【佳作】
夜半に雨鶏舎天井裏に蛇
池之端モルト
蛇の目が白く濁ってぼんやりな世界
座敷わらしなつき(9才)
蛇踏んでいたTimesの「わ」ナンバー
ふるてい
くちなはや雨のにほひの力石
岩本夏柿
蛇の跡皇居の中へ続きけり
多喰身・デラックス
灌木に蛇絡み居る埋立地
あなうさぎ
蛇踏みつけ行く国葬の車列
クラウド坂の上
石段の途中を蛇の逸れゆけり
うさぎまんじゅう
蜜垂るるやうに白蛇のもつれあふ
ぐ
古事記より蛇は一生濡れてゐる
まんぷく
蛇過ぎし道の再び涸びをり
田中木江
生国のひかりまみれし蛇を撲つ
山田蹴人
海藻の匂いの手蛇握った手
稗田鈴二郎
くちなはの出づるや雨がむず痒い
くりでん
一叢の闇へ蛇の尾仕舞はるる
古田秀
教室を追い出されたる蛇速し
今治八十八
かさぶたの少し湿りて蛇臭ふ
きなこもち
蛇打つたからだらうこの骨折は
彼路
蛇出づる時太陽は斜めなり
花伝
生臭き発電機蛇かもしれぬ
世良日守
縞蛇や後味深き正露丸
結雅
神木の腸めきて蛇登る
さとけん
蛇消えてまだ保育士の仁王立ち
テツコ
サバイバルナイフ一本蛇を焼く
亀田荒太
蛇の口より垂れ下がる尾の僅か
ツカビッチ
蛇二匹生け捕りし日のチリコンカン
ぐでたまご
禊ぐかに蛇を殺めし鎌を研ぐ
樫の木
蛇さりて夕ぐれとほく残りけり
Mコスモ
紐なのか蛇なのか分からない距離
石本コアラ
雛の分太りし蛇を搏ち落とす
碧西里
まへあしに蛇ゐてどうしたらよいか
古瀬まさあき
獲物飲む蛇の目の無垢喉の無垢
妹のりこ
鶏の幅しぼみゆく蛇の胴
大槻税悦
蛇の顎砕きし杖の焦げ臭き
秋熊
後輪は蛇の骸を避けたるか
倉木はじめ
蛇死んで殻と云はねば何と云ふ
京野さち
持ち重りする枝蛇の反り始む
遠音
産卵の亀待つ蛇の取る間合い
あみま
鳥小屋に蛇の臭ひの雑ざり合ふ
若井柳児
手も足も声も捨て去り蛇きれい
播磨陽子
生きてゐるより困りたる死後の蛇
ローストビーフ
蛇長しまだまだ母に敵わない
えりいも
蛇泳ぐ水面ひかひか痺れつつ
ほろろ。
みづわたるへびのしづかにみづになる
干しのいも子
蛇みづにとろけるやうにみなそこへ
平本魚水
蛇の首掴み鎌首めく親指
北藤詩旦
蛇の目の残響美しき誤爆の火
小泉野魚
蛇にげる方へ明るく老いてゆく
酒井おかわり
横に横に溝すべる蛇尾はまだ縦
かむろ坂喜奈子
しろがねの蛇引っさげて刀鍛治
石塚彩楓
病とも言ふ程でなし蛇匂ふ
蓼蟲
身から身を引き出し蛇の首は行く
シュリ
女教師がはらふ職員室の蛇
野の花 誉茂子
丸呑みの卵は蛇の腹に爆ず
大黒とむとむ
蛇と蛇絡む湿地の雨後匂ふ
おきいふ
飼育員四人で担ぐ死にし蛇
大小田忍
蛇撓ふたびに太陽傾けり
橘まゆこ
アスファルトに剥き出しの死としての蛇
可笑式
咽返る水の匂ひの中を蛇
笑松
楽園の真水やさびしさうな蛇
広瀬 康
蛇を打つ棒より蛇のかけら落つ
イサク
蛇登る蔦の絡まる古屋敷
KII
大山の蛇の配下の三角点
中山月波
震度一断層に蛇潜り込む
永井ま猿
蛇をよけ医師の自転車よろめきぬ
古賀
指先の器用は蛇に触れてより
あまぶー
今しがた蛇横切りし畔を踏む
伊予吟会 宵嵐
蛇避けてバイクくねくね僧侶行く
昇華
ざりざりと蛇らし草を躙らせて
あずお
木に下がる青大将や風湿る
あまぐり
ドアノブの錆びた倉庫に蛇しづか
安溶二
蛇討ちし畦道三日生臭き
向原かは
蛇突きし枝に生家の匂ひあり
吉行直人
守られて蛇打つ兄の手がこわい
小野睦
川に放つ蛇ゆうゆうと泳ぎ去る
一走人
禁知らず蛇十方の山を踏む
いしはまらんる
絡みあふ蛇しなやかに青臭き
にゃん
窮屈な舌が頻りに蛇を出る
猫ふぐ
とねりこを身をくねらせてのぼる蛇
中岡秀次
継母が妙にきれいで庭に蛇
高尾里甫
拭ってわ蛇を縊りし手を嗅ぎぬ
トポル
目つむれば負けで蛇には負けどおし
一斤染乃
代々を隕石守といふ白蛇
大塚迷路
蛇止まる沙羯羅へ響く水の音
夕虹くすん
泳ぎゆく水面を底を蛇と影
仁和田 永
腹だか尾っぽだか蛇のここ熱い
常幸龍BCAD
古雑誌縛る隣を逃ぐる蛇
西田月旦
蛇と遊ぶ司祭の杖や殉教地
廣崎隆醒子
頸に蛇巻きつけられて20ドル
大熊猫@四句八句
縞蛇の遠心力を飛ばしけり
川岡すえよし
蛇轢いてその夜の歯茎痛みます
ウィヤイ未樹
蛇含草教えし蛇の眼の赤き
ぐりえぶらん
先生を噛みし蛇だと撲殺す
背馬
兄嫁に蛇の持ち方教はるる
ギル
すばすばと水を象るあれは蛇
綾竹あんどれ
蛇轢きてより商談のまとまらず
竜胆
先客の蛇ゐるぼつとん便所かな
遠山比々き
蛇二匹沈む玉川斜陽なり
蒼
次回の兼題も
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