俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2026年3月20日週の兼題

春陰

【曜日ごとに結果を公開中】

【佳作】

  • 春陰や母校の老いた木の調査

    水城

  • ブランクは五年春陰の履歴書

    夏草はむ

  • 春陰のせいにしたまま早退す

    すがのあき

  • 春陰や瓦礫よりケロリンの桶

    いかちゃん

  • 春陰や二度目の喪主を勤め上ぐ

    ⑦パパ・広ブロ俳句部

  • 春陰や視線の合はぬ埴輪の眼

    蓮田つばき

  • 春陰の郷の門扉の脆き錆び

    はれまふよう

  • 受け取りてまた春陰のティッシュかな

    石川穴空

  • 春陰や繊維問屋の地下喫茶

    ときめき人

  • 春陰やせんべい瘤のがらんどう

    小林土璃

  • 春陰や鎮痛剤の半減期

    三日月なな子

  • 春陰や杜に残せる仕掛罠

    内藤羊皐

  • 春陰の引越トラック待つスープ

    島 白椿

  • 半音ずつ下がりゆくサイレン春陰

    江口朔太郎

  • 春陰や仏の目元も重く垂れ

    大田白梅

  • 春陰やゴッホの耳のごとき石

    帝菜

  • 春陰や埴輪の二千年の黙

    えいぎょ

  • 春陰や警察犬の尾は低く

    近藤和草

  • 春陰や米研ぐ水の色な朝

    シュリ

  • 春陰の磐座苔の黒ずめり

    伊藤恵美

  • お義母さんを待つ春陰の喫茶店

    ふう兎

  • 春陰や火葬場で吹くハアモニカ

    小里京子

  • 春陰や実習棟の喫煙所

    クラウド坂の上

  • 春陰や食虫植物の噯

    滝澤凪太

  • 春陰を頷くやうに鶏の嘴

    じゃすみん

  • 春陰や虚ろな鼓膜めく波止場

    トマト使いめりるりら

  • 春陰やキリンの首が燃えてゐる

    平本魚水

  • 青白き拳春陰のポケットへ

    紫水晶

  • 春陰や我が子を胸の納骨日

    伊ナイトあさか

  • 春陰とふ天使眠つてゐる時間

    佐藤レアレア

  • 処分する靴春陰の集積所

    洋々

  • 春陰をはちきれさうな郵便車

    冬島 直

  • 春陰や廃棄置き場の冷蔵庫

    沖庭乃剛也

  • 春陰や筑波の峰はなほ紫峰

    只野黙念

  • 春陰の同意書怯みたるサイン

    ゆすらご

  • 春陰を切り取り遺影完成す

    伊予吟会 宵嵐

  • 春陰やただ聞き役の耳は穴

    泗水ハオ

  • 春陰の更地の色が明るくて

    沖庭ノ華風

  • 錆の香は手に春陰の逆上がり

    山根孤月

  • 春陰や伴天連の右眼白濁

    チームニシキゴイ太刀盗人

  • 春陰に満ちる反戦デモの波

    たいらんど風人

  • 春陰や水噛んで飲む安定剤

    如月ゆみこ

  • 楽聖の孤独よ春陰の歌よ

    都築減斎

  • 春陰の新宿マネキンの目に星があり

    あなぐまはる

  • 春陰に乗れぬ木馬を捨てに行く

    城内幸江

  • 春陰の須磨のあたりを今過ぎる

    木村深夜

  • 春陰は作者不詳の詩の湿度

    岡根今日HEY

  • 春陰へ金糸雀放ちたき昏さ

    津島野イリス

  • 春陰や銅像は敬礼のまま

    まるちゃんにいさん

  • 春陰や鳩舎に鳩のゐぬ匂ひ

    げばげば

  • 春陰や基地に艦船碇泊中

    俳句農人 貢次郎

  • 折鶴の尾に春陰の皺少し

    無弦奏

  • 春陰や疼きゆるまぬ古き傷

    つづきののんき

  • 春陰や眸の中を蛆めくものら

    万里の森

  • 小銭をすべて春陰の自販機へ

    かねつき走流

  • 春陰やたばこ屋だった角の家

    まるにの子

  • 春陰やしだり尾長き白孔雀

    ふじこ

  • 春陰や砂にあずける背の湿り

    長岡美衣珠

  • 春陰の廊下茶室の鍵当番

    髙橋花紋

  • 春陰や飛蚊症的身となりぬ

    山香ばし

  • 春陰や烏胡桃を放つ息

    しるこう

  • 春陰に晒す旗日の旗百旒

    ギル

  • 春陰や海の終わりの空のはじまり

    ももたもも

  • 春陰や櫂の雫の音かすか

    やまさきゆみ

  • 春陰にからまつてゐる龍の子よ

    北藤詩旦

  • 義実家の合鍵頑ななる春陰

    玉家屋

  • 春陰や檜皮師の吹く竹の釘

    どせい舎

  • 春陰や波斯に砂塵の夥し

    澤木樹心

  • 春陰や無口な椅子を二つ置き

    立田鯊夢

  • 帰郷せり春陰といふ鍵のいろ

    市川一夜

  • 春陰や睨疲れし仁王像

    じゅんこ

  • 春陰や筆洗ゆるく濁りゆく

    るう

  • 春陰の轢死の鳩を囲む鳩

    橘鶫

  • 春陰や羽化せぬままの柩の手

    高山玲徹楚々

  • かたつむりめく春陰の雲々よ

    水越千里

  • 春陰の銀座軒並ドアボーイ

    acorn

  • 春陰や鳥は方位の語を持たず

    山本先生

  • 春陰の海なき街に鴎鳴く

    有名人一字違い

  • 春陰や俯くやうに羊群岩

    播磨陽子

  • 春陰や古墳のやうな合葬墓

    にゃん

  • 春陰の硬貨こぼして閻魔堂

    狩谷わぐう

  • 春陰の海辺に朽ちし艫のあり

    高嶺織人

  • 玻璃戸ささめく春陰の渡廊

    北野小町

  • 春陰や散華ひるがへりて碧し

    佐藤ゆま

  • 春陰や海星干されている漁港

    勝本熊童子

  • 春陰の犬は怯えの街に居る

    理酔蓮

  • 春陰や螺鈿の箱の吸気呼気

    十六夜の花札

  • 図書館のWi-Fi春陰の画集

    どこにでもいる田中

  • 春陰や能登金剛の波荒し

    横山山水

  • 春陰やパンダの居ない檻でかい

    鈴木麗門

  • いくたびも洗ふ春陰の水筒

    槇原九月

  • 春陰やのつぺらばうの石仏

    月見柑

  • 春陰や錆びつきし門の言ひ分

    丸山美樹

  • 職場の駅乗り越して春陰の海

    窪田ゆふ

  • 春陰へ地虫啄む鳩の糞

  • 春陰とプラゴミと吾と波の音

    いらんことスーニャ

  • 春陰や切り捨てされる五の気分

    三河三可

  • 春陰や蔵の大壺つぶやきぬ

    そうま純香

  • 春陰や轢き潰されたアルミ缶

    犬淵貉

  • ハシビロコウの真似をしてゐて春陰

    きゅうもんde木の芽

  • 春陰の雑踏そら耳うしろ指

    鳥乎

  • 春陰や檻の孔雀は踞り

    高田杏

  • 春陰をちりちり抜ける歯の麻酔

    いさな歌鈴

  • 春陰を嗤うか箱男は君か

    三浦海栗

  • 春陰の墓地や手押しの古ポンプ

    佐藤さらこ

  • 春陰重しホルンの管の密度ほど

    オーガストスガワラマサト

  • 春陰の四号館から仏蘭西語

    鶴舞櫻山

  • 春陰や本陣跡の石碑文

    おおにしまこと

  • 印章の溝に春陰匂ひけり

    久保田A

  • 実習ふけて春陰の屋上へ

    ほしの有紀

  • 春陰や切手の糊は壱カロリー

    鷺沼くぬぎ

  • 春陰やキャップ二杯の除草剤

    木村弩凡

  • 春陰やこんなところに殉難碑

    蒼空蒼子

  • 春陰の大風呂敷に包まれて鬱

    どいつ薔芭

  • 春陰の屋上ぼくはちっぽけだ

    ヒマラヤで平謝り

  • 春陰や左から右アラビア語

    かぬまっこ木ノ芽

  • 春陰の濃度にたしてみる紫煙

    中島 真珠

  • 春陰や葦に埋もるる水車

    晩乃

  • 割り切れぬ奇数が春陰の気持ち

    宗平圭司

  • 春陰を吸ひ込む角度煙草の火

    品川雅史

  • 異動辞令二行春陰の余白

    藍創千悠子

  • 春陰や古墳に石の夥し

    木染湧水

  • 鳩の糞手に春陰のブロンズ像

    木ぼこやしき

  • 春陰や卵管結紮同意書

    天宮ほたて

  • 立てぬまま過ぎゆく春陰のウェーブ

    清白真冬

  • 春陰の浜鳴り石の音くぐもれり

    むったん

  • 春陰やC病棟は坂の上

    たかはしゆう

  • 春陰の古書の匂ひのよどみかな

    どすこい早川

  • 春陰やロダンの像の前屈み

    広木登一

  • 春陰へ響くカリヨン十二鐘

    くま鶉

  • 篆刻の余白春陰の海緩ぶ

    うえともこ

  • 春陰の午後を不満気なバリカン

    毬雨水佳

  • 春陰や生家に残る藤の棚

    那須のお漬物

  • 春陰や収骨の手を見つめをり

    やっちゃんち

  • 春陰や筆に古墨の香の甘き

    巴里乃嬬

  • 春陰や供花悼みつつ傷みつつ

    常幸龍BCAD

  • 春陰や実家売却契約日

    ぐりぐら京子

  • 春陰のアトリエ屋根のつづまやか

    乃咲カヌレ

  • ビリー・ホリデイだらうか春陰に洩るる音

    なしむらなし

  • 春陰の留守録こゑの膿んでゐて

    今田さや香

  • 春陰や道路を分かつ御神木

    桃猫

  • 春陰を回り続けるミキサー車

    となりの天然水

  • 春陰や蔵に悪書の拾ひ読み

    RUSTY=HISOKA

  • 太陽の塔春陰に狂ひをり

    樹海ソース

  • 春陰や古墳めきたる小さき丘

    森爺

  • 春陰や熱持つ耳はおもたくて

    すまいる そら

  • 春陰や通りの角に献花台

    川越雷鳴

  • 春陰や単線に沿ひ古墳群

    茂木りん

  • 春陰や大樹の基の祠の灯

    富佐野ほろよい

  • 春陰や退職代行探す朝

    かつたろー。

  • 作業着のまま春陰の病院へ

    ぜのふるうと

  • 春陰の雲はひかりを産みたさう

    秋津穂 実

  • 悉く妻春陰の給湯室

    大黒とむとむ

  • 春陰や壁を汚して画鋲さび

    黒蜜かりんとう

  • 春陰はマズルカの立ち込める空

    大月ユリコ

  • 春陰やスタンダールを訳す茶房

    岸来夢

  • リード削るや春陰の試し吹き

    小川さゆみ

  • 春陰の駐車場にて吸う煙草

    ピコリス

  • 春陰の薬局ブルボンの半値

    うた 歌妙

  • サグラダの春陰へ積む背骨なり

    山崎なお

  • 春陰のもう兎なき兎小屋

    川村ひろの

  • 春陰や突き出し窓の錆の凝り

    栗山おかか

  • 春陰をねじ込んだやうな目の猫

    赤馬福助

  • 春陰や石を掴めば水にごる

    藤里玲咲

  • 春陰や嵐電がうがう鉄の音

    まきうち祐

  • 春陰やゴリラの顔のちょっと鬱

    みづちみわ

  • 春陰や鐘撞堂の忿怒尊

    渡部 あつし

  • ハンドル傾ぐまま春陰の生理痛

    五味海秀魚

  • 春陰のケの日一粒万倍日

    佐川碧

  • 春陰や壁生臭き甕棺墓

    きなこもち

  • 春陰やたった一合研ぐ濁り

    福田みやき

  • よく知らぬ同級生といる春陰

    世良日守

  • 春陰や巣蜜を舐めてゆくナイフ

    丁鼻トゥエルブ

  • 春陰をぶち抜きみなとみらいかな

    立ち漕ぎブランコじゅん

  • 春陰の鯨は雲に成り済ます

    眩む凡

  • 春陰や屠体給餌の咀嚼音

    東京堕天使

  • 春陰や寡黙と饒舌の鴉

    可笑式

  • 経蔵に入る春陰の風一朶

    HNKAGA

  • 母だつた灰春陰の小さき風

    天雅

  • 春陰に立つ鳥水晶体に波

    正念亭若知古

  • 春陰が躁妃の海馬なのだらう

    広瀬康

  • 春陰や千の防災ヘルメット

    苫野とまや

  • 春陰や青池惑い深くして

    さおきち

  • 春陰や鏡花の本の金の箔

    杏乃みずな

  • 半錠ほどの明るさ春陰の胸裡

    二重格子

  • 春陰のシーソーと云ふ不均衡

    三月兎

  • 春陰や傘立てに刺股二本

    ぽんたちん

  • しゅんしゅんと鳴く春陰の薬缶かな

    蜘蛛野澄香

  • 春陰や画廊の天使まどろみぬ

    reion

  • 春陰や孔雀の羽の義眼めく

    アンサトウ

  • 石畳ゆがめて春陰の木の根

    深山むらさき

  • 春陰や吾を怒らさば龍が降る

    西村 棗

  • 爆ぜて落つ春陰の灰シャツの上

    なるせとうや

  • 春陰や実家の裏に土砂の山

    山城道霞

  • 春陰や水かけながら壊す生家

    かわうちかよ

  • 春陰やホルンの管の六腑めき

    樫の木

  • 眼帯の目に春陰の現在地

    空豆魚

  • 春陰や爬虫類舎に人まばら

    ピアニシモ

  • 春陰や砥石に鉄の滲み出す

    玖良咲

  • 春陰や心臓は孤独な楽器

    古賀

  • 春陰や冷えた溶岩めく結痂

    川越羽流

  • 春陰に鳥と孤独を飼ひならす

    桜鯛みわ

  • 春陰や龍を釣るのによき日和

    渋谷晶

  • 二段階認証に洟かむ春陰

    豆闌

  • 春陰や湯気濛濛と馬の尻

    川屋水仙

  • 春陰や胃癌は饐えし卵の香

    伊藤映雪

  • 春陰やなまくら以て断つもくし

    葉村直

  • 春陰や斑の花の怖きこと

    京有楽草

  • 春陰や仏足跡の指つぶら

    柚木みゆき

  • 春陰の物置小屋に釘にほふ

    大岩摩利

  • 春陰の三尊像の青みたり

    たかみたかみ・いつき組広ブロ俳句部

  • 春陰の紫だちたるピクルス

    七瀬ゆきこ

  • 春陰の渡り廊下のここが鳴る

    太田けいこ

  • 春陰やなゐに抜けたる田の底よ

    田上南郷

  • 目の濡れて春陰の底イルカショー

    まこちふる

  • 春陰や鳩の巣の跡焼き捨てて

    中島裕貴

  • 春陰のかさぶただらう太陽は

    広島じょーかーず

  • 春陰や豆乳を注いでも暇

    ぞんぬ

  • 春陰や猫の看取りのとき近し

    えりべり

  • 二分の遅延春陰のホームを走る

    沢拓庵◎いつき組カーリング部

  • 春陰や違反切符のいろブルー

    冬野志奈

  • ホルムズの口春陰に噤む口

    塩の司厨長

  • 春陰の神鈴にぶき一日かな

    沼宮内かほる

  • 春陰の尼僧めきたる麒麟の目

    久森ぎんう

  • 春陰のベンチを鳩の包囲網

    洒落神戸

  • 春陰や鶴が折れない嗚呼折れない

    大西秋桜

  • 春陰や護岸せばめて川にほふ

    山内彩月

  • タクシー加速つめたき春陰の全貌

    古瀬まさあき

  • 春陰や書を携えて戻る町

    いずみ令香

  • 春陰のベンチ千鳥ヶ淵を風

    あみま

  • 春陰の地層千年前の種子

    sol

  • 炎めくバンドネオンを聴く春陰

    24516

  • 戦争資料の天に塵厚し春陰

    touka.k

  • 春陰をぐるぐる明日の店がない

    いたまき芯

  • 春陰の「備蓄放出」街しづか

    あま門

  • 春陰や生薬くさき揚屋町

    すがりとおる

  • 春陰をごごんごごんとモノラック

    そまり

  • 春陰の東寺の甘き曼荼羅像

    うに子

  • 春陰の日はうす紙をはぐやうに

    たけぐち遊子

  • 春陰や羽を棄てたる人ばかり

    きつネつき俳句系Vtuber

  • 春陰やバターは溶けかけて偉大

    たけろー

  • 春陰に蛮声午後の競馬場

    ちょくる

  • 春陰の蛇口にのこる磨き傷

    まるかじり

  • 春陰や古本市をニ周り

    つくばよはく

  • 喘息の肺に春陰満たしけり

    トポル

  • 春陰や被爆校舎の窓黒し

    なかおくじら

  • 春陰の硝子や指の跡の濃く

    ちょうさん

  • 春陰や葬祭場の名が明るい

    ほしのあお

  • 春陰や痩せ風船の息尽きし

    はれみちる

  • 春陰の空が一羽の鳩である

    ま猿

  • 春陰の潰れた鳥を跨ぐ身は

    やまもと葉美

  • 友の名の無き春陰のクラス分け

    むらのたんぽぽ

  • 春陰の沼を大魚の割る音か

    葦屋蛙城

  • 春陰の川に消される杖の音

    ぶうびい

  • 春陰の列車余震のやうな朝

    原田くろなつ

  • 穴蔵や春陰を吸ふ野面積み

    夏湖乃

  • 春陰や鶏舎はけふでがらんだう

    楽花生

  • 春陰や離婚届の字の綺麗

    一ノ瀬なつめ

  • 春陰やカルテにペットロスなんて

    五島 潮

  • 春陰に音があるならヘ長調

    宗平真実

  • 春陰や第一志望の駅通過

    広瀬八重桜

  • 春陰やギプスに後悔てふ汚れ

    高橋寅次

  • 春陰や勝鬨橋は骨の色

    坂野ひでこ

  • ハシビロコウの眠り春陰深む

    桜月夜

  • 春陰の雲と雲と雲の殴り合い

    三隅 涙

  • 春陰や蔵に糀の呼気甘し

    山崎千晶

  • 一隻と呼びたし春陰の端島

    山吹なお

  • 護謨焼けるにほひ春陰の校庭

    刈田陽子

  • 春陰や柱時計の遅れぐせ

    月影 重郎

  • 春陰や湖心は湖を出られない

    元野おぺら

  • つぶやきを呑む春陰ののどぼとけ

    原 水仙

  • 春陰の乗場一切錆の色

    西田月旦

  • 春陰やうすき花袋の私小説

    石田将仁

  • 春陰を正しく歪む日章旗

    沼野大統領

  • 石炭の匂い濃く春陰の駅

    染野まさこ

  • 柄受の父や春陰埋むる黙

    太井 痩

  • 眼帯の身が春陰に片寄れり

    大和田美信

  • 春陰や潦の白定まらず

    樽井薫

  • 腹筋にちから春陰の野へさけぶ

    森野みつき

  • 春陰や眼鏡の傷のやうな夫

    多数野麻仁男

  • 暴君を締め春陰の古紙回収

    神谷車林

  • 春陰や土蔵の鍵が見つからぬ

    中根由起子

  • 己が眼の春陰舐めてゐるオカピ

    多々良海月

  • 春陰を力石徹告別式

    須磨ひろみ

  • 散る羽の白し春陰とは服喪

    仁和田永

  • 春陰を鳶鉤爪にもがくもの

    武井保一

  • 春陰や空五倍子色の登り窯

    北村 環

  • 春陰を眺めてグローブが歪む

    中村すじこ

  • 春陰を嗜む太陽光パネル

    爪太郎

  • 春陰のぶらさがりゐる榕樹の根

    陽光樹

  • 春陰の風は壊れて沈下橋

    猫ふぐ

  • 春陰や櫛歯の錆びたオルゴール

    梅田三五

  • 春陰や幽花のごとく欠ける視野

    妹のりこ

  • 岩盤に臥し春陰の地熱浴

    野々村澄夫

  • 白檀の香や春陰の薬指

    鈴白菜実

  • 春陰のメロディーロードちと音痴

    白子ポン酢

  • 春陰や生者の位牌死者の酒

    亘航希

  • 春陰のさてもあかるき鳥のこゑ

    穗積天玲

  • はつびやうや春陰に吐く咳がてふ

    髙田祥聖

  • 春陰の古寺、写経、野良猫、暮風

    仁山かえる

  • 春陰へ押すやガラスの重きドア

    みつれしづく

  • 米軍機ぐおんぐおんとなく春陰

    サイコロピエロ

  • 春陰の鳩ならば水色で描く

    上田ぽめ

  • 春陰や三万下ろして新宿へ

    月野風花

  • 春陰の下跳ぶ泳ぐ生まる死ぬ

    すりいぴい

  • 春陰や閂重き孔子廟

    塩野谷慎吾

  • マイクロプラスチックめく春陰

    三つ葉躑躅

  • 春陰や孵らぬ卵の透きとほる

    唐澤うに

  • 春陰や我が月丘の傷深し

    黍団子丸

  • 春陰や遺るジッポは火を拒む

    伊藤てまり

  • 春陰やパーマ屋を這ふ偽ポトス

    福原あさひ

  • ショパンだけ無き春陰の音楽室

    庭野環石

  • 春陰の淡海おもたき貸しボート

    香壺

  • 春陰や配電盤なる燈の臓腑

    カスタネード

  • 春陰の六麓荘へドミノピザ

    けーい〇

  • 春陰や津波の底に骨いくつ

    鷹星

  • 春陰や廃屋を往く蔦の龍

    志野 菊華

  • 春陰の鳩病窓よりパン屑

    ふわり子

  • 春陰や昼抜いて買ふ哲学書

    河島 八々十

  • 春陰や花街にのこる百度石

    山下健太朗

  • 春陰や掬う手水の薄濁り

    恋瀬川三緒

  • 春陰や支柱の穴の浅い闇

    潮湖島

  • 春陰の湖ほがらかにみづ湛ふ

    ふくじん

  • 砂浴ぶる子象春陰焦げ臭し

    津々うらら

  • 春陰を引つ掻くだけの釣竿だ

    かときち

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