俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2026年4月20日週の兼題

麦

【曜日ごとに結果を公開中】

【並選】

  • 爪切りて麦の真昼を持て鎮む

    然渡小智

  • 麦の穂やアンのおさげを編んでやる

    赤尾実果

  • 暮れ残る木の間へ麦のひかりかな

    浅乃み雪

  • 麦の穂や崩るる畦の水溜り

    蒼井小桃杏

  • 調つて光を掴む麦の穂は

    Kかれん

  • 工房の時計に記憶麦の波

    吉田一葉

  • 風渡る麦の畑より子の二人

    大久保加州

  • 麦の穂のプリズムめける夜明けかな

    太之方もり子

  • 麦の波微かに海の匂ひして

    近藤和草

  • 行軍は千古へ続く麦の波

    大塚迷路

  • 麦の穂や若き心に刺さる棘

    竹春エリザベス

  • 麦の穂や胎の子斜に蹴り上げる

    竹村マイ(蚊帳のなか)

  • 麦の穂や翁となりし父の髭

    中村 風蘭

  • 麦の禾殺めたき人一人ゐて

    らん丸

  • 麦畑百年前のここは海

    仲間英与

  • 麦熟れて悪党どもを育めり

    朝日雫

  • 豊かさに頭突っ込む麦畑

    津軽わさお

  • 田に立つ小麦レジに立つ異邦人

    雪さやか

  • 夕星や願いの微熱として麦

    升 丁茶

  • 橋桁の水位表示や麦実る

    ふゆの都々逸

  • 背比べひょろひょろの麦威張る草

    相野谷笑子

  • オカリナの穴あまたなる麦熟るる

    渡部克三度

  • 麦の穂や御朱印求め深呼吸

    ゆぃ

  • 麦の穂や母の結わえしおさげ髪

    南全星びぼ

  • しばらくは夕日ながめる麦畑

    入口弘徳

  • 鬼怒川の両岸ともに麦揺るる

    愛碁終日

  • 穂にふれて砕けちる日や麦畑

    日月坊

  • 三つ編みの結び目緩し麦揺るる

    緩木あんず

  • 老いてなお妻の走りや麦うねる

    長操

  • なくしてもよいことばかり麦に風

    藺牟田ボンド

  • 光度増す地平線より麦の地図

    白庵

  • 麦熟るる生家住まいの五十年

    ゐつしん

  • ザワザワ畑ゲジゲジ麦はだれの麦

    水間澱凡

  • ひとりごともうやめようか麦畑

    白井百合子

  • 初孫の歯は四本に麦は穂に

    八幡風花

  • 喝采は麦吹き抜けてあの雲へ

    飯田蛙子

  • 村を香る数多の麦の村の端

    平室鯛松

  • 麦揺れてAM電波拾い出す

    萩野穂々々

  • 星月も見張る麦海息の音

    志野 菊華

  • ホールデンに別れを告げむ麦畑

    芳典

  • 踏みつける風の無頼も麦つよき

    北藤詩旦

  • 麦の穂や白浪めきて光跳ね

    小林一千

  • まつすぐに青春ごつご麦畑

    三崎扁舟

  • 「麦なんて初めて」と言われてみたく

    松島泉

  • 峠越ゆ浦の段畑麦靡く

    余熱

  • スパイクの駆けてゆく音麦の波

    木村となえーる

  • 麦実る野へ着陸の角度増し

    田畑せーたん

  • 太うなるばかりの腕や麦熟るる

    月野風花

  • はや帰京小麦いっぽんいっぽん立つ

    絡丸いと

  • 天鞣す麦は小さき耳をして

    高山玲徹楚々

  • 鉄塔の際に整う麦白し

    庵のエビグラタン

  • 吃音を気にせず叫ぶ麦の波

    コーヒー博士

  • 麦畑遥か日の音連れてくる

    仲 操

  • 甚大な塩害ありし土地の麦

    千代 之人

  • 麦だけが戦の起源存じをり

    空郷 阿房人

  • 麦の穂や家庭訪問あと三軒

    高田多寡太

  • 白々と麦雨に濡れ朽木の香

    外鴨南菊

  • 風にとげ顔背けたる麦畑

    宇都宮千瑞子

  • さわさわと音無き音や麦の海

    松元春苑

  • 麦の波雲仙岳がすぐそこに

    髙橋花紋

  • 八Kを毀ちて現はる麦の濤

    小路愛生

  • 麦そよぐ北関東に風急ぐ

    犬淵貉

  • 麦熟れて俗のわずわらしい絆

    幸久

  • ゆれる麦人骨残る関ヶ原

    水越千里

  • スケッチの子供が麦に隠れけり

    大和田美信

  • ランウェイの最初と最後麦の国

    和泉穣

  • 空と麦旗に希望を託すかな

    榎本千代女

  • 生きるごと編まれ尖りて麦一本

    三和了子

  • 麦の穂の揺れて影引く里の夕

    杜青樹

  • 青空に手にも抗ふ麦の芒

    青木豊実

  • 肩の荷のおりて美し麦の海

    岡井稀音

  • 篠囲ふ潮騒島の麦畑

    君島笑夢

  • 引越しの車窓広ごる麦畑

    髙橋弓女

  • やはらかき風の道程麦畑

    立歩

  • 目玉焼二個の朝食麦の波

    さとうナッツ

  • 太陽の止まつたやうな麦畑

    ツユマメ・広ブロ俳句部

  • 麦の穂や自転車止めて仮設あと

    紫小寿々

  • 麦よ麦無理に笑うな繕うな

    みたまん

  • イカロスのうた高らかや麦畑

    かときち

  • 麦の空吾子の産声響きけり

    山田千華

  • シチリアの風はうたひて麦うねる

    紗羅ささら

  • 麦の穂の薙がるる素戔嗚のひと払ひ

    ノセミコ

  • 雲切れて金の麦カーキ色の麦

    鹿野川小舟

  • 麦一人意志つんつんと尖らせて

    花彼岸

  • サリンジャーの空は蒼いか麦畑

    ぱせり

  • 麦抜ける風は砂金のごと薫る

    けーい〇

  • 月光に異界の香り麦りんりん

    内田ゆの

  • 麦は波打ち二百余日の陽を放ち

    日向こるり

  • 一羽二羽麦の穂喰いに今日も来る

    土佐俳句人

  • 麦の波鳥も風も戸惑いけり

    北五帆

  • 麦の波忘れた今と生きる朝

    ふくろう悠々

  • きーこきーこ乳母車麦可愛いがり

    福田みやき

  • マンモスの発掘の地や麦熟るる

    浩子赤城おろし

  • リヤカーも麦ももんぺも知らぬまま

    椋本望生

  • 双頭の麦や聖母は嬰を抱く

    このみ杏仁

  • 幾千の小さき矢羽根や麦へ風

    玉響雷子

  • 麦熟るや術後五年の検査の日

    竜退治の騎士

  • えんえんと人影のなく麦の波

    タケザワサトシ

  • 羊蹄山への道はまぼろし麦の波

    鳥乎

  • 麦ゆれて地下のあの椅子マシュ・ケ・ナダ

    謙久

  • 麦畑校歌未だない新校舎

    空 遥翔

  • 麦の穂や裁縫箱に手切れ金

    蘭丸結動

  • 風光る金の波打つ麦の海

    麦

  • 嬰児の光る産毛の麦の穂よ

    スマイリーk

  • 長女には長女の正義麦の波

    摂田屋酵道

  • 鉄塔だけが知る麦への転作

    鳥不驚

  • セスナゆく讃岐の空や麦熟るる

    星月彩也華

  • 畑とは長方形に麦だらけ

    正岡田治

  • 山深く麦の海はもう遠く

    西宮景

  • 撫で戦ぐ明日死ぬことを知らぬ麦

    相坂

  • グライダー「士」の型残す麦畑

    坂土海夏

  • 青春のライ麦畑杖でゆく

    広瀬八重桜

  • 芒ひらく麦は語り部干拓地

    風早杏

  • 麦の穂の揺れて八の字九の字かな

    壱太

  • 金色の揺籃は麦みどり児よ

    鷹星

  • 麦の穂の芒初々し風しずか

    acorn

  • 十歳の子守奉公麦の空

    sol

  • 麦の波少年兵たち溺れさす

    GONZA

  • 泳ぐごと麦の穂の波煌めけり

    アントワネットdeノエル

  • 化石の羽毛の如き麦なびく

    touka.k

  • 風生まれ河下りゆく麦の畑

    あおのめ

  • 雨晴れてカサリカサリと麦の歌

    いたまき芯

  • 坂道や麦束背負ふ児もありて

    いなほせどり

  • 麦の穂やいちがいこきの泣きみそが

    あが野みなも

  • お日様はそれぞれ照らし麦つんつん

    うさぎ柚和

  • 麦の波町探検の子等出発

    あまぐり

  • 麦畑物欲がない一人っ子

    あらい

  • 正論はちいさな声で麦熟るる

    うに子

  • 半年の余命麦には間に合わぬ

    うめやえのきだけ

  • 故郷やどこもかしこも麦の波

    ウラッキー

  • 叱られし記憶のにほひ麦畑

    えりべり

  • 麦の穂をつかみて背の子眠りおり

    かきびと

  • 我知らず波打つ麦や詩に溢る

    オアズマン

  • くすぐつてさして素知らぬ麦の芒

    オキザリス

  • 陽を吸うて麦のぴぴんと張り詰めて

    おんちゃん。

  • 下りてはかへりて上る麦の波

    かすか べえやん

  • 麦を見た辞めるのやめた習い事

    くすみ輝く

  • 許せぬひとよ許せぬままに麦の畑

    カリヨン

  • 麦の穂や母子同室はあしたから

    かつたろー。

  • 廃村の黄金色なる麦畑

    かんこ鳥

  • 麦の波鈍感という強さかな

    かわいはる

  • 麦の穂のきらきらきらと風の中

    ぎんやんま

  • 正論が眩しすぎる麦の穂よ

    くりた りく

  • 風渡る麦一色に佐賀平野

    くろべぇ

  • 一本の麦に見習い身を正す

    コモドドラゴン

  • 天球を支えて麦を守る芒

    サイコロピエロ

  • 色褪せのデニム麦の穂濃くなれば

    さかえ八八六

  • 熟れてなほ麦の気高きたたづまひ

    さとう昌石

  • 臭覚のいよよ健在麦熟るる

    さぶり

  • 神の矢の化して麦なる光かな

    シュリ

  • 触角のごと振り戦ぐ芒の麦

    じょいふるとしちゃん

  • アルルの陽浴びて爆ぜたる麦の殻

    ジン・ケンジ

  • 麦の穂に妻の袖引く男かな

    スベスベな氷

  • 麦の海超えくる風の清かりき

    すみ湖

  • 麦の穂の笑窪の多き日は楽し

    そまり

  • 「官能」を辞書に探して麦の波

    たいらんど風人

  • 女子アナは目力麦の波やはし

    たけろー

  • 麦の穂に紛れ込みたる風一縷

    たこぼうず

  • 幸魂のたましひ泳ぐ麦の海

    たこ山焼之輔

  • 麦に風東雲の龍通りしか

    だん がらり

  • 正条や擦れ合ひうねる麦の陣

    ちさいちそく

  • 万年の縄文の世や麦熟るる

    ちやあき

  • 吹き上がるカーテンに熱麦熟るる

    つくばよはく

  • ぎこちなき愛と沈黙麦のこゑ

    てんちょう

  • 逆光のほどける先に麦の芒

    でんでん琴女

  • 十日間見ぬ間に麦は膝の丈

    どいつ薔芭

  • スピカとふ猫を抱きをり麦の波

    うからうから

  • なびく麦ガチャッとダイバー時計解く

    不二自然

  • 麦強し青き秘仏の脚高く

    トウ甘藻

  • 麦の実の線は臍の尾枯れたごと

    どこにでもいる田中

  • 麦の波なりたいものなんてなにもない

    どせい舎

  • ぢいちゃんは「さて」とそれきり麦の波

    どゞこ

  • 麦しゃらしゃら雨も泪もすぐ乾く

    トポル

  • 麦の海ゆっくり進む風の船

    どれみすみ

  • 麦の穂や被爆マリアの慈眼かな

    なかおくじら

  • 麦の穂や伯母気に入りのレース帽

    なつめモコ

  • いくたびもふりむく犬や麦の闇

    ネギ

  • ありがたき幸せの民外宮の麦

    ねずちゅー

  • 麦を抱くうでひりひりと熱をおび

    ののはな誉茂子

  • 看板の白列しき麦の波

    はっぴー猫

  • 熟麦や未完の橋の基礎白し

    はなぶさあきら

  • 麦畑の乾きて埃臭きあり

    はまゆう

  • 明けて伸び暮れても伸びし麦の丈

    はれみちる

  • 麦熟れて放牧牛が産気づく

    バンブー

  • 老年の帰郷果てしなき麦畑

    ピアニシモ

  • 頑丈に産んでもらひぬ熟るる麦

    ひでやん

  • 泣き声の遠くて近し麦畑

    ひねもす

  • かっ飛ばし守備の子消える麦畑

    フージー

  • 喪の列の奪ふ光りや麦の畑

    ぶうびい

  • 逆さまのてるてる坊主麦の波

    ふう兎

  • 鬣の風をはらむや麦の波

    ねこむらさらむこね

  • 命日の父の生家へ麦の道

    ふくじん

  • 朗笑の風の神様麦の波

    ふくびきけん

  • 麦の穂の身を委ねたる神の風

    ふじかつとび

  • 麦の禾スピカの禾の相聞歌

    ふじこ

  • 顎髭の若き移住者麦熟るる

    ふもふも

  • 麦熟れて難産の果ての芦毛馬

    ふわり子

  • うらやまし麦の穂真直ぐ真直ぐ伸び

    ほんちゃん

  • 麦熟れて明るい明日来てくれよ

    まつだまゆ

  • カーテンのふくらみのごと香る麦

    まっちゃこ

  • 先輩はもう折り返し麦畑

    まるにの子

  • 高いミの出ぬリコーダー麦の波

    ミセスコロンボ

  • レイノルズ数の増えたり麦の禾

    ぐりえぶらん

  • 「寅さん」のひよいと出さうな麦の波

    みのやん

  • 麦そよぐ心一切晴れぬ風

    みみみ

  • 青年の空さす麦を見てゐたり

    みやかわけい子

  • あの日見た青き地球は麦息吹

    みろくざか

  • 竹輪天ぶっかけ越しに麦黄金

    みんみんとしみん

  • 粉もん好き自給自足の麦熟るる

    み藻砂

  • 麦の波子らは寿限無を加速させ

    むらぴ

  • あめつちに風に神あり麦の鳴る

    ももたもも

  • 麦畑や濡れたる風の濡れず出づ

    もりさわ

  • 黄昏やトパーズ色の麦の波

    やまさきゆみ

  • ラババンを拭ふ夕べの麦畑

    ヤス

  • 辻堂に住居表示や麦熟るる

    西川 たもつ

  • 麦畑地雷の残る村静か

    やっちゃんち

  • 麦の波見下ろす父の七七忌

    ゆうひざか

  • 麦の波三年前の武勇伝

    ユキト

  • もやもやはもうあの辺り麦の波

    ゆすらご

  • 虫の死の重さで撓む今朝の麦

    暁雲海

  • 寛解の頭皮に産毛麦実る

    ゆず柴

  • 麦の穂や街へと帰るバキュームカー

    ゆとりろ

  • 麦熟れていさざ漁今たけなはに

    よこいちやこ

  • 麦すくすく山羊の子すくと立ち上がる

    らいかの星

  • 麦痩せて遠くなりゆく星の色

    らのほ

  • 「何憂う」広々眩し麦揺れる

    りえ

  • 息を吸ひ色をおく絵師麦の原

    るびちゅ

  • 太宰読み場違いな麦栞とす

    ロジック・ファットフィールド

  • 麦熟れて親しき友を妬む夜も

    藤井赤童子

  • 風を生む麦のゆらぎや音和む

    西村小市

  • 画家逝きし向日葵色の麦畑

    わおち

  • 麦の穂の乱れつくして了りとす

    わたなべ☆いつせい

  • 麦のノギかすかに疼く指の先

    阿波の風

  • 風を待つ麦の真中のみなし墓地

    愛の花

  • 大空の麦は光を飼ふごとし

    愛燦燦

  • 駅までは麦生一本道を爆走

    逢來応來

  • ビール工場閉鎖の町や麦に風

    悪七兵衛

  • ぽはぽはへ指の伸びけり麦畑

    渥美こぶこ

  • アフガンに中村哲あり麦畑

    梓 渓

  • 麦の穂やスピカ瞬く水の星

    安春

  • 真四角の畑に芒砥ぐ麦の芯

    安藤 牧

  • さりさりと穂麦の夜や星移る

    杏乃みずな

  • サーファーの期待の波や麦揺れる

    伊ナイトあさか

  • 麦熟るる古るるギターの弦に触る

    伊藤 蒼邨

  • 一面の麦ひと切れのパンに飢え

    伊藤なお

  • 麦の穂の手を振るやうに星を向く

    伊藤ペンタ郎

  • あまたなる草のあるる中より麦生るる

    伊藤勘太郎

  • 麦の穂やさざめき乍ら空を撫で

    伊藤順女

  • 麦熟れて国ふつくらとなりにけり

    伊藤柚良

  • 歩測するアイヌモシリよ麦の穂よ

    伊予素数

  • 麦そよぐ小鳥の件は引き受けた

    井上鈴野

  • 山を越え河を渡りし鳥や麦

    磯野ふらぼん

  • 麦は立つ芒の鎧を付けて立つ

    一井かおり

  • 退屈な五限の授業麦たわわ

    ナオコ タイラー

  • 風を食み麦は愚直にたくましき

    一井蝸牛

  • 麦の香の子ら追ふ風にありぬべし

    クラウド坂の上

  • 豊穣や地球は麦の実る星

    一久恵

  • 麦の波住宅地には箱の家

    一港

  • 画面下の中東の麦弔えり

    一条春枕

  • カレーよりナンの評判麦熟るる

    みうらけんじ

  • 留年や麦はそろひて金色に

    一寸雄町

  • 筑波嶺の風はむらさき麦畑

    芋 二郎

  • 天と地を結ぶ点線麦伸ぶる

    宇のななみ

  • 畝ごとに膨らむ麦や山食パン

    宇於留 礼桜

  • 千反の麦やそしてドロン一機

    宇野翔月

  • 奥播磨日増しに麦の熟れにけり

    羽住博之

  • リニアの土地開発麦は曲がらざり

    羽織茶屋

  • 奇譚かなはらわたなぶる麦の芒

    羽柳武助

  • 負紐のずしりと肩に麦ゆたか

    雨霧彦(木ノ芽)

  • 二百五十光年のスピカよ麦熟るる

    卯之町 空

  • 麦の波気楽にひらく落下傘

    浦野紗知

  • チャリ通の片道五キロ麦の空

    越前俊水

  • チャリ2ケツ婆ちゃん家前の麦畑

    円谷琢人

  • 一面の麦に国境あると云ふ

    円堂実花

  • 割る理由なき黄海や麦の波

    遠山比々き

  • 芒在りてまだ空へと過疎の麦

    塩の司厨長

  • 麦畑に影落とし去るグライダー

    横山三水

  • 熟れ麦や術後ひととせ吾の命

    岡井風紋

  • 麦熟るるローカル線の手動ドア

    岡山小鞠

  • ​欲しいとこには出来ぬ子よ麦の海

    岡田きなこ

  • 手を振りぬ麦穂の波の吾の影

    岡田瑛琳

  • 麦の空フィドル奏でる鳥のゐる

    沖庭ノ華風

  • 知らぬ道とほるごと揺れ麦にほふ

    沖乃しろくも

  • マウンテンバイクよ麦をあとにして

    加山シンゴ

  • 蒼茫の麦畑征く兵若し

    加藤水玉

  • 麦満てり芒(のぎ)かがやけるタレックス

    夏至流

  • あぜ道をゆく乳母車麦の波

    夏川三矢子

  • 瑠璃の空押し上げやうと麦の穂ら

    夏椿咲く

  • 麦の穂や水を失ふ頬真皮

    家空太郎

  • 麦熟るる日豊線に夕付く日

    河上摩子

  • 一面の麦・麦…あれが十勝岳

    稀星 柳皇(佐東亜阿介改め境沢一千雄改め綺星柳皇改め)

  • 看板で固めし小屋や麦の中

    河島 八々十

  • 背嚢の頭駆け去り麦は穂に

    河南朴野

  • 穂麦の香やっと仕事に慣れました

    花はな

  • 降り注ぐ光燦々麦の波

    花咲明日香

  • 手術後の傷も癒えたり麦の波

    花星壱和

  • 湯治場に星も日の目も麦は穂に

    花南天anne

  • 麦凪ぐや真珠の名なる用水路

    蝦夷野ごうがしゃ

  • 麦熟るるサンドウィッチの具は玉子

    我孫子もふもふ

  • 麦畑前のめりなるヘルメット

    海峯企鵝

  • 麦の波汀を満ちるとこしなへ

    海棠杢太郎

  • 麦立てて麦を供へて鳥の墓

    芥もくた

  • 縄文のわたつみ夢む麦の波

    楽椿

  • はい!はい!と挙手する児らよ麦の穂よ

    楽和音

  • ご用心ネズミホソムギまたくしゃみ

    樺山 鴻春

  • 麦畑乾いた風の声を聴く

    釜眞手打ち蕎麦

  • 透きとほる穂叢のあはひ麦の波

    刈屋まさを

  • 空港へ送つてもらふ麦畑

    関津祐花

  • 麦実る六千哩や吾子ありて

    舘野白妙

  • 吾の夢の光あつめて麦となる

    丸井ねこ

  • 青空や刈る人の無き麦畑

    丸山隆子

  • 山峡の青き匂ひや麦畑

    岩岳太郎

  • ビアンキを漕ぐや麦畑のカーブ

    岩村雪嫌

  • 背にかかる髪のやはらか麦ゆるる

    岩本遥

  • 逞しき子らの腕や麦熟るる

    喜多丘一路

  • 麦鳴らす風よ遠くの麦鳴らせ

    季切少楽・広ブロ俳句部

  • ささめきにささめきかさね麦さわぐ

    輝 龍明

  • 麦の穂の影は銀いろ錆臭し

    亀田かつおぶし

  • 麦さらら毎夜毎夜のハリネズミ

    義日月

  • 麦きっと陽キャ独語は破裂音

    吉永那夫子

  • さよならの作法それぞれ麦畑

    吉丈月子

  • 麦の穂や縄文人のしたたかさ

    吉川花ほっぺ

  • 胸高の麦穂の海へ颯爽と

    橘 春香子

  • ゲリラ豪雨どしゃん麦の波ぐすん

    黍団子丸

  • 麦の禾空刺し雲掃き日を掻くよ

    丘上 すめる

  • 麦の丘アウトバーンで一つずつ

    久米 礎人

  • 告白も微音にかわる麦の波

    宮井そら

  • はらからであろうあろうと麦の波

    宮下ぼしゅん

  • 麦畑山の聳える隙のなき

    宮坂暢介

  • 陽光の溢るるジョッキ麦畑

    宮崎梅電

  • 麦の隠す農繁休暇と言ふ事実

    宮川武久

  • 麦熟れて一人の画家の狂いたり

    居並小

  • はみ出した麦つんつんと曲がり角

    京あられ

  • 麦熟れて麦の軽トラ一つかな

    京野さち

  • 一欠片の麦や疎遠となりし友

    橋詰彪

  • 大小麦元正帝の詔

    HNKAGA

  • くりかへすママの口真似麦の波

    橋本めぐむ子

  • 麦つかめ痛みのわかる者になれ

    響楽境

  • 麦穂立つ婚姻届出したる日

    スモールちもこ

  • 藁をもの思いで麦を妻と見る

    玉川 徳兵衛

  • 目を閉じて空いっぱいの麦でおと

    玉川緑風

  • 鴎影や麦にタクトの断崖図

    近藤マタネ

  • 麦の穂をさらひし風に馬券舞ふ

    金井双波

  • ケンメリのポプラ百歳麦熟るる

    吟  梵

  • 陽に焼けしボトルシップや麦の波

    玖良咲

  • はだか麦熟るかちどきの三歳児

    空たかし

  • すれ違うあいさつ元気麦畑

    空山プラネタリウム

  • 風わたる惚れて育てし麦の穂に

    空心菜

  • ひた走る麦の香を裂き貨物線

    空木眠兎

  • マスカラの塗りかた麦の揺らしかた

    空流峰山

  • 麦の波奏でる曲やAマイナー

    窪 秀冬

  • 鬼ごっこ風まち進む麦ばたけ

    栗田 もとえ

  • 麦熟るや空に麦の在りし地球

    栗田すずさん

  • 半里ほど潮の風筋麦畑

    北郷傘寿

  • 麦を刈る法事以来の叔父の貌

    軍神

  • 明後日はつひに決勝麦の波

    桂佐ん吉

  • チクチクのファールボールや麦畑

    ヒロヒ

  • 麦の穂や無人の島の昔今

    月見里ふく

  • 贖罪のごとくに麦の穂の垂るる

    月城龍二

  • 熟れ麦に包囲されたるラブホテル

    健央介

  • チャイム鳴る近みち麦の穂の迫る

    原 水仙

  • 麦割れてユーフラテスの赤きこと

    原田くろなつ

  • 国境の地雷を抱き眠る麦

    原田亡玄

  • 助手席にエピパン麦の波遙か

    古庄 萬里

  • 麦畑溺るるごとく兄を追ひ

    古川一光

  • 麦の波六枚切りの弾力よ

    古葉寅万

  • 一握の砂の割れ癖麦の波

    戸口のふつこ

  • 村の子にハメルン訛り麦に牙

    戸部紅屑

  • 子の声に負けて背負いし麦の畦

    虎の尾

  • 麦立つや合衆国のど真ん中

    井納蒼求

  • 麦伸びて空に一刷け蒼を足し

    虎穴虎児

  • トランペットの葬送や麦穂波

    虎堂吟雅

  • 大麦の揺るるや母の納骨日

    後藤三梅

  • 王国の果てまで麦の戦ぎけり

    広瀬康

  • くじら眠る村麦穂さざめけり

    広島 しずか80歳

  • だらだらと轍に麦の零れをり

    弘田根発子

  • 麦の波集る小鳥を弾きをり

    江連守一

  • 麦生には農夫と乙女バンドーラ

    紅 珊瑚

  • 風に揺る麦わら色の烏麦

    荒木ゆうな

  • 麦の穂や無人の島の住民票

    香依蒼

  • 来賓の胸章赤く麦は黄に

    しんしん

  • 空を指す麦の姿に足軽し

    香取扇公

  • 透光へうつろう雲やしなる麦

    高井大督

  • 熟れ麦やミルクのやうに今朝の雨

    高橋手元

  • 麦の穂や尻ポケットへかける指

    高山佳風

  • 凛々しさは最敬礼の如き麦

    高松わかば

  • 再燃の噂話や麦うるる

    高田杏

  • 酒になる麦さわさわと唄うなり

    国東町子

  • 一日を一生と思ふ麦熟るる

    高田ちぐさ

  • ばばばばばっヘリコプターと麦の穂と

    黒猫かずこ

  • 雨風に揉まれ穂麦の地平線

    黒蜜かりんとう

  • 熟れ麦の唆したる情事かな

    黒澤墨青

  • 土曜日の麦をあるけば高き風

    今井方円

  • 風止みぬ自励振動麦揺らぐ

    今乃武椪

  • 懺悔室出づれば眩し麦の海

    佐々木さわら

  • 朝の日を削りて撒きて麦熟るる

    佐々木棗

  • 麦の穂や黒き帽子のラチェニッツァ

    佐藤レアレア

  • コリオリの力で揺れる麦の穂や

    佐藤三八三

  • 池田勇人さま吾は五町歩の麦つくる

    佐藤茂之

  • 逃亡犯の通つたと云ふ麦畑

    砂楽梨

  • 変はろうとし変はれぬ私麦は波

    砂山恵子

  • 麦の穂や行方知らずの中学生

    彩敬士

  • 一斉に汽笛に麦の穂の懐く

    細田裡子

  • 麦の穂や恩師のことば紡ぎゆく

    坂口いちお

  • 麦の穂の微睡みやがて舟を漕ぐ

    坂本秋天

  • 麦の香の漂う街や嗚呼ナポリ

    肴

  • 麦の穂にカードとリボンこの胸に

    埼玉の巫女

  • 麦むしるダビデ逃亡の日々有りき

    桜月夜

  • 麦熟れて丸顔が好き面長も

    笹団子

  • 定年や麦はスタンディングオベーション

    三角山子

  • タバコ休憩みんなあの麦を見て

    三隅 涙

  • 明日の吾へ今生きる志を麦畑

    三群梛乃

  • ノート貸す通学路聴こえた麦の音

    三宅翔丞

  • 叡電に増えし一駅麦畑

    三尾ひすい

  • お姉ちゃんなんか嫌いだ麦へ雨

    山姥和

  • 麦は穂に四国三郎風の中

    山下健太朗

  • 日に背伸び両手上げ揺る麦穂かな

    山海動静

  • 麦の波超えて卒寿の父に会う

    山口絢子

  • 跡継ぎは未來へ続く麦畑

    山口康煌

  • 水甕に満ちてうましや麦は穂に

    山口雀昭

  • 球場に凱歌麦を漕ぎ出だす

    山香ばし

  • にぎやかに果つる明日や麦乾く

    山根孤月

  • Uターン光の中の里の麦

    山崎 佳世

  • 麦畑よりもはじめて先へ往く

    山崎なお

  • 麦として生まれ蒼穹刺しつくす

    山崎千晶

  • 麦か稲去年も言ったこれは麦

    山次

  • 鳥よけのテープの反射麦の凪

    山吹なお

  • メロディーの溢れ出そうな麦の波

    山川腎茶

  • 麦ひかる子らは牛見にゆくところ

    山田不律

  • 立ち止まり麦の声聞き麦の唄

    山田翔子

  • 遠吠え遥か麦畑鎮まりぬ

    山田蚯蚓

  • 恍惚やそぎ落とされて麦の骨

    子猫のミル

  • 麦の穂や禾渾身の伸びあがり

    古乃池糸歩

  • 麦畑やおらゆらめき海の影

    市村音

  • 農家継ぐ友が育てた麦畑

    糸田 つぶさ

  • 麦掛くる縄文の家や子の指せる

    糸野句丹

  • 夕映えや「ひのとり」駆けし麦の波

    紫鋼

  • 祖父からの星を曾孫へ麦の空

    紫檀豆蔵

  • ​麦熟れて龍の寝床となる朝日

    寺尾向日葵

  • ななつ星in九州いま麦の中

    寺尾当卯

  • 観光課の窓一面が麦の波

    慈雨

  • 麦熟るる小川の先の水車小屋

    慈雲奏荘

  • 空気ごと覚えているは麦揺れる

    時小町

  • 麦の穂を裾野に広げ讃岐富士

    甲斐野 傘穗

  • スフィンクスよ人は変わった麦どうか

    鹿達熊夜

  • 麦の穂や風にまじれる友の声

    篠甚花

  • 麦揺れる一年生の早帰り

    柴犬大吉

  • 夕方ラン麦畑越え陽の寺へ

    縞ふみ

  • 鳥の声麦穂の波に拐われる

    若草

  • 母の名で呼ばるるも慣れ麦畑

    若林くくな

  • 剣を置き角杯掲げる麦畑

    手嶋子犬

  • 遊ぶ子を守る仕事や麦畑

    秋月

  • 麦の穂や十字架我らを抱かむとす

    秋田俳楽

  • 麦熟るゝ農地改革八十とせの

    秋内 壱玖

  • 麦熟れて二次面接を通過して

    秋野しら露

  • 天上に麦の海原帆よ風よ

    十六夜の花札

  • 麦熟るや野球部は皆五厘刈り

    勝本熊童子

  • 山村の景の錦や麦畠

    小金

  • 真鍮の栓抜磨く麦は穂に

    小笹いのり

  • 麦の穂の向かふにイオンオープンす

    小山まきに

  • 悪童を音符のやうに揺るる麦

    小室雅俊

  • 青黒き雲風連れて麦揺れて

    小春風 幸

  • 単線のことこと鳴りて麦畑

    小川テル子

  • 産土神のおはす方舟麦の波

    小川都雪

  • 目に痛い空の青さよ麦畑

    一走人

  • 麦熟れてニライカナイへ祈る島

    小川野雪兎

  • 舌打ちの自転車よろけ麦の波

    斎藤三藤斎

  • 麦の穂や鈍色の父の鼻歌

    小鳥遊こはく

  • 麦畑割つてゆきたりカブリオレ

    小田嶋隅雀

  • 麦の波波の始まりこの辺り

    小田毬藻

  • 熟れ麦や繰りかへし読むヨハネ伝

    愚老

  • 姉川や火と陽のにほふ麦の波

    一斤染乃

  • 陽に結はれ月に梳かれて麦の熟る

    恵勇

  • 知恵の輪は遂に二つに麦稔る

    石原由女

  • ペスト医師去ってただ麦熟るる村

    小豆白虎

  • 空に芒大きく伸びて麦たわわ

    小箱 守

  • 止めてほしかったとニュース麦畑

    小里京子

  • 青空と麦君は赤いスカーフ

    小林一平

  • 演習の砲音(つつおと)穂麦揺れやまず

    小林土璃

  • 風のタックル麦のスクラム弱し

    松りんご

  • オレンジのシャツ肩越しに麦は揺れ

    ほのぼぉの (蚊帳のなか)

  • 麦熟るる播州平野醤油の香

    松元転石

  • 類話なき民話聴き終え麦の波

    オーガストスガワラマサト

  • ひっそりとマリア菩薩の麦畑

    松高法彦

  • 芒外れ麦穀物に転生す

    紅のジーナ

  • 風の麦メソポタミアの乙女の輪

    松山めゐ

  • 千本の麦穂に祠滔々と

    松川 優羽

  • 日の似合ふ大波小波麦の原

    松本こっこ

  • 麦畑パーキンソンの父倒る

    松本錦明

  • 鈍色の空へ麦の穂こぬか雨

    松本笑月

  • 新潟の友が何かと聞くや麦

    松葉学而

  • モザイクに彫り深き顔麦熟るる

    笑松

  • 太陽は痩せて麦の穂チクチクと

    城内幸江

  • 肩甲骨寄せて広ごる麦畑

    植木彩由

  • 円き香や雨に蒸さるる麦畑

    山羊座の千賀子

  • 伝記をそっとめくるよな麦の光沢よ

    織 紫子

  • 悪態を聴き流しつつ麦熟るる

    振戦太郎

  • 麦熟れて祖母口ずさむ反戦歌

    新山晶花

  • 麦熟れて独り寝似合う吾の歳

    森 佳月

  • 麦たちは天に恵みを還すごと

    森 毬子

  • 麦光る選ばなかった道を友

    森中ことり

  • 雨しとど麦はぷっくり豊かなり

    森野みつき

  • 麦生中風に輪郭生まれたり

    森葉豆

  • 鍵っ子の明るき声や麦熟るる

    Dr.でぶ

  • 麦の穂の粒の根元に真の闇

    真夏の雪だるま

  • 麦を吹く風の音遥か夜の宙

    神楽れもん

  • 都会への初出勤や朝の麦

    神山すい如

  • 麦波に抱かれて遠き祈りかな

    神島六男

  • 裏切りの数だけ麦の穂硬し

    仁山かえる

  • 麦の穂に帽子流れて風走る

    須田爪黒

  • 農道に傾ぐ電柱麦の波

    須磨ひろみ

  • 麦たわわ農業移住三年目

    水蜜桃

  • 坂東の麦生四角くあっちやこっち

    杉と松

  • 絵付師の筆のさらさら麦熟るる

    杉浦萌芽

  • 麦噛めば夢青臭き郷の道

    杉岡ライカ

  • 麦の穂の一粒剥きて頷ける

    杉尾芭蕉

  • 歩く子どもの道はるか麦の上

    中村 聴波

  • 疾く還らん妻子待ち侘ぶ麦畑へと

    雀居 のびる

  • 麦の車窓十五年目のUターン

    瀬央ありさ

  • ブロッケン微かに揺れる麦の禾

    成瀬 朽木

  • 麦ざささ高校デビュー仕損じぬ

    星井でで

  • ウォーリーを探せ見つけて麦畑

    星影りこ

  • 麦の穂や不滅の法灯の如し

    星醒

  • 往還道刻む標に触る穂麦

    星田羽沖

  • カルデラをトロッコ列車麦の波

    星埜黴円

  • 子が子らを運ぶリヤカー麦の波

    晴田そわか

  • 休む子のパン抱へるや麦の道

    くろけん

  • 麦の中貸切りバスの吐き出され

    広島立葵

  • こしよこしよとないしよのはなしむぎにかぜ

    正念亭若知古

  • ラジオより異国の言語麦の波

    清松藍

  • 手のひらで芒つんつんや麦笑う

    清水ちぐさ

  • 花柄のゴム袖服の麦に立つ

    清水里羊

  • 麦の穂や一直線のいなか道

    清鱒

  • 歓声に沸くスタジアム麦の上

    生季音

  • 見上げれば太閤の城麦熟れる

    生田久孫子

  • 麦の穂や五臓に熱の芯太し

    やまもと葉美

  • 古伊万里の重き袋や濡つ麦

    西瓜頭

  • 麦のなか背丈の高い闖入者

    西村典まん

  • 麦は風かぜはひかりの欠片かな

    楽花生

  • 麦畑地球傾ぐや風波紋

    盛堂恒子

  • 窓一面の麦オーベルジュの朝

    西町彰子

  • ライオンの潜むかに麦逆立てり

    西田月旦

  • 靴下の足空へ立て風と麦

    西田武

  • 麦揺るる遠く天平人の声

    西乃冬雅

  • じゃんけんぽん鞄持ち合う麦の道

    西乃羊雲

  • 風の来てチクンチクンと麦の波

    西野桃果

  • 麦の穂や風がなぞらふ大和文字

    西野和香

  • 図書館で伏せた机に麦の香

    青海波

  • 麦計る鉄の含有量も豊か

    青山央

  • 天秤へナイルの風や麦熟るゝ

    青野すみれ

  • 麦畑足首太き嫁もらふ

    青野遊飛(蚊帳の中)

  • のぎつんつんはっぱぐんぐん麦ふふふ

    斉藤百女

  • 最古でも最後でもなき麦の波

    石井一草

  • 父の夢見ていた麦が揺れている

    石原しょう

  • 麦の穂の矢羽根のごとく耀へり

    石原清司

  • したためる声無き声や麦の波

    石川穴空

  • 麦なびく荷待ちトラック休みをり

    石塚壜太呂

  • 麦熟れて片手ずつ弾く黄バイエル

    石田将仁

  • 麦の波これは国内線じゃない

    石本コアラ

  • ぽつねんと内部へ潜り麦波濤

    積 緋露雪

  • ドローンの麦の地平の迫り来る

    千・いつき組広ブロ俳句部

  • 麦眩しスケッチブックは縦にして

    千の葉

  • ベビーカー押す手繋ぐ手麦の空

    千寿 ココ

  • 戦場の麦生明るしピアノ鳴る

    千葉水路

  • 麦かじる黄金の明滅眼下にし

    千葉転石

  • 麦の波ポニーテール追いかけて

    千葉睦女

  • 石鎚を浮かべさやさや麦の波

    川口里山

  • 回覧板お隣さんは麦の中

    川崎ルル

  • 暁光に広大無辺ゲンの麦

    川端こうせゐ

  • 麦の髭波打つ胸と鳥肌と

    川辺世界遺産の居候

  • 麦の穂の熟れる速さや漕ぐペダル

    川蜷

  • 倒れるな麦真っ直ぐに真っ直ぐに

    泉吉桃宝

  • 孫の焼くシューは歪や麦熟るる

    浅紫 泉

  • 村興しのマルシェしゃわしゃわと鳴る麦

    染井 亀野

  • おもふさま風のうまれし麦穂かな

    前原鶏頭

  • 声変わりする子の寡黙麦穂立つ

    前田いろは

  • 麦の穂も気ままに揺れる風まかせ

    早坂 一周

  • 神々し出雲の国の麦畑

    早川 さき子

  • 麦のひげ揺れて毛虫の海のごと

    相沢 薫

  • 麦畑給食食べたと吾子の嘘

    大月 銀

  • 雲間より麦のうねりの祖国かな

    蒼空蒼子

  • 麦なびく俺のエラーで負けた帰路

    ちょくる

  • 麦畑を過ぎて高速入口へ

    増山銀桜

  • 麦の波白鳳太鼓響きけり

    蔵書室主人

  • 免停の椅子の乱れず麦騒ぐ

    村岡花風

  • 北の地の東西南北麦穂波

    村上継鳥

  • 麦の穂のアンテナ全部宇宙向き

    村上秀造

  • 麦熟れて小雨を空へ突き返す

    大岩摩利

  • 麦熟るる活断層は息をする

    鷹渡颯子

  • 御挨拶だけの出張麦畑

    大黒とむとむ

  • 麦うねる糸杉うねる宙うねる

    大本 武

  • 夕方の細い道より麦の波

    大野美波

  • 三度目の嚏スウェットに麦の穂

    滝上 珠加

  • 麦やじき能登の亀裂田の一帯

    沢胡桃

  • 麦の穂やじやらせど野良猫三歩先

    大澤雷坊

  • 麦の穂の満帆豊かに風に乗り

    滝美音

  • 東雲に劔の稜線麦の波

    雑魚寝

  • 麦の波脳を走って耳起こす

    只野黙念

  • 葉擦れ音向き定まらぬ麦の波

    谷 道悦

  • 天国へ歩く人たち麦畑

    辰巳電柱

  • 遥かなる乾きの記憶麦黄なり

    谷 斜六

  • 地震過ぎし麦の揺れのみ残りけり

    淡海 なおあき

  • 太陽へとどけ縦笛麦畑

    谷本均

  • 麦光る鎮痛薬は心に効かぬ

    鱈 瑞々

  • 節くれる掌の黙々と麦熟るる

    智 幸子

  • ランナーの呼吸に麦の熟れてをり

    蜘蛛野澄香

  • 麦熟るる農夫ほのかに酒臭し

    中原柊ニ

  • 麦の穂の長き濃き髭丘に揺る

    宏楽

  • 麦ゆれる対蹠点の風やらん

    竹中瓢堂

  • さわさわと風を象る麦の波

    竹田むべ

  • 水の音麦の見下ろす田のありて

    竹内ユキ

  • 風吹いて麦笑わせて熟れさせて

    中村すじこ

  • 小用を足す子の背なへ麦の波

    中井無心

  • ジパングの黄金を麦の揃ひ立つ

    中村葉季

  • 大空をことほぐやうに麦熟るる

    中島 紺

  • 麦畑預けられたる母の里

    中村笙平

  • 麦が掻く夕日の起毛麦を掻く

    中島 真珠

  • 麦の表層薄ら笑いの寄る辺

    柑青夕理

  • 麦透かしエンジン音と石油の香

    松和幸太郎

  • 国東の句会ライブや麦熟るる

    中島尚之

  • さやぎ寄すかぐはしき野や麦の果て

    山田季聴

  • 小さきは麦に隠れて逃げ回り

    中島雪嶺

  • 麦の穂の燦々として島の風

    猪子石ニンニン

  • 我に手は二本もありて麦畑

    猪倉さえこ

  • 麦よ打て風舞上げて吾の頬

    中島裕貴

  • 麦熟れてトランク一つの露天商

    中尾鎖骨

  • 古の麦にひそむや五芒星

    町神

  • 新車かな遠回りして麦の路

    蔵豊政

  • 尖る月麦一本の揺れもせず

    長岡美衣珠

  • 雑談のネタは明日へ麦の波

    鳥田政宗

  • 麦の田の風どんと寝て起きた痕

    潮湖島

  • うは風は帆の運指麦畑

    Taxi Drivers Union Social Club

  • 満天の星掴む吾子麦の穂よ

    塚本隆二

  • ぎゆぎゆと麦のきしめき生きんとす

    辻本四季鳥

  • 書いて消すエントリーシート麦熟れる

    椿泰文

  • 麦の道「すまぬすまぬ」と背の声

    はっとりじいじ

  • 研修所発つ若きスーツや麦の波

    坪山紘士

  • 在米や畜犬のむぎ麦を往く

    帝釈鴫

  • 麦の穂に衝かれて空の揺らぎをり

    庭野環石

  • 大地を射る麦は矢尻を上にして

    鶴屋桃福

  • 麦の波スクランブルは点滅中

    鶴富士

  • 言い草よ麦の生死に金貨降る

    鶴舞櫻山

  • まつさきに麦の指揮棒ランドセル

    あさのとびら

  • 麦照らし蒸気機関車現れぬ

    汀望人

  • 晩年の極貧笑ふ麦畑

    哲庵

  • 麦光る2等列車に物乞い来

    徹光よし季

  • ほわほわと熟るる麦転作の麦

    田村 宗貞

  • スピカよりこぼれて麦のやわき金

    天宮ほたて

  • 分校のマラソン独走麦の波

    田口大寒六

  • 少年の大志のごとき麦の禾

    田上南郷

  • 電鉄がいちめん麦の畑を割く

    田村利平

  • 麦の穂の日本の風を受けてゐる

    田辺富士雄

  • 色褪せの身代り申や麦畑

    田中みどり

  • アフガンや一粒の麦地に落ちて

    田邉真舟

  • 影なくしゴッホの日輪揺らぐ麦

    田中一升

  • 麦すくすくと久々に会う甥のごと

    田中紺青

  • 折り紙のメダルを首に麦は穂に

    杜まお実

  • ウチマゴソトマゴどちらでも良し麦育つ

    田中麦

  • 有頂天になれないままに麦の波

    渡延 音珂

  • チャリンコを追い抜く電車麦の波

    田畑 整

  • 麦の穂や元気ですかと雲に聞く

    登盛満

  • 麦の穂や星を幾億撞かむとす

    都築減斎

  • 麦よ麦火星に土のあると云ふ

    晩乃

  • 麦光る息子昇進報せに来

    土井あくび

  • 花束を捨てし帰りの麦畑

    土井あつあげ

  • 麦の波越えて貴方のいる方へ

    大

  • 麦立ちて嬰児の髪のふんわりと

    冬の土の子

  • 「たかいたかい」嬰と穂麦は空の中

    島 桜

  • 車押す老一行や麦熟るる

    島田ポン吉

  • 麦豊かお前の憂い捨てて征け

    島紡衣

  • 錆びの浮く麦の香踊る観覧車

    桃姫

  • 子と子らの蠱毒麦の中で殴る

    東沖和季

  • 硝煙や麦ざりざりと空を掻く

    桃園ユキチ

  • 宇宙見上げ麦の広がる星選び

    藤 えま

  • 星の子の隠れてゐるや麦畑

    赤尾てるぐ

  • 麦燦々弘法たどる食半ば

    豆はな

  • 穂に残る麦一粒に矜持あり

    藤 無南

  • 芒持てる麦のさざめき指の傷

    藤井かすみそう

  • きみのへたな口笛麦天へ伸ぶ

    夏雨ちや

  • 吃音の吾子と泳ぐや麦の波

    藤永桂月

  • 麦の穂に夕日傾きやがて消え

    藤田好山

  • 親元を離れて暮らす麦を手に

    豆柴

  • 雨上がり草かとまがふ若き麦

    道草幸

  • 麦ぞ知る草の根叩きし片靴を

    道草ぞうり

  • 工廠の址を静けき麦穂かな

    内藤羊皐

  • 熟れ麦や水平線は銀を帯び

    空地ヶ有

  • 麦の穂や幸という字を走り書き

    独楽

  • 洋凧切れる終着点は麦の駅

    奈良の真

  • つかまえてくれた恩師や並ぶ麦

    内木場 拓庵

  • ふる里や海に傾るる麦畑

    そうま純香

  • 夕陽受け風にうなずく麦畑

    甘泉

  • 麦揺るる星の王子の降り立ちぬ

    縄田ゆみこ

  • 燕麦波打ちぬ轟音過ぎゆく

    南波舟

  • 麦伸びる言語の産まれない世界

    二重格子

  • 麦の穂や辞儀深々と古里の人

    はなだ杢

  • 麦の穂や靴紐ほどけ土匂ふ

    影夢者亜

  • 振り向いた君の笑顔に麦の照り

    日暮ひぐらし

  • サッチモのラッパは戦ぐ麦畑

    虎有子

  • 退屈で風吹くばかり麦畑

    二丁目

  • 天を突く麦穂の搖るる一万年

    日の峰祥雲

  • 薄々と手放さぬ夢麦熟るる

    如月ドロップ

  • 山腹の夕陽とどまる麦の波

    如月ゆみこ

  • 九十九折り抜け出てゆるむ麦畑

    猫辻みいにゃん

  • 手のひらは少し湿りて柔く麦

    猫ふぐ

  • 他人事のような戦争むぎばたけ

    乃の

  • 風いまだカンバスの中麦熟るる

    乃咲カヌレ

  • 反骨の父に供えし麦穂束

    猫吉花太郎

  • 言いわけは風に飛ばして麦の波

    猫塚れおん

  • 継がされた麦の穂をいま撫でていた

    波多露音

  • ヴァイオリン奏でゐるなり麦の海

    波世 遠(はせとほし)黒麹 糀改め

  • 麦の穂の凛々しく立ちて星を射る

    聞岳

  • 故郷や駅に触るるか麦の波

    俳句川棒人間

  • 星空に濯がれてをり麦の波

    彫刻刀

  • 麦さわぐ己がよはひは父を超へ

    梅朶こいぬ

  • 門の脇ひろがるはたけ麦ひかる

    馬門宗太

  • Uターンの光の車列麦の波

    白山一花

  • 戦場はおほかた瓦礫麦は風

    白神ハムサンド

  • 麦たわわガソリンスタンド閉業日

    白石美月

  • 麦煙る彷徨う喉に神楽坂

    白汀子

  • 日輪や麦かはきゆく音の微か

    白猫のあくび

  • 麦生きる地球の青のあの辺り

    八田昌代

  • 古伊万里の呉須のまことや麦の朝

    畑中幸利

  • 口笛を吹けば応ふる麦の波

    比良山

  • 君に願う麦のこちらになびくよう

    八幡 豊

  • お向かひは麦の畑の二枚先

    筏へいじ

  • 麦の禾大和をとめの胸乳より

    樋口滑瓢

  • 麦実る地軸傾くほど光る

    繁茂おじ

  • 麦の波ドクターイエロー突っ切りぬ

    琵琶湖のおばさん

  • 熟麦の天地に襟正しをり

    美竹花蘭

  • 風除けし株間の大麦並ぶ槍

    美津うつわ

  • 億年の星に麦の名麦の波

    香壺

  • 土の香の麦に沸点かさかさと

    匹田小春花

  • 飛行機の影麦に軍隊の記憶

    花屋英利

  • 一粒の麦を偲んで顕彰碑

    美濃仙人

  • 麦茫漠たるや空あをくあをく

    百瀬はな

  • 麦の穂や下校路の手話賑やかに

    品川雅史

  • フォーク派かそれとも箸か麦畑

    草野立青

  • 新しき出会ひの予感麦熟るる

    美穂・広ブロ俳句部

  • 麦熟るや農場行きのバスは待つ

    柊

  • 麦波へ彼女消え去りあと識らず

    榊昭広

  • 麦の穂や影の先まで日の満ちて

    富山の露玉

  • 麦の穂を追ふペルシヤ猫夕茜

    武 志望

  • 麦畑で風・雷神の密会

    武司

  • 晴れたならどこへ行こうか麦の波

    武藤あきみ

  • 迷いつつ戦ぐ青年麦の芒

    舞矢愛

  • そして二人麦を掻き分け掻き分けて

    雨森 茂喜

  • 廃校の校歌を遺す麦畑

    赤馬福助

  • 鎧など隠してしまへ麦の穂よ

    風花美絵

  • 夕暮れにイーゼル立てる麦の海

    風間 燈華

  • スケッチや今日筑豊の麦畑

    風虎

  • 三輪山と麦や万葉まほろば線

    織部なつめ

  • 燻銀なんてまつぴら麦の芒

    風待ラテ

  • 麦の声聞かむや麦の穂をこする

    風かおる

  • 麦の穂の靡ける先は火葬場

    風の鳥

  • 故郷は光のるつぼ麦熟るる

    伏見丹耶

  • 麦の穂やポニー乗り場の長き列

    風の木原

  • 断ち切れぬひとへの想い麦に問う

    服部鉛筆

  • 麦の穂はちくちく風は痛かろう

    平野のらり

  • 麦の穂や軍服の父青き笑み

    福原あさひ

  • ゴルフ焼けの新婦還暦麦光る

    平野水麦

  • 麦畑太陽までも染めにけり

    福山くるみ

  • 犬の尾のきつぱりとして麦光る

    文乃倉

  • 麦の穂の芒のイヂワル通学路

    平田暮路伊

  • 麦死なず飢えよ渇えよ荒廃よ

    房総とらママ

  • 一握りの麦よ平和の香を放つ

    小倉あんこ

  • 漣は風のかたちよ穗麦波

    峰泉しょうこ

  • 麦の穂にロックンロール流す父

    望月ゆう

  • 麦の波訛り軽やかいとこ会

    北伯和鈴

  • 中州さらりただある麦や眺めゐる

    北山鳥

  • 麦の穂や日誌に遺る開拓史

    北村 環

  • 麦の波一点凝視風停まる

    北美三風

  • 風の中の気球は無音麦ばたけ

    北村 崇雄

  • 麦見るや燃ゆる想ひは未だ醒めず

    北乃薫衣草

  • 乾びたる馬車の轍や麦の波

    北野小町

  • 麦の穂や布巾の籠は矢羽根編み

    睦月くらげ

  • たそかれの麦渡る風根の国へ

    小川さゆみ

  • 麦熟るる大地に砲火絶えずとも

    堀雅一

  • 湘南の北部になびく麦の波

    本山流奈

  • 機首下がるパッチワークの穂麦へと

    堀邦翔

  • 午後の風自転車坂道麦光る

    本久優千

  • 駆け抜ける風神の足麦光る

    巳智みちる

  • おひさまに乞ふかたちして麦の穂は

    本村なつみ

  • 点描の鼻ぢ滴たり麦の波

    岬野槐樹

  • 逆光に透けおり麦の明日を向く

    麻Y音

  • 一粒に何人住まふ麦の神

    妙

  • 麦と水光で綴る城下町

    眠 睡花

  • 麦爛々鳶はいよいよ帆翔す

    麻中蓬子

  • 払暁のしづけさ麦のしなやかさ

    霧賀内蔵

  • 麦の穂や剣山のこと母のこと

    万葉剣

  • 銃創も指紋も掠れ麦の波

    慢鱚

  • 麦の芒後光めくかな風鳴り始む

    満嶋ハト

  • 麦畑ぼくには帰る家がある

    渡邉 俊

  • 麦の穂やこどもの嘘の折れ易し

    明智明秀

  • こちらは麦ポールスター応答せよ

    霧 澄渡

  • 軽トラの穂麦重心失ひて

    明日ぱらこ

  • 畝の向きとりどり麦の金とりどり

    木ぼこやしき

  • 麦の穂や農婦は深く腰を折り

    木下風民

  • 経塚へ風を濾過する麦の波

    木公男8888

  • 明日知らず夕陽に燥ぐ麦畑

    木村ひむか

  • 絵本から抜け出るパン屋麦熟るる

    木寺仙游

  • 麦の穂の風をいなすや己が影

    木村カズ

  • 深く吸い大きく吐いて麦の波

    木村深夜

  • 麦よ母よ折れずにのびてのびて天

    馬風木瓜子

  • 町たんけんの地図をぐるぐる麦熟れる

    木村弩凡

  • 独りでに走つてしまふ麦の波

    餅入桜

  • 改札を抜けて青空麦畑

    夜寺耕太

  • 麦畑ドラマティックなこと起これ

    久森ぎんう

  • 天目指す魂のあお麦穂かな

    桂葉子

  • 教卓に一束の麦置かれあり

    也和

  • 風集ふ鬼の領地の麦畑

    野のはな

  • 麦揺れて四時のサイレン鳴り渡る

    野原りん

  • 断食の修道士らや麦熟れて

    野ばら

  • 深呼吸せずにゐられぬ麦の波

    野口日記

  • 直向きが痛くもありて麦の頃

    野中余花

  • 先輩の打球は麦の波に消え

    野州てんまり

  • 逆風に麦の穂しかとふんばりぬ

    野瀬藻石子

  • 葬列にざわめく麦も鎮まりぬ

    広島あーやあーや

  • 太平洋の風に馴染みて麦畑

    野々原ラピ

  • 始まりは肥沃の大地麦光る

    裕月 遥

  • いち早く熟れて黄をなす麦の意地

    津軽ちゃう

  • 逆ひてやがて諾ふ穂麦かな

    夕まだき

  • 唇にひとつ麦穗のツーリング

    宥光

  • 麦の背の山並み遠し登山道

    祐 紀杏里

  • 背割れした六法全書麦熟るる

    松田迷泉

  • 麦熟れて音にも角のありにけり

    余田酒梨

  • 直立の黄の方寸の麦畑

    羊似妃

  • 大津波襲いし跡や麦畑

    津軽まつ

  • 母の背の丸みに沿うて麦の波

    葉亜人

  • 金髪のヒッチハイカー麦畑

    陽光樹

  • 麦の香や単線駅のパリジェンヌ

    葉月庵郁斗

  • 麦の穂の動く風見る散歩かな

    葉多豊

  • 麦の波腕に子犬のしがみつく

    松本厚史

  • 揺ぎ無く明日収穫の麦眠る

    落句言

  • 四万十や麦に横たうくろしお線

    立町力ニ

  • 抗がん剤治療二日目麦へ風

    藍創千悠子

  • 芯強き南部の女麦たわわ

    篠田ピンク

  • ヒロシマのゲンに教わる麦のこと

    紗藍 愛

  • 水を呼ぶ星出でて麦人を呼ぶ

    立田鯊夢

  • 麦は黄に残る大会あと二つ

    林 うんべらーた

  • ブランドでかためし婆あば麦の波

    林 和寿

  • 麦の波琥珀に閉じた在りし日を

    大和杜

  • 白日や麦に翼を授けては

    紅紫あやめ

  • 歩いても歩いても麦腹が鳴る

    種種番外

  • 北の地の麦や大地を海にする

    風花まゆみ

  • 貧に困に愛されフィンセントの麦畑

    林りんりん。

  • 田舎道麦が穂を振り風起こす

    林口竹

  • 燦々や珊瑚の島の麦の海

    林廉子

  • 十五の髪サラサラ麦走り抜け

    隣野つるばら

  • 麦の空逆光の鳶音もなく

    白井和玄

  • 麦の穂や描けばすべて空の下

    小川しめじ

  • 麦描く陽濃くとけこむ黄でよいか

    浪松新子

  • 麦美し古のメソポタミア

    瑠璃

  • 麦の丘やロケットの音過ぎゆけり

    和澄永

  • 麦の穂や黒きソーラーパネル増ゆ

    和田宏泉

  • 彗星よ麦の穂先は天めざし

    嶺乃森夜亜舎

  • ぬるるるとこの世に生まれ麦熟るる

    吽田のう

  • 麦熟れて山よりをりる獣道

    國本秀山

  • 逆光の麦やわらかし米所

    恋瀬川三緒

  • 薄闇へ麦の波ざざ喪の報せ

    棗椰子(なつめやし)

  • 夢破れふるさとふるさと麦稔る

    蓮井理久

  • 日輪や麦より低き人間よ

    露口全速

  • 麦の芒光と青を拾ひけり

    欅学堂

  • 畝の麦黒鼻吐息のぎ揺れる

    朧月 幸乃丞

  • 麦の穂に刺されて泳ぐ麦の海

    朶美子(えみこ)

  • 返礼品持たぬ我が町麦熟るゝ

    栞虫かじり

  • 掌を過ぐる風あり麦ひかる

    淺野紫桜

  • 麦よ麦よ丘撫でおろす風新た

    梵庸子

  • 豊穣の麦母神の御子なれば

    澤木樹心

  • 明るさに馴染めぬ麦と公電と

    濱野 五時

  • 風に揺れ麦笑い合う笑い合う

    眞さ野

  • 追憶の我の白無垢麦の畑

    眞由美

  • 麦光やにほひは束となりて来る

    齋藤満月

  • 全力を出さねば穂麦とはなれぬ

    三河三可

  • すみません踏まれた麦になれなくて

    笙湖

  • 麦や麦熟れて夕陽の海となり

    蜥蜴の尻尾

  • 鈍色のソーラーパネル金の麦

    糺ノ森柊

  • 夜警出る車が照らす白き麦

    諫鼓苔深

  • 麦の波ペットボトルの蓋探す

    釋愚拙

  • オカリナの土の唄声麦の波

    翡翠

  • 肩書の改まる日や麦熟れり

    槇原九月

  • 英霊も寄りぬ加奈陀の麦畑

    咖喱亭 章之輔

  • 腕組みの少女の像や麦へ風

    亜桜みかり

  • プロポーズらしきものなし麦熟るる

    老人日記

  • 被災十五年避難区域に麦たわわ

    原島ちび助

  • 麦よ麦実りの時期は違うもの

    入道 まりこ

  • 麦畑こえて金毘羅歌舞伎みにゆくの

    白蝶

  • 禾立てて意思ある如く麦畑

    山川土時

  • 麦の穂や光の芯の入射角

    幸田梓弓

  • 優しさは麦の穂渡すときの向き

    あたなごっち

  • 麦畑水平線が高すぎる

    毬雨水佳

  • 黄金のハックルベリー・フィンの麦

    ピコリス

  • 大風や揺れる麦あり揺れぬあり

    無花果邪無

  • 麦熟るゝ家郷を出でし長子かな

    渡辺宵雨

  • 聖人の後光の色に熟るる麦

    平良嘉列乙

  • 影明く芒またあらはるるや麦

    男鹿中熊兎

  • 竜の子の伸びやかな尾や裸麦

    今田さや香

  • 似通へり神様のいろ麦のいろ

    高遠みかみ

  • 十代のカセットテープ麦の波

    ときめき人

  • 午後の光来た道は麦の中

    川屋水仙

  • 予讃線傾ぐカーブや麦畑

    井上れんげ

  • 風を撮る旅に誘いし今日の麦

    雨水 二三乃

  • 麦揺れるカラマーゾフに挿す栞

    坂本 羊雲

  • 音読の背筋まつすぐ麦熟るる

    青居 舞

  • 麦熟るるその一画にある墓標

    永井無々

  • 阪神の応援多し麦の波

    森五輪

  • 渦巻きて飛びたつことり折れし麦

    朋部 琉

  • 教会の鐘鳴る夕べ麦の波

    武田ラーラ

  • 息子にも初恋来たり麦の波

    甘えび

  • 麦挿せば風の名付けも思ふまま

    井上 素

  • 麦が鳴く帰ってきてくれてうれしい

    里 山子

  • 麦の穂や水一杯をありがたく

    アーモンドよーせい

  • 数式は机に伏せて風の麦

    人見直樹

  • 麦の野を貨物列車の裂く夜明け

    二城ひかる

  • 青空を突き刺す麦の底力

    鈴白菜実

  • 太陽に好かれし麦を抱へをり

    満る

  • 眠るごと手に擦り寄りて麦たわわ

    光峯霏々

  • 麦の穂や司馬遷夢を諦めず

    大谷 走郎

  • 護送車の緩きカーブや熟るる麦

    大岡秋

  • 銃弾の麦を貫く国ありて

    桐山はなもも

  • 不耕起初年草に埋もれる麦ら

    飛来 英

  • 通学路以外の道を友と麦

    凪ゆみこ

  • ふる里の麦に呼ばれてバスに乗る

    吉田春代

  • 麦の穂や独り立ちする子にエール

    咲 まこ

  • 麦の風讃岐は父の出兵地

    春海のたり

  • 麦一粒ハリーポッター読み聞かす

    沢野鬼ぐるみ

  • 風の過ぐ麦は撓ひてまた真直ぐ

    ドナウ絵蓮

  • たて笛に体をゆらす麦穂かな

    若葉 尚

  • 麦の色なんの迷いもない黄金

    窪田ゆふ

  • 麦の波空をトトロが飛ぶような

    真咲よしの

  • さわさわと穂麦の鳴るや合戦場跡

    とんぼ

  • 麦畑車上下のうねり道

    村雨藍

  • 文明の滅びた星の麦の波

    野点さわ

  • 観劇はお初むらさき麦奇抜

    弘法小子

  • 納骨や光を受けて麦揺れる

    村上薫

  • 麦揺るるグラブの跳ねるチャリのカゴ

    広湧大和

  • 麦立つや過ぎ去る風の最後尾

    おこそとの

  • 暁光や砂丘の麦のささらめく

    虹博筋

  • 指の追う手術の痕や麦の波

    栗原生石子

  • 麦揺れてカムパネルラが横にゐて

    多事

  • 麦畑日差し傾き陣を成す

    内山清白

  • 歌声は上昇気流麦穂波

    村上熊子

  • 彼の地には今も波、波、麦の波

    むい美縁

  • 明るき風や隣の麦はおしゃべりで

    どくだみ茶

  • 妊娠を知らせる友と麦畑

    まつおえりか

  • 転作の田の五六枚麦畑

    秋葉 翠

  • 麦の穂や光集めて広がりぬ

    渡邉花

  • 麦ゆれて司令塔たる風見鶏

    蜜がけまやこ

  • 熟れ麦の香のそこはかと寺巡り

    石塚碧葉

  • 話すんじゃなかったママに麦つんつん

    古都 鈴

  • 突き進む亀の行く手に麦の壁

    宮澤博

  • 麦を超え電柵を超え鳥の二羽

    井田みち

  • 成功の逆は諦め麦育つ

    中島走吟

  • 麦が皆ぎゅうとがしりと立つ畑

    瀬戸 岬

  • クリムトの描く筆先麦熟るる

    蓮田つばき

  • 麦の穂は光りしなの鉄道ゆく

    風薫子

  • てのひらに乾きを残す麦の芒

    松崎重三郎

  • 減反の齟齬憂ひつつ麦は熟せり

    飯沼深生

  • 物語はじまりそうな星と麦

    松坂 コウ

  • 麦一粒幾つの神が宿るのか

    山川道樂齋

  • 麦の穂や下校の畔の影送り

    浅井カバ先生

  • 新月や願いをひとつ麦そよぐ

    雨李

  • 車のヘッドライト麦畝る先

    北爪いく葉

  • 飛び込めば小舟とならむ麦の波

    青葡萄

  • 麦傾ぐ風の歪みを写すかに

    西川由野

  • 麦震う一塁側の応援歌

    山城道霞

  • 東海の麦はみじかく立ってゐる

    ウロ

  • 麦の波クバウのめぐみ世の温み

    帷子川ソラ

  • 麦熟るる島の名物地獄炊

    春よ来い

  • 文字多き開田の碑や麦実る

    岡田雅喜

  • 麦畑分け入って息追想す

    東雲 文丹

  • ドクターに恋した脈拍麦の波

    笹イボ太郎女

  • 縁側に麦の匂いのするミシン

    鳥羽南良

  • セイレーンの歌の引き寄す麦の波

    鈴木来穂

  • 空よ麦に刺される心地はどうだ

    かぼちゃなすび

  • 直角に曲がる麦の穂刈られたし

    笑笑うさぎ

  • 大声で歌う二輪や麦の夜

    綿鍋雪

  • 麦の穂や西へまつすぐ一本道

    いこん

  • 麦の波五体投地のするるるる

    えいぎょ

  • 麦の穂の匍匐前進拒みけり

    菊池克己

  • 麦の死やゴッホの夜に厚くをり

    平山仄海

  • 麦の波投げた飛行機またふわり

    岸壁の龍崎爺

  • 麦の波追い抜く昼の営業車

    洒落神戸

  • 唐箕がけ麦の穂軸は輝けり

    ぜのふるうと

  • 麦の丘へあまたの風の道ひらく

    ペトロア

  • 古妻のご機嫌取れず麦熟す

    加藤多作

  • 麦畑太陽まるつと平らげる

    黒子

  • 土地守るための結婚麦揺れる

    月枝いと

  • 嬶天下の地に刺々しや麦

    服部勝枝

  • 子を抱きて父の影追う麦の道

    みなづき光緒

  • 大麦や活けて一刻姿勢よく

    香山リカ

  • 靴音は帰宅部員の麦畑

    八光地蔵

  • 比売神を祀る社や麦は穂に

    中根由起子

  • 青空は無垢なるいのち麦熟るる

    月下檸檬

  • 山裾をくすぐるやうに麦の畑

    高永 摺墨

  • 麦眩しその明るさの辛いだけ

    冨川ニコ

  • 麦一つこぼれて麦のものがたり

    一日一笑

  • 麦熟るるウルや新造ガレー船

    音羽凜

  • 麦の波単線に沿ひ古墳群

    茂木りん

  • 大麦の粒の弾ける日和かな

    文室七星

  • 麦熟れて村の明るさ広めけり

    そめやまさみ

  • ソーラーと空を分け合ふ麦畑

    春野ぷりん

  • 麦と麦りりりと擦れてひかりをり

    万里の森

  • 讃岐暮るる音逆光の麦の芒

    みつれしづく

  • グルテンの麦の戦略賛美せよ

    板橋とをし

  • 麦畑送電線の果ては首都

    青山椒魚

  • 赤城山ふもとの麦の色溺る

    篠雪

  • 麦の穂の笑う風ありケセラセラ

    猫またぎ 早弓

  • 半ドンの水筒鳴るや麦鳴るや

    青空まる

  • 集落のだれもおほらか麦の波

    伊藤恵美

  • 麦の波地球の身震い伝へて

    むじーじ

  • 麦畑歩く人しか来ない昼

    さいたま水夢

  • 熟しゆく銀の麦の穂風の撫で

    佐久凡太郎

  • 麦一本カナブン色の瓶に挿す

    宮内みゃあ~~~

  • なあ麦よ何が不満の怒髪天

    唯野音景楽

  • すくと立つ背筋力の強き麦

    白山おこ女

  • 漆喰と麦一束とサリンジャー

    三つ葉躑躅

  • 雨雲が来るくるぞと麦の波

    まきうち祐

  • 眩しさに雲忙しなり麦畑

    桐山榮路村

  • 助手席は母さんの席麦畑

    上田ぽめ

  • 母屋まで麦の穂波の音通ふ

    沼宮内 かほる

  • 手にグラスたゆとう波や麦畑

    わたり 和

  • 麦畑靡くも吾も撮りたい夫

    加納仁桜

  • 軽トラの勇ましき音麦笑ふ

    さとうやすし

  • 飼い犬は頻りに吠える麦ののぎ

    あねもねワンヲ

  • 麦のひげピカタカムイに遊ばるる

    帝菜

  • テニス部の朝練急ぐ麦の波

    諸塚凡志

  • 麦の波浄土の夫の手招きか

    中村あつこ

  • 金色に禾張り詰めて麦実る

    あたしは斜楽

  • あの日あの時たしかに麦の記憶

    小木さん

  • 第一子産まるる朝や麦熟るる

    小山 晃

  • 麦の穂や農高生の数少な

    能研ショテカ

  • 着信は空耳麦は熟れにけり

    和住 緋弧

  • 逆転の強き絆や麦熟るる

    松浦美紅

  • 子のいない我も一茎麦に告ぐ

    白井半月

  • 空重し麦はうねりて風を漕ぐ

    白井佐登志

  • 積分の光詰め込み麦重し

    川西 青舟

  • 一面の波打つ麦よ小さき吾よ

    浅井ねむり

  • 悪戯に麦の穂一つ兄の背に

    豊岡重翁

  • 衣着むや否や麦の波の果て

    江良 中

  • ほしぼしの遥かな放射麦の芒

    茗乃壱

  • 変異告ぐ渦中の麦やうねりまう

    えみまる

  • 麦の穂の芒や優しき風を生み

    大関 邦友

  • 千萬の凡句ぞ麦畑眩し

    花亭五味

  • 麦の穂や夫とハモりし就航歌

    宇田女deノエル

  • 外は麦退院までの八日間

    川彩明

  • 麦の穂や九ちやんの唄そのままに

    風間 爺句

  • 二列だけ麦を植えたり子供園

    かとしん

  • 麦熟れて近江明るく広げをり

    林真紗湖

  • 飛行雲麦の歴史は古代から

    高木美月

  • 天国は知つている場所麦畑

    Mえむ

  • 麦の波どこでもドアはここにある

    あなうさぎ

  • 駅弁の箸の短し麦の波

    茂田野マイ子

  • 雑草のひげ根を叩く土に麦

    キッカワテツヤ

  • 麦畑渡る風聴くキツネあり

    たけひら鞍琵

  • 自転車のコンパスぶるんぶるん麦

    ぞんぬ

  • 麦の穂に梳かれて風は糸になる

    とがりねずみ いくこ

  • パッヘルベルのカノン流るる麦の波

    なかの花梨

  • この地球は麦の惑星なりさて火星

    ニリンギ

  • 信号に停まる前には空と麦

    なか かよ

  • 麦の波終わりの来ないかくれんぼ

    ななかまど

  • 麦熟るる風の電話の呼出し音

    ふみの手帯

  • 何故ここに麦一本の逞しさ

    まりい木ノ芽

  • 麦の波光の髭は龍の髭

    へき さんご

  • 故郷の窓のかたちに麦畑

    へこりん

  • フレームに収まりきらぬ空と麦

    もふ美

  • 島々の先にひらける麦畑

    海沢ひかり

  • 口きかぬ友の背中や麦の道

    白沢ポピー

  • 麦熟れて一口城主われ湖北

    藤本花をり

  • 葉野菜がはみ出るサンド麦の波

    芝歩愛美

  • 弓なりに白めく麦の香苦し

    月絵絵雲

  • 麦の穂の幾重にも揺れ果てぬなり

    のりこうし

  • 麦の波おまじないの効かない日も

    桑島 幹

  • つんつん麦よ悩めるをみなと化す

    柚子こしょう

  • この翳はあの雲のかげ麦畑

    木染湧水

  • ハーレーを停めて聴きをる麦の波

    多々良海月

  • 麦の波トルコ行進曲連弾

    風友

  • 引き続き南半球麦の波

    あさぼらけ

  • 麦の波かすかに見える伊吹島

    れんげ畑

  • 麦実るロンパーぴっちり六ヶ月

    やまだ童子

  • 荒風をいなしあしらふ麦の波

    ゆきなごむ

  • 麦熟るる去勢の習ひなき国に

    みやざき白水

  • 学ランとセーラー服と麦の波

    愛柑いつき組note俳句部

  • 直立で寝ているだらう夜半の麦

    大西秋桜

  • みんな仲良く吾を食えと稔る麦

    希布

  • 愛だ夢だ欺瞞を肥えに麦実る

    橋本 有太津

  • 麦角を探すやつらの分ける麦

    六浦筆の介

  • 泣き言も風に吹かれて麦熟るる

    大 広秋

  • 鳥語学者麦熟るる頃赴任せり

    新濃 健

  • 麦の配列や命の設計図

    永田千春

  • 麦熟るる盃事のととのひて

    町田明哉

  • どこまでも空押し上ぐる麦の穂は

    竹内薺

  • 麦畑朝日と競うさわわさわ

    雅屋少将

  • 麦の野に煙突赤きトムの家

    伊予吟会 宵嵐

  • 窓の麦アラフィフの見習いの日々

    仮名鶫

  • 麦熟るる暖簾いずれも屋号あり

    亀山酔田

  • 麦熟れて二つにしぼる子の名前

    夏草はむ

  • 丘ふたつ越えて汽笛や麦畑

    樫本福助

  • 麦の中風のすぐるを聴くばかり

    菊地静月

  • バイク去り湖風(こふう)にゆるる麦の波

    もりお

  • 麦伸びて中間テスト向けドリル

    ルーミイ

  • 画家の眼を吸ふピペットや麦の芒

    吉田達郎

  • 麦の波金曜の風磨きけり

    久保田A

  • 縦笛を落とし麦の穂波はるか

    丘 なな実

  • 麦畑姉さ被りの母がいた

    橋本諒駿

  • 白き羽の鳥九十九里の麦よ

    銀猫

  • 麦の穂の高さを均す風加減

    金子月人

  • 還暦の遊覧飛行麦の波

    月あか里

  • 麦の穂の芒の長きの孕む空

    さがみ湧水

  • 麦熟るる離島をかこむ波頭

    月影 重郎

  • 麦熟す腰だるき夜の農記録

    原貼女

  • 麦の穂の擦れ合ふ音の乾きをリ

    円美々

  • 拝復の後が続かず麦熟るる

    胡桃ぼたん

  • 麦をみよ靡かふ芒に触れてみよ

    呼幸

  • 望郷や大麦小麦裸麦

    金治宜香

  • 麦の波こいつが俺の母なのか

    安井一徹

  • 夕かげのひと際深く風の麦

    佐藤さらこ

  • 白雲の泡立つごとし麦畑

    くずもち鹿之助

  • 悠久の広ごる麦や真珠星

    荒木響

  • 麦薫る夕日入りこむ轆轤の手

    黒岩牡丹

  • 海に向く光太夫像麦の波

    高尾一叶

  • ご破算の見合い話や麦は熟る

    坂下しわ

  • むすびてもほろり崩るる麦の波

    アツシ

  • 北の地に「別」の字多し麦の波

    佐藤志祐

  • 湘南の麦はしずかにブーランジェ

    おまち 草

  • 麦畑勝手気ままな国境線

    北田立緒

  • 直線の四方へうねる麦の丘

    横山雑煮

  • 金なれど戦ぎの丸き麦の丘

    坂本雪桃

  • 麦の畑「ひかり」車窓の瞬息

    三島ひめばしょう

  • 見渡す麦畑逃げた彼よどこに

    榊裕江子

  • 担任の笑ひのつぼを会得、麦

    津々うらら

  • 今なれば些細な喧嘩麦に風

    絵夢衷子

  • 五穀無常とて我が一穀は麦

    始の子

  • 風よ吹け嵐を越えよ麦光れ

    響け!進太郎

  • 岩鷲山羽振く若鳥麦の波

    篠川 翠

  • 平成と共に麦畑消えし村

    宗平真実

  • 空襲避け逃げ込む記憶麦畑へ

    宗平圭司

  • 戦乱の跡地矢羽のごとく麦

    秋白ネリネ

  • 麦の波段々畑を駆け上がり

    春野たんぽぽ

  • 目細めて爺の見回る麦生かな

    小石日和

  • 一枚は麦満ち満ちてただ黄色

    となりの天然水

  • 麦の穂や芒の怒りが天を衝く

    森一平

  • 麦の穂を渡る風聞く旅寝かな

    ひだ岩魚

  • 麦の波うねる匂いや夕汽船

    吉 や

  • 細腕のダンプの女麦畑

    志村肇

  • 麦の禾風に記憶を縫い留める

    紫水晶

  • 麦の波大宜都比売の息づかい

    新森楓大

  • 麦熟るる研修終へて辞令出づ

    栗山おかか

  • 色褪せし選挙ポスター麦熟るる

    飯村祐知子

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