陰や「下」だけ届いたミステリー

    白蝶

  • 春陰に雲呑啜る翁かな

    藤本秋蝶

  • 旅先の春陰の富士気怠そう

    大阪駿馬

  • 春陰や始業ベル背に停留所

    生田久孫子

  • 春陰の倫敦煙草喫む漱石

    織部なつめ

  • 春陰の出勤てかてかのズボン

    小川野雪兎

  • 春陰や保留メロディ三巡目

    京あられ

  • 春陰の虚を裂く地震のアナウンス

    阿波の風

  • 春陰の神の依り代たる乳房

    紺野あししろ

  • 揺れるピアス春陰に透けるうなじ

    龍哉

  • 春陰や考のレコード二十枚

    どくだみ茶

  • 春陰のハチミツ買いに行く散歩

    門田なぎさ

  • 春陰に凭れて並ぶスニーカー

    さく砂月

  • 春陰を逃れない速度で歩く

    家守らびすけ

  • 海峡を春陰のたりのたりのたり

    夏風かをる

  • 春陰の口を開ければ潮の味

    那乃コタス

  • えんえんと荷解き窓に春陰が

    広湧大和

  • 歌ふやうに象語の流れゆく春陰

    久留里61

  • 春陰を肥えて蛹の緑濃し

    青井えのこ

  • 春陰や咳のやむ間に書く手紙

    みのやん

  • 春陰家族と云うブラックボックス

    紫雲蒼月

  • 春陰の河原に犀にする石を

    伊藤柚良

  • 春陰や歳を重ねて寺参り

    水野 孝

  • 春陰や巡礼の鈴響く坂

    真咲よしの

  • 春陰や空いて三月(みつき)の蕎麦屋跡

    鈴木古舟

  • 春陰や妻のピアスの緋揺れて

    松りんご

  • 春陰やのらが後ろの校舎から

    みにとまあいこ

  • 春陰や喜寿の押す子の車椅子

    木村ひむか

  • 春陰や辞書の余白に削りかす

    広島 しずか80歳

  • 春陰やポストに落とす文の音

    のんのんた

  • 春陰をさまよふ母よ母よどこ

    竹田むべ

  • 春陰へ組み上がりゆく足場かな

    白猫のあくび

  • 春陰や無視さるる顔認証

    和脩志

  • 春陰や麻酔の切れぬ右鼻腔

    麻中蓬子

  • 春陰や石膏像のぬるき黙

    有野 安津

  • 春隂や首傾げたるカラス達

    井口あき子

  • 春陰の半日をまづ、そしてルウ

    男鹿中熊兎

  • 春陰や猫ぶろろろと丸まれり

    平山仄海

  • 春陰や草むしりする一周忌

    日向浜

  • 春陰や主なき椅子に積む埃

    高重安眠

  • 春陰や正午のこゑを告ぐラジオ

    水鏡 新

  • 春陰にしてはテーマが重すぎる

    青居 舞

  • 春陰やリュックサックの紐に傷

    ユキト

  • 春陰やボトルグリーンのペンケース

    野のはな

  • 春陰へ沁みたるもののひとつなり

    大塚迷路

  • 春陰や万行の検索の須臾

    赤尾てるぐ

  • 春陰や埃まみれの三輪車

    うめやえのきだけ

  • 春陰やパイロン蹴っ飛ばすヒール

    蔵豊政

  • 春陰やカメオのをんな横を向き

    日永田陽光

  • 春陰や書籍に天と地の余白

    桃園ユキチ

  • 春陰やブルーシートの垂るる屋根

    沖原イヲ

  • ふみの文字追ふ春陰の昼下がり

    窪 秀冬

  • 春陰の八重垣望み「須賀須賀し」

    北爪いく葉

  • 春陰や車ぶつけて十五万

    遥風

  • 春陰やついに売れたる生家あと

    岡田雅喜

  • 春陰や戻れぬ写真の中の仲

    球追

  • 春陰や音痴な猫の鳴く余韻

    種種番外

  • 春陰や海抜示す町の橋

    笑笑うさぎ

  • ウィンドウの角帽春陰の街路

    青野すみれ

  • 春陰や手の届かない世のかゆみ

    春海のたり

  • 春陰や納屋に明治の薬箱

    早川 さき子

  • 春陰や痴呆の妻の髪を染め

    杉と松

  • 春陰やポストに閉院のハガキ

    雨李

  • 春陰や臨時保護者会メール来

    春よ来い

  • 春陰や舌もて探る抜歯跡

    中尾鎖骨

  • 春陰や腫れものにまたうづくまる

  • 春陰の須磨淡路島は目の前

    風の母

  • 春陰や噂の噂あるきだし

    風花美絵

  • 春陰の屋根裏照らす小さき穴

    白庵

  • 春陰やカルトに国を売りわたす

    遠山比々き

  • 春陰やあつさり畳む離婚届

    桂佐ん吉

  • 春陰の時報ベル音にひび割れ

    糺ノ森柊

  • 春陰ややたらと多い委任状

    犬井山羊

  • 教会の春陰きしむ木の座席

    朶美子(えみこ)

  • 春陰の星の宇宙の潤色

    横縞

  • 水星の逆行春陰の頬杖

    花見鳥

  • 春陰の新居まだ来ぬ冷蔵庫

    ニリンギ

  • 春陰や迷ひて過る屍室

    佐久凡太郎

  • 春陰やシャッター街を響むジャズ

    慈雲奏荘

  • 春陰や星占いに焦げの痕

    波方塩津

  • 春陰や足の生えたるランドセル

    儚子

  • 嫌いな子と遊んだ記憶春陰に

    井上鈴野

  • 春陰や軋みやまざる車椅子

    淺野紫桜

  • 春陰や湖畔の富士の墨衣

    西川由野

  • 春陰のつくづく痛む奥歯かな

    阿万女deノエル

  • こけただけなの春陰の朝

    白井佐登志

  • 春陰や七日目の行方不明放送

    手嶋子犬

  • 肌荒れをつくづく思ふ春陰

    舟御前deノエル

  • 春陰や神木の紙垂少しよごれ

    とんぼ

  • 春陰の親子で探す借家かな

    キティキティd eノエル

  • 春陰の古本市にブルドッグ

    海音寺ジョー

  • 春陰や近つ飛鳥と言ふ辺り

    秋内 壱玖

  • 春陰の雲は等伯墨にじむ

    鰐一番

  • 春陰や犬には犬の骨拾い

    花仮面deノエル

  • 春陰や「は」と「ほ」の頭の出る出ない

    久米穂風

  • 春陰や夫の好きな塩むすび

    百卓deのえる

  • 春陰や夫の贔屓の熱海富士

    比呂女deノエル

  • 春陰や行方知れずのラブレター

    ふじかつとび

  • 春陰の午後やバファリンどこだっけ

    古都 鈴

  • オイルきらきら春陰の白髪染め

    堀雄貴

  • 春陰や二階の病者まだ籠もり

    ゆとりろ

  • 春陰のハモニカ駅の傷痍軍人

    井田みち

  • 春陰やホーム手前の急停車

    篠雪

  • 春陰の憂いの水の鯉の黙

    地球人

  • 春陰や知らぬ彗星あす通る

    沖乃しろくも

  • 春陰や涙はバイのバイのバイッ

    鶴富士

  • 春陰や乾かぬままの服も目も

    綿鍋雪

  • 春陰やまた捩れたるまつり糸

    飯村祐知子

  • 春陰や入院棟のカフェ混んで

    叶田屋

  • 春陰の守備の間ロジン吹き払う

    ichihoppe

  • 春陰のドライブJAFを呼ぶ羽目に

    Kかれん

  • 春陰を走るランナー中継車

    Q&A

  • 春陰にはしゃぐメン地下推しコール

    Rei鬼

  • 春陰や餃子半額券失効

    あらい

  • 春陰を交通弱者用ボタン

    宮坂暢介

  • 春陰や原生林の柳生道

    いなほせどり

  • 春陰や苛立つ本の主人公

    こうだ知沙

  • 春陰や呼び止められて青切符

    くみくまマフラー

  • 春陰や男坂より女坂

    ウラッキー

  • 春陰や長き介護の終わりし日

    村上薫

  • 春陰の匂いも混じる中華街

    おのまい

  • 春陰を歩める肢体種の起源

    さとう昌石

  • 春陰や成長すべく怒る吾子

    かなの りえこ

  • 春陰の太閤間歩にひそむ怪

    コーノ凡士

  • 春陰や付箋の折り目柔らかき

    野村齋藤

  • 春陰や欲なかりしか掌に

    スズナ

  • 春陰や渋滞の先まだ見えぬ

    こすもす

  • 百歳や犬に曳かれゆく春陰

    ばちゃ

  • 春陰や目覚めて一人また生きる

    そぼろ

  • 春陰や吉野の陵の音絶ゆる

    このみ杏仁

  • 指揮杖の一投春陰を祓う

    たーとるQ

  • 春陰の山行方不明の子供

    こるりちゃん

  • 離別子にゴディバ手渡す春陰よ

    てんちょう

  • 春陰や腰割り忍ぶ応援旗

    ヒロヒ

  • 春陰や年に一度の参観日

    ひろ志

  • 春陰の千人越えし捜索隊

    どゞこ

  • 春陰の水深く色深く

    なか かよ

  • 春陰やご当地ソングはオペラ調

    ペトロア

  • 春陰の埴輪ぐるりと行儀よく

    ほうちゃん

  • 春陰の音なき時間もて余す

    まりい木ノ芽

  • 春陰や郵便受けのずっと空

    ノセミコ

  • 春陰や病室にまた1人来つ

    まるまる

  • 春陰の川辺水切る人ありて

    パーネ・メローネ

  • 春陰や今さら無罪と言はれても

    わおち

  • お笑いのチラシ踏みつけられ春陰

    みみみ

  • 春陰やスマホから消す逝った友

    みろくざか

  • 春陰や常念坊が現れし

    みんみんとしみん

  • 春陰や三つの病内臓に

    むじーじ

  • 春陰や弘法寺で泣く泣き石よ

    ゆぃ

  • 春陰や墨に五彩と雲を読む

    阿部 力道山

  • 春陰の駅のベンチに浸死しさう

    愛の花

  • 春陰の給食ぽつと転校生

    ゆず柴

  • 春陰や「ごめん」と母の写真撫で

    りえ

  • 春陰の子犬おもちやの犬に吠ゆ

    音羽凜

  • 春陰や流されきつてやつと浮く

    ろまねす子

  • 春陰を点すや君の煙草の灯

    愛燦燦

  • 春陰やかたくて開かぬ瓶一つ

    井上れんげ

  • 春陰の邂逅おしゃべりな目礼

    花亭五味

  • 春陰や閉鎖決まりし魚市場

    一港

  • 窓開ける春陰かかる病あと

    宇都宮千瑞子

  • 春陰や浄瑠璃の木偶まぶた閉づ

    雨戸 ゆらら

  • 春陰のクレーン軋む浚渫船

    塩風しーたん

  • 春陰や蝋石のへのへのもへじ

    花はな

  • 春陰や盆地は耳に住むごとく

    花屋英利

  • 春陰や釉の破れに指を沿ふ

    蝦夷野ごうがしゃ

  • 春陰や観音像の眼は虚ろ

    花咲明日香

  • 春陰の梢眺むる露天風呂

    岡井稀音

  • 春陰の点滴ゆくりひとしずく

    岡山小鞠

  • 春陰や病めるニュースに窓開けば

    柿司 十六

  • 春陰や吹き上げ返す乾き花

    夏至流

  • 春陰にデゴイチの吐く白煙

    菊池克己

  • 春陰を額に収むる非常口

    吉田達郎

  • 春陰や避難タワーと土佐の海

    岩鼻 のこ

  • 春陰にパン乾ききりランドセル

    丘 なな実

  • 春陰を背負って二宮尊徳像

    彫刻刀

  • 春陰の胃カメラずおおんと麻酔

    古乃池糸歩

  • 春陰のターザンロープ無音なり

    加山シンゴ

  • 似てゐるね春陰にどの花嫁も

    宮下ぼしゅん

  • 春陰を映すゼリーのオブラート

    宮崎梅電

  • 春陰や銅貨銀貨のくすみ濃し

    居並小

  • 春陰やラーメン店を畳もうか

    橋大(きょうだい)

  • 春陰や海がわたしのカウンセラー

    甲斐野 傘穗

  • 春陰や墓誌に父母の名まだ余白

    橋本諒駿

  • 春陰の向こうの色は何色か

    響け!進太郎

  • 春陰のバームクーヘンの断面

    胡桃ぼたん

  • 春陰を汽船のホーン先に着く

    公木正

  • 春陰の串かつ横に映画館

    黒麹 糀

  • 黄丹刷く佐渡春陰のうねりかな

    佐藤 位相朗

  • 図書館を出て春陰の真ん中へ

    佐藤志祐

  • 春陰や空空空(からからから)の観覧車

    吟  梵

  • 春陰や地域猫の子餌食べず

    銀猫

  • 春陰や赤ペン示す心電図

    栗原生石子

  • 春陰やバリウムだけは飲めません

    軍神

  • 春陰や三段壁の波しぶき

    月見人

  • 春陰や白鷺城の壁ほのか

    荒城京太郎

  • 春陰や漆喰壁に英単語

    砂楽梨

  • 春陰のひかりを母はパーマ屋へ

    高橋手元

  • 春陰に問ふ退院日今日もまた

    シェリーまいらぶ

  • 春陰や娘上京電車発つ

    高品風秋

  • 春陰に藍Tシャツがまぶしくて

    細木さちこ

  • 春陰や海島空が碧畳む

    咲 まこ

  • 春陰や孤村伝説謎ばかり

    黒岩牡丹

  • 春陰や今日は受診日精神科

    笹イボ太郎女

  • 夕暮れの花も春陰滲み入り

    寺木 風宣

  • 十代や本音隠して春陰に

    笹団子

  • 春陰や球はレフトにばかり来る

    山口絢子

  • 春陰やもう煌めかぬ第二ボタン

    鹿野川小舟

  • 春陰や経と木魚のずれた母

    山川道樂齋

  • 七曜を忘るる暮らし春陰や

    秋葉 翠

  • 春陰や中央道の浮かぶ富士

    秋谷 忍

  • 墨摺りて静寂を聴く春陰なり

    小春風 幸

  • 春陰や富と孤独の生まれし日

    舟端たま

  • 春陰やパズルゲームの王妃の死

    升 丁茶

  • リード無き犬や春陰の公園

    小手川とし

  • 高輪の群れは春陰の底にをり

    糸野句丹

  • 春陰の土蔵に父の秘本かな

    松葉学而

  • 春陰や重き哲学入門書

    小泉久美子

  • 春陰を他人事の砂のアイス屋さん

    小島 三毛

  • 春陰や第二志望は補欠枠

    小島神泉

  • 春陰や祖母の影めく空の椅子

    松和幸太郎

  • 春陰や帰り支度の杜氏さん

    小林番茶

  • 春陰や転居不明の文戻る

    深森明鶴

  • 春陰の洞窟脇はワイン蔵

    上津 力

  • 春陰や大腸内視鏡検査

    小鳥ひすい

  • 春陰の通勤ヘッドホン硬し

    水京

  • 春陰や合掌終えた手を解く

    信濃のあっくん

  • 春陰や蛹のやうな補修ビル

    酔下弦

  • 春陰に安息ありや海の鳥

    杉岡ライカ

  • 春陰や隣組には母と義母

    新山晶花

  • 春陰やフラメンコギターは止まずに

    森五輪

  • 春陰や未だ読みさしのバルザック

    森田正治

  • 春陰やいつの間にやら畝ひとつ

    杉尾芭蕉

  • 春陰やドローンの赤き眼の光

    杉柳才

  • 春陰のチャペル説教に涙して

    斉藤百女

  • 春陰の下の喫煙室のドア

    清水里羊

  • 春陰や膝の猫ただ尾っぽ垂る

    青山央

  • 春陰や船の手すりの塗装垂る

    瀬戸 岬

  • 春陰にコイン転がる石畳

    青葡萄

  • 玻璃の屑ちる春陰の路側帯

    晴田そわか

  • 色付きに円い春陰とんぼ玉

    青柳修平

  • 春陰や蛹の背を寄生蜂

    泉晶子

  • 春陰のカフェラテに二個角砂糖

    雪さやか

  • 春陰の頬に綿菓子付きにけり

    染井つぐみ

  • 春陰や乳房膨らむ女神像

    千賀子

  • 春陰や床に転がる万華鏡

    千原 十吾

  • 春陰や乳白色のプロテイン

    石原由女

  • 春陰や腰庇ひ合ふ通夜の席

    蒼井小桃李

  • 春陰や油圧抜けゆくタワークレーン

    石上あまね

  • 春陰のドカ灰積もる朱の鳥居

    藻玖珠

  • 春陰や違ふ三者の教え方

    村雨藍

  • 春陰やネイルしたてのマイク持つ

    多可木deノエル

  • 春陰や機械音声の独り言

    村上熊子

  • 春陰の止めの太きを払ひけり

    森脩平

  • 春陰のカーテン全て透けている

    辰巳電柱

  • 春陰や法事の店を決められず

    石神湖畔

  • AIに疲れ太宰読んだ春陰

    石鎚山大三郎

  • 春陰をバブルの頃の警戒車

    多事

  • 春陰や保護者総出のペンキ塗り

    石塚碧葉

  • 春陰の駐車場措置入院の報

    石塚壜太呂

  • 春陰や傷口錆ぶる大井埠頭

    谷 斜六

  • 朝練のボート春陰の江戸川で

    鱈 瑞々

  • 薄着が映る春陰の水溜まり

    待ち呆け

  • 校庭の号令一歩踏み出ぬまま春陰

    宗珂

  • イジメってじめじめ春陰急すぎて

    赤尾双葉

  • 春陰や両腿に溜まる乳酸

  • 春陰に爆ず白杖のこつんこつん

    石本コアラ

  • 春陰のはじめの青き1ドット

    大成武子

  • 春陰や焦燥かかえ仰ぐ空

    大和杜

  • 赤茶けたメニュー表睨む春陰

    団栗あんパン

  • 春陰砂丘の先まで駆けてみる

    竹春エリザベス

  • 春陰やアンモナイトのよき眠り

    辻野 花

  • 春陰は邦の皮膚病いはく華佗

    帝釈鴫

  • 春陰の軋み丹田に掌を重ね

    竹内 薺 

  • 春陰の近くて遠い歩道橋

    中山月波

  • 春陰や子守の後の整骨院

    仲間英与

  • 金継ぐ湯呑み春陰の鈍注ぐ

    町田明哉

  • 春陰や皆が自由に突けぬ鐘

    田村利平

  • 春陰や先の見えない防潮堤

    長澤 創次郎

  • 春陰の火伏せの神に逢いにゆく

    渡部稲穂

  • 捕食者の口蓋らしき春陰に

    鳥羽南良

  • 春陰や悪さに暮れるはぐれ猿

    田畑せーたん

  • 春陰やたぶんあの鳥振り返る

    田邊辺

  • 春陰や戻れぬ道に佇んで

    渡延 音珂

  • 春陰や写し鏡の空の色

    渡辺 小豆

  • 春陰や休日に上司の電話

    土佐俳句人

  • 春陰や避難はしごが使えない

    冬乃子

  • 春陰や亡母の小紋似合うやも

    島紡衣

  • パンのきれ春陰のなか嵩まずに

    東餅太郎

  • 春陰の歯周ポケット深いとさ

    藤井 春

  • 春陰やステ−ジ4の見舞い行く

    藤田好山

  • 春陰の四万湖に青のなかりけり

    藤井俊季

  • 春陰の廃墟へ防護服の列

    藤咲大地

  • 春陰や油なき日の象の糞

    いこん

  • 春陰や万策尽きて居酒屋に

    徳永城仙

  • 春陰や和尚の部屋に女客

    馬場福朗

  • 春陰や近道だったアーケード

    虹博筋

  • 春陰や腎の辺りを摩る癖

    日向こるり

  • 春陰や眼の病にて友は来ず

    俳邦山

  • 春陰の袂に重き朱印かな

    猫吉花太郎

  • 春陰の訃報交番相談員

    白山一花

  • 姫路城堂々と立つ春陰や

    風花

  • 春陰や胸ポケットの頭痛薬

    白石美月

  • 春陰の出勤前の可燃ごみ

    モッツァレラえのくし

  • 春陰や隣人は靴音強し

    反芻医 時光

  • 春陰を美しと知る日なりけり

    風虎

  • 春陰や巻かれぬ螺子の音を待つ

    板橋とをし

  • 鬼ころし潰され春陰の花壇

    白沢ポピー

  • 春陰や親に仕事の免罪符

    風早杏

  • 春陰や白き骸と竹の箸

    白蜂

  • 春陰へ潜るかばの背安息日

    飯野 山茶花

  • 春陰や合せ鏡の香あり

    平室鯛松

  • 春陰やため糞の在りか嗅ぎつけて

    飛来 英

  • 春陰の湧水音もなく湧いて

    美濃仙人

  • 春陰の幽かに淫靡な二十画

    平野水麦

  • 春陰や荒れたる旧家のなまこ壁

    富永武司

  • 春陰や誰もが旅に立つやうで

    花水木

  • 春陰の腕をまくると肌の色

    北村おさむ

  • 春陰や掲示の名簿友おらず

    朋部 琉

  • 春陰やただの水だけ減っていく

    北大路京介

  • 春陰や妻を杖とす老いの腰

    本多 弘幸

  • シンママや春陰のコインランドリー

    満る

  • 春陰や女にもある無精髭

    武田ラーラ

  • 春陰や鞄に揺れるマスコット

    芳賀たかこ

  • キリエの音くゞもる春陰の窓辺

    満生あをね

  • 列車や来ない春陰の無人駅

    野中泰風

  • 春陰や堆肥の匂ひ太りだす

    巳智みちる

  • 推し団扇抱きしめ春陰の出待ち

    眠 睡花

  • 春陰や砂場のふちに座すをとこ

    茂田野マイ子

  • 春陰のテロップ「父親を逮捕」

    木公男8888

  • 春陰やクレーン遠く伸びたまま

    木村カズ

  • 春陰のボックス席の単語帳

    野井みこ

  • 春陰や無音孤独のエレベーター

    野々 りんどう

  • 春陰や古き日記に影重なる

    柳田孤星

  • 春陰のボタ山錆びたコンベヤー

    立町力ニ

  • 春陰やひとり身振るふトラクター

    唯野音景楽

  • 春陰や頭撫ぜらる蛙石

    有田みかん

  • 春陰や赤みがかった枝の先

    黙々笛

  • 春陰や城跡に建つ武家屋敷

    竜退治の騎士

  • 春陰飲み込む三度目の転職

    裕月 遥

  • 春陰や名のある家事の休暇とす

    林としまる

  • 春陰や電線鳥の黒々と

    余熱

  • 春陰や立つ物干し竿のマヌケ

    93kgのプッコラ

  • 春陰や駅舎の隅の女学生

    陽花天

  • 春陰に波砕く朱の通学船

    羅美兎

  • 春陰やあらかた置いて来しふたり

    利尻

  • 春陰やコンテナヤードの老いた犬

    和澄永

  • 春陰や老いたる指に貝爪

    和泉攷

  • 審判や春陰の朽ちたる空家

    川端こうせゐ

  • 十五年の歩みよ消波ブロックは春陰

    林りんりん。

  • 春陰の雲に滲むや比良の嶺

    林真紗湖

  • 春陰のオレンジ色の毒花かな

    嶺乃森夜亜舎

  • 春陰や握手重ねて引っ越しす

    琵琶湖のおばさん

  • 春陰や昼に歩いた夜の街

    眞さ野

  • 春陰や廃墟に主の足音か

    眞由美

  • 貨物列車長し春陰てふ孤独

    靫草子

  • 春陰に目立つ信号交差点

    髙見艀舟

  • 春陰や般若心経のみの葬

    老人日記

  • 春陰やぬうと過ぎゆく演習機

    藺牟田ボンド

  • 春陰の倒木のある我のある

    半熟かさぶた

  • 春陰や空の上にはいつもシが

    栞虫かじり

  • 春陰や卵の殻の内の空

    山鼠否

  • プリンタぎこぎこ休職願の春陰

    猪子石ニンニン

  • 酒仙たりし叔父貴召さる春陰や

    宇於留 礼桜

  • 春陰に微睡む夕は物寂し

    木村ルカ

  • 春陰や楊枝で割る菓子桜色

    入道 まりこ

  • 春陰や非正規雇用三年目

    響楽境

  • 春陰やおそらく寡黙吾の祖先

    ゆうひざか

  • 春陰や岩間に刺し餌揺らめけり

    千嶋紗香

  • 春陰や鷺の見据えるペルシャ湾

    成瀬 朽木

  • 春陰や止まる日めくりあの日から

    えだにふみ

  • 春陰や我に重石を尚乗せて

    スマイリーK

  • 春陰や女性ホルモン不足気味

    河上摩子

  • 春陰や円陣採食の波紋

    青木豊実

  • 春陰や怠惰に終はる有休日

    ゆきなごむ

  • 春陰や嫁返上の代替わり

    坂下しわ

  • 春陰の術後を見舞ふ四人部屋

    白上誠陽

  • 春陰や厨を灯し掬う灰汁

    棗椰子(なつめやし)

  • 春陰や芭蕉の腰の矢立まで

    吉田春代

  • 春陰や名札の白の華やげる

    卯月

  • 春陰や痩た笑顔の母を訪う

    相沢薫

  • 声が呼ぶ気がしてならぬ春陰や

    たまご

  • 春陰や呪の解けぬまま白寿

    蓮井理久

  • 春陰やボディーガードの付く散歩

    佐藤茂之

  • 欲しがる二歳春陰の慟哭

    安達りんだう

  • 春陰や渡り損ねた青信号

    黒木なずな

  • 春陰や「叫び」の空の赤絵の具

    義日月

  • 龍の涙を溶かす春陰のハープ

    桑島 幹

  • 春陰や難読多き新名簿

    小山まきに

  • 春陰の中の他人や片頭痛

    蜥蜴の尻尾

  • 春陰や寮の扉に金のノブ

    愛柑いつき組note俳句部

  • 春陰の棚や一冊の隙間

    中川 せん

  • 春陰の皇居観光客もまばら

    ほのちゃん

  • 春陰や明日の法事へ行けぬわけ

    星月彩也華

  • 春陰や腫瘍の父は口達者

    芝歩愛美

  • 春陰がグリコのおまけ欲しがりぬ

    気まぐれ亭いるか

  • 春陰の句碑と実生のツバキかな

    松山茜柑

  • 春陰や右に傾く古い壺

    一日一笑

  • 春陰に挑みしパン作り不発

    弘法小子

  • 春陰に喪服小さくなりました

    正岡田治

  • 春陰や親のお見合い誰がため

    案浦笑里

  • 春陰や遠く太鼓のどーんどーん

    ナオコ タイラー

  • まだ一人春陰の墓に眠る父

    杼 けいこ

  • 春陰や黒留袖の匂仄か

    風かおる

  • 春陰や亡き父母の家草いずる

    松本錦明

  • 春陰を手書きの地図の指す方へ

    横山雑煮

  • スクロールしてもしてもしても春陰

    二城ひかる

  • 秒針無音春陰の手術室

    おこそとの

  • 竹藪や春陰払ふ風の音

    ヤヒロ

  • 春陰やワン・オー・ワンの斜向かい

    みたまん

  • 春陰の窓に広がる日本海

    さいたま水夢

  • 春陰や解雇の余波にゆれる木々

    須田爪黒

  • 春陰や松風漏るる下地窓

    松崎重三郎

  • 春陰や弁慶をして七戻り

    手塚童好

  • 春陰に街路樹色をとり戻す

    渡辺宵雨

  • 春陰の錆びた爪切り枕元

    桃姫

  • 春陰やバンパー残る交差点

    橋本めぐむ子

  • 春陰やつひささくれを深追ひす

    楽椿

  • 春陰の鈍き地を這ふ金属音

    児玉すず子

  • 白磁抱く終に映るは春陰か

    玉野汐音

  • 春陰や殺処分機にひかりなし

    コーヒー博士

  • 春陰のステンドグラス色深め

    朝里いつか

  • 春陰やゴシック体のやうな街

    月枝いと

  • 墨滲むごと春陰の老木は

    黒子

  • 春陰に舞う番鳶高く鳴く

    山尾 歩

  • 春陰や力口希咄の辞世あり

    保古亜 歩子

  • 春陰を憂ふ舗道の生乾き

    北村 崇雄

  • 春陰や痛みの経過書く日記

    宇佐美好子

次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています!

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