【佳作】
麦の波ゴム飛行機を放ちたる
土佐藩俳句百姓豊哲
麦豊か記紀は神々よく殺す
堀口房水
国道へまつすぐわれて麦畑
狩谷わぐう
浮雲は空の水母よ麦の波
草夕感じ
聴衆のいない演説麦畑
嶋田奈緒
海は月にしよつぱし麦は星に甘し
桃猫
短絡的と叱られ麦の波見てる
源早苗
百獣の王の咆哮麦の波
圓山みかん
太陽へ最短距離を目指す麦
苺井千恵
舟の如く風よ海の如く麦よ
無弦奏
麦は伸び兄は生きたと言えるのか
東 祐美
地は蒼し麦一閃の裸馬
為参
大麦や粘土の鳥のごと匂ふ
水鏡 新
麦畑風の始点は心かも
馬場めばる
母性とは足枷麦のかわきゆく
錆田水遊
島風や麦の匂ひに牛を引く
島田スパイス
配達の小さき車や麦に波
haruwo
夕風はだれの指笛麦にほふ
げばげば
ゆがむごと麦ゆれをりし風の影
IquedaQuenshi
麦の穂や人に数多の選択肢
あなぐまはる
麦のこゑざらざら母の再婚話
RUSTY=HISOKA
休戦の旗なき土地に麦靡く
あやっぺ
麦の芒刺さるや王位継承権
うえともこ
穂麦は焔ひとをあやむる火に非ず
いかちゃん
麦の香に昨夜の雨の湿りかな
アロイジオ
太陽を貪る麦の穂の微熱
アンサトウ
穂へ止まり鳥いま麦の波と化す
いさな歌鈴
凱旋のショパンに滾り立ちて麦
うた 歌妙
香具山も畝傍も麦のその向こう
豚々舎 休庵
青空にぽつんと気球朝の麦
おのまい
金印の端の欠けたり麦の波
きなこもち
薄明の消失点へ麦の波
ギル
ふるさとは穂麦に溺れ島を出る
きゅうもんde木の芽
盾として風車剣として小麦
ぐでたまご
いくさあるやも麦の穂かなくさし
くちなしの香
糠星の降りたる朝の麦穂かな
くま鶉
白き髭豊かやアーチャの麦畑
じゃすみん
麦の茎がらんどうなる強さかな
ことまと
麦やいま風の粒子になる途中
はぐれ杤餅
賑はひのこども食堂麦熟るる
たけぐち遊子
ちりちりと鳴るああ麦畑だったのか
とんぶりっこ
麦の禾空へと尖る谷戸の晴
たていし 隆松
銅の土銀の雲々金の麦
むらのたんぽぽ
磁気嵐起きたか麦の禾うねる
にゃん
銀糸めく雨は一途に麦の海
ほしのあお
蒼天ヘ火焔土器めく麦穂かな
阿蘇の乙女
麦の海錆びた自転車溺れをり
まるかじり
オルガンはいつもぱふぱふ麦畑
まるちゃんにいさん
マヨルカの海風麦の波となり
安曇 平
麦欠けたそれを望んだ月だった
永倉小椋
大空やマイル標識以外麦
阿部八富利
パピルスの獣神無口麦の波
葦屋蛙城
傷つけず倒さず麦や象の影
丸山美樹
麦や陽に乾かむ風を乾かさむ
岡根今日HEY
始祖鳥の空、鳩の空、地には麦
橘鶫
麦熟るる弛き起伏の試験場
久留里61
旅の荷の聖書一冊麦の波
亀田荒太
麦の穂のあわだつ空のみづはなだ
玉家屋
ふるさとのミレーに描かれたやうな麦
広島じょーかーず
麦の穂や鬼と呼ばれし祖先の碑
月見柑
朽ち果てし石臼の石麦畑
犬井山羊
熟れ麦や風にしづかな火の匂ひ
広木登一
死ににゆくやうに麦から麦へ風
古瀬まさあき
単行列車ゆく困つたやうな麦の色
五味海秀魚
人も水もいいし一面麦ですし
江口朔太郎
星々への献奏として麦の波
幸田柝の音
麦さやぐ踏切の向こうまで麦
高原としなり
麦やナットキングコールのこゑらうらう
坐花酔月
青空を半分借りて麦熟るる
高嶺織人
麦畑の高さハーレーダビッドソン
剛海
国道をぐいぐい空と麦ばかり
佐藤ゆま
船のごと麦のかなたを乳母車
細葉海蘭
太陽の旋回にしなやかな麦
在在空空
大麦の光り疲れて熟れやまず
山本先生
転職の訳は夕日の麦畑
坂野ひでこ
麦熟れてナイルを渡る船へ風
三月兎
麦の穂や尻に種産む神と鳥
山織朱夏
麦穂波果つる彼方に竹生島
児玉ひでき
新品の清洲のお城麦熟るる
桜井教人
ざらららら空より広き麦畑
水きんくⅡ
神社には津波の記録麦の波
信濃のあっくん
吾も遠き人影ならむ麦畑
酔下弦
麦の穂の光束ねて夕まぐれ
森爺
麦千年かたちを変えぬ北斗星
世良日守
パイオンの調べ愈々熟るゝ麦
森脩平
この麦がパンになるまで生きてやろ
青星ふみる
海風の行方を見せて麦の波
清水ぽっぽあっと木の芽
麦の穂や鈴を持ちたる道祖神
成瀬源三
戦争の対義語空と麦畑
青井えのこ
麦一穂切って落とした耳いづこ
石浜西夏
隠田や麦一茎の高く濃く
藻玖珠
実習のあと二週間麦の波
鷹見沢 幸
オラショの島に祈りのごとく麦熟るる
清白真冬
三フランの下宿へ夜の麦のおと
青に桃々(俳句迷子の会)
食パンのやうな幌馬車麦熟るる
川越羽流
牛糞の熱き匂ひや麦へ風
染井つぐみ
麦は父土偶を孕む土は母
多数野麻仁男
神さまが風なら私たちは麦
嶋村らぴ
麦の波あゝわたくしも牝だつた
辻 花和音
痩麦といへども太陽のかをり
沢 唯果
迂回路や麦の揺らぎに溺れさう
谷山みつこ
風だけを刺せよ孕めよ麦の穂よ
竹石猫またぎ
からっぽのゆりかご麦は戦がない
丁鼻トゥエルブ
麦の穂の波を分けてや風の舟
東 湘輝
麦の穂に触れゐる父は父のかほ
坪田恭壱
人間はやはらかき棘麦穂立つ
東山すいか
木の十字架石の十字架麦黄ばむ
爪太郎
ヒロシマや麦に鋼鉄の息吹
東田 一鮎
麦熟れて土偶のまなこ少し開く
天雅
おほぞらへまつすぐ麦といふ発条は
播磨陽子
麦生すぐる天の船影茫茫と
桃山直
マリア像に鉄気の匂ひ麦の村
巴里乃嬬
金星は蟹座へ向かふ麦は穂に
平本魚水
ざんざんと骨太き香よ麦の波
麦のパパ
剣握る手と麦の穂を撫づる手と
武井保一
君の星の麦を一束くれないか
苫野とまや
麦の穂や点でつながる星々と
牧 茉侖
麦の穂のむかう廃墟の修道院
平野芍薬
麦の香や獣は足るを知るといふ
風蘭智子
死火山に微熱麦の穂揺れやまず
碧西里
漸々たる麦わたしは立っていられない
岬ぷるうと
停戦は三十時間麦の波
いずみ令香
しんにようは言の葉の舟麦うねる
満生あをね
腹式のいき吐ききれば麦の波
岬りこ
地平まで麦や置き棄つ街は雨
明月詩悠
ポンペイにパン焼く窯や麦の波
野々村澄夫
野の麦のかく痩せしまま熟しけり
冥王
心など開いてやるか麦に禾
野地垂木
詩に刻むパンとサーカス麦の道
柳絮
乾くことは成熟なるか麦よ吾は
泗水ハオ
麦の香やデグーの知能狂わせる
遊子眼鏡
折り返す気球の影や麦の波
葉村直
麦の芒われら異星の譜を語らん
狷狷亭猩々
大麦の天衝く芒の交はらず
竜胆
麦揺るる中に怒らぬ麦もゐて
亘航希
麦熟れて揺れて心の水不足
眩む凡
母の字のいびつな余白麦乾く
穗積天玲
渇いた大地に麦は歌つてゐるのだらう
靫草子
民の声麦の穂の波起こしたる
芳賀たかこ
家出してきた大麦の波がこわくて
たーとるQ
手のひらはさびしき道具麦熟るる
公木正
名も知らぬ遺影よ麦戦ぐ朝よ
長澤 創次郎
麦畑あのへんつむじなのだろう
染野まさこ
麦畑ポストは鳥の休憩所
海音寺ジョー
神々の恋は複雑麦熟るる
岸来夢
ひん曲がる戦車のむくろ麦の波
仁和田 永
麦畑に風の震央ありにけり
伊藤映雪
太陽の瘢痕白し麦熟るる
常幸龍BCAD
麥の穂のまことに麥の字に似たる
霜川このみ
ぬばたまの夜のふところを麦の息
中山月波
鉄塔と雲の共鳴麦の波
富佐野ほろよい
望郷はなくて異国の麦微熱
椿 佳香
つまらない怒りは粘い麦熟るる
すまいる そら
禾広げ麦はひかりの磁性体
秋津穂 実
熟れ麦やみな微睡める練習馬
樹海ソース
廃線を滑るトロッコ麦の波
沖庭乃剛也
のぎ痛き麦や政権打倒デモ
津島野イリス
壱岐島や遺跡を囲ふ麦畑
本田ぜらちん
麦の穂やキトラ古墳の天文図
むったん
お日様に飲ます針千本は麦
空豆魚
空高く掲げよう一本の麦
野中泰風
土器に麦けふ収穫の麦も麦
さおきち
麦の波押し寄せ寄せて落柿舎へ
村木年子
あかがねのポットスチルや麦熟るる
東京堕天使
熟れ麦の火照りの束にされて立つ
元野おぺら
単独行のごとく父ゆく凪の麦
可笑式
突風に荒ぶる麦のノイズかな
どすこい早川
麦畑の中に錆びたる鉄の塊
藤咲大地
麦は穂に月のひかりを帯電す
天陽ゆう
麦の穂や風の叫びを描く絵筆
青野みやび
早引きの熱麦畑の倍音
紺野あししろ
通信隊跡にトーチカ穂麦立つ
石上あまね
校庭へ運ぶ給食麦の波
藤里玲咲
花束に麦明日よりは無為の日々
刈田陽子
麦は穂に自死が二万の国肥ゆる
柿司 十六
麦熟れる臙脂濃きまで匂うまで
谷町百合乃
産声やひかりを宿す雨後の麦
麦野 光・いつき組広ブロ俳句部
中退の決意や麦の波轟々
Q&A
たひらかと見えて怒濤の麦なりけり
藤白真語
傲慢な麦は空へと落ちたがる
家守らびすけ
賢治の詩麦のひかりの濃かりけり
みづちみわ
麦揺るる少年兵の眼にひかり
きつネつき俳句系Vtuber
麦の禾醒めてさびしき星宿図
七瀬ゆきこ
麦熟れてひかりの底にゐてひとり
有村自懐
カーナビは淋しき詩人麦の波
古賀
獣臭き渇き万の麦尖る
西村青夏
星の子と日の子身ごもり麦熟るる
桜鯛みわ
あかんぼに拳ありけり麦の波
日永田陽光
反戦の拳よ天を突く麦よ
樫の木
麦熟るる夕陽はすこしすつぱくて
花見鳥
一万年先の原初や麦熟るる
横縞
デメテルは悔しき女神麦熟るる
たかみたかみ・いつき組広ブロ俳句部
海もなく温泉もなく麦きれい
西村 棗
麦熟るる始めはみんな手の仕事
柚木みゆき
一面の麦やラピュタはあの先に
あみま
拳高々と麦の黄国旗の黄
武井かま猫
しらじらと夜明け麦生はひかりの海
冬島 直
焦げ臭きほむらのごとくにほふ麦
⑦パパ・広ブロ俳句部
三葉虫それからを麦あとも麦
沼野大統領
ひかひかと太陽の渦麦の波
妹のりこ
麦の波荒ぶれば出立の時
稲川ほろろ
オシリスの屍豊かや麦の波
山内彩月
千年を豊かに実る麦へ風
ヒマラヤで平謝り
太陽や麦に乾きの記憶あり
宇佐美好子
軍鶏の眼に太陽フレア麦熟れる
ま猿
牛糞の香る安曇野麦の波
柴 野鍛冶
最果てにあるという島麦の波
紙谷杳子
天空は低し麦畑は広し
水京
麦に寝る喇叭歩兵の焦げくさし
清水縞午
麦を剥く小鳥、嘘を暴くやうに
大月ユリコ
オキナワへ鉄の暴風麦熟るる
渡部稲穂
麦の穂を逆撫で片親がいない
川村ひろの
人間の土地ことごとく麦の土地
中岡秀次
バルビゾンの寡婦よ麦は騒ぎけり
柳十八公
みどりごの耳に火の波麦の波
百瀬一兎
悲しみを麦に預けて揺れてもらう
富山湾
我に声どの麦も星指してゐて
堀雄貴
麦熟るる土偶に清き妊娠線
翡翠工房
トラクターをあぶれた麦の列へ風
山口葵生
要塞のような物件麦の波
せんとう一波
青空と麦のあわいにある浮力
かねつき走流
麦畑さりさり風音の痛い
石川さん子
うらやましい無礼な風も勝ち気な麦も
24516
ハモニカは風の鳥籠麦畑
トマト使いめりるりら
子午線を辿れ辿れよ麦の波
綱川羽音
麦熟るや妻の余命と吾の余生
風慈音
麦の波凹みはブラックホールへと
沙那夏
ひたすらに天を信じてゐたるか麦
あまぶー
麦の穂や芒一本を描く力
東原桜空
次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
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