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中級者以上結果発表

2022年4月20日週の兼題

薔薇

【曜日ごとに結果を公開中】

【佳作】

  • オーボエと薔薇は共鳴して真紅

    日向こるり

  • 教壇に生徒の家の薔薇十本

    糸川ラッコ

  • 薔薇園を抜けて院内学級へ

    風ヒカル

  • 薔薇咲いて羊水検査はじまりぬ

    比良田トルコ石

  • 男娼の朝のざらつく頬へ薔薇

    トポル

  • 海見える洋館の薔薇咲き始む

    瀬戸ティーダ

  • 詩は息を吸うても生る今朝の薔薇

    石井一草

  • 薔薇の香の幽閉なれば甘んじて

    中山月波

  • 一頭のライオン生る薔薇かをる

    ことまと

  • 心臓のかたちに薔薇のどくどくす

    冬のおこじょ

  • 咲きあふるる薔薇あおぞらは戴冠す

    中島 真珠

  • ヴァイオリンを習へぬ事情薔薇眩し

    ほしの有紀

  • 赤き薔薇白き薔薇うつ甘き雨

    まぐのりあ@蚊帳のなか

  • 王女の名のくすぐつたさう薔薇開く

    栗の坊楚材

  • 薔薇の香にしづかにファドのはじまりぬ

    巴里乃嬬

  • 考査の夜メスフラスコへ傾ぐ薔薇

    南方日午

  • もう薔薇も伝えられなくなっている

    石川聡

  • しろばらを古城とおもふゆふべかな

    RUSTY=HISOKA

  • 薔薇崩れけり聖堂のごと白く

    龍田山門

  • 白線の内側の痕薔薇手向く

    石垣 葉星

  • 弟より罵倒の電話薔薇薔薇薔薇

    佐々木のはら

  • 悲しみの出口を探す薔薇の園

    秋野茜

  • 薔薇を買う嫌いな人に会ったから

    あなぐまはる

  • 棘も香もなき薔薇にある朝の色

    いさな歌鈴

  • 鼻よりもひやりと薔薇の馥郁と

    佐藤儒艮

  • 薔薇は名を呼ばるるごとく咲きにけり

    さ青

  • 陰りゆくブラッドムーン薔薇香る

    井納蒼求

  • 白薔薇を束ねる白きリボン選る

    亜桜みかり@金カル

  • ベル押して暫く薔薇の香のなかに

    朶美子(えみこ)

  • 朽ちかかる砲兵工廠からむ薔薇

    ありあり

  • 薔薇あふれさせて調停中の家

    深山むらさき

  • この先は有料ですって薔薇の園

    竜胆

  • 薔薇香る積み木のやうな家でした

    にゃん

  • 自画像が遺作の画家や薔薇の園

    渡部桜桃

  • 校区探検はんぶんは薔薇御殿

    駒水一生

  • 買わされてどうにも薔薇がよく香る

    広木登一

  • 助手席の薔薇に一瞥ギア入れる

    山田蹴人

  • 前かごに鳥の子色の小さき薔薇

    うからうから

  • 薔薇剪るや思春期はまだ膿んでゐる

    林山千港

  • 夜の薔薇よ荒れ吠え狂う海峡よ

    理酔

  • 薔薇は陽に私は影に落ちゐたり

    登りびと

  • 合鍵で入つた部屋で薔薇に会ふ

    GONZA

  • どこからを死といふ薔薇はひらきゆく

    横縞

  • こころのクリニックの黄薔薇が痛い

    七瀬ゆきこ

  • 薔薇園に来て肌色はさびしい色

    稗田鈴二郎

  • 病室の白薔薇海は遠からず

    磐田小

  • ごみ置き場横の正しい薔薇白く

    たまのねこ

  • 薔薇園の薔薇の眠りを嗅ぎわける

  • 芸術はつねに空腹薔薇まっ赤

    綾竹あんどれ

  • 籐かごにぎうぎうの薔薇魚市場

    芍薬

  • 薔薇大輪深夜のカフェのソファのやう

    松山めゐ

  • 円卓の薔薇こんもりと授賞式

    あまぐり

  • 耳打ちのたとえば薔薇を嗅ぐように

    ちゃうりん

  • 薔薇の家多くて完全に迷子

    板柿せっか

  • 白薔薇や病みしところは玄き骨

    津島野イリス

  • 白薔薇に青インク吸わせて殺す

    槌屋藤内

  • 薔薇の門くぐれば荒びし測候所

    藤 雪陽

  • 家ぢゆうに薔薇生けてなほ埋まらぬもの

    留野ばあば

  • 薔薇咲くや砂に埋もるる象の骨

    村岡花風

  • 蔓薔薇や坂多きイタリアの空

    陽光樹

  • あの薔薇の門よりいらっしゃいますよ

    稲畑とりこ

  • 蔓薔薇の這い入りそうな出窓かな

    阿波オードリー

  • 薔薇くづるるカトリーヌドッヌーヴ老ゆ

    緑の手

  • 薔薇垣の長し記帳の列長し

    若井柳児

  • 老いらくの恋でわるいか薔薇ひらく

    瀬尾白果

  • 壇上の薔薇へ並べるパイプ椅子

    二重格子

  • 薔薇香るモデルハウスのさみしさに

    吉行直人

  • 薔薇にぎる恋は素敵じゃねえよ馬鹿

    ツナ好

  • しかたなく購う家や薔薇の赤

    和山しなもん

  • 薔薇の午後ちりりと狂ふ金の蕊

    シュリ

  • 海とそら坂ばっかりの街の薔薇

    あきののかなた

  • 白薔薇の白は白とは違う白

    ざうこ

  • 家庭訪問の最後は薔薇の家

    ぐでたまご

  • 空き室の看板に錆薔薇へ肥

    あずお玲子

  • 千本の薔薇に錆浮く休園日

    なしむらなし

  • 薔薇が好きといへばよかつたほんたうは

    谷口詠美

  • 手札みな薔薇に見られてゐる男

    詠頃

  • 水に切るケニアの薔薇の太き茎

    露草うづら

  • 蔓薔薇の散り敷く夜のサラバンド

    中岡秀次

  • 婚礼の薔薇へ霧吹きする夜更け

    越智空子

  • 番犬とSECOMのステッカーと薔薇

    倉木はじめ

  • 薔薇満たせわがなきがらのこの余白

    今野淳風

  • 白髪の地質学者の庭の薔薇

    大槻税悦

  • 薔薇仄と崩れて余震かと思ふ

    新右衛門

  • 薔薇の憂しぷきりと棘を落とす爪

    仁和田永

  • 薔薇挿してグラスに小さき泡生まる

    かりかり久助

  • 裏窓に発光終えたような薔薇

    小豆白虎

  • 月の名を戴く薔薇の金烏色

    播磨陽子

  • 薔薇園を出てより王のごと歩む

    洒落神戸

  • 八十の目に薔薇薫る美術室

    平本魚水

  • 薔薇匂ふセロファン薔薇のごと咲けり

    山本先生

  • 薔薇食べて人形きのうより綺麗

    雪井苑生

  • 薔薇香る朝をせかせかタイピング

    はっしー

  • 薔薇を見るその肖像を描くごと

    髙田祥聖

  • 黙々と薔薇の時間を老園丁

    山内彩月

  • カルテには読めない文字の羅列薔薇

    森 日美香

  • 調停は縺れて朝の薔薇園へ

    牧野冴

  • 薔薇満ちて電波時計の定まらぬ

    谷山みつこ

  • 白の冴え失ひ薔薇の時を閉づ

    穂積天玲

  • 根の錆びし門柱を薔薇咲きのぼる

    いかちゃん

  • 蔓薔薇や挿しつぱなしの車庫の鍵

    丹下京子

  • 薔薇の緋ぎつしり顳顬軋み出す

    字土街海

  • 薔薇剪つて宙に落丁生まれたり

    田中木江

  • 薔薇を抱く薄き身体や精神科

    碧西里

  • 革命を見てきたやうなパリの薔薇

    あみま

  • 雅子妃の薔薇は正しく咲き揃い

    きょんちゃん

  • 産声や湧き立つ雲のような薔薇

    夏草はむ

  • 薔薇薔薇薔薇あいつ市長になったんね

    田季たまき

  • 居留地に百年根付く祖母の薔薇

    磯田省吾

  • 誉められて薔薇の主は手を止めず

    陽光

  • 複雑な薔薇複雑に門柱に

    長谷機械児

  • 薔薇の香に倦むや調停三回目

    伊奈川富真乃

  • 薔薇垣途切れいざ本命のオールドローズ

    西村青夏@金カル

  • 薔薇香るセコムの似合ふ門構へ

    天野倖雪

  • また薔薇咲くやシャーレに癌細胞

    伊藤 柚良

  • 純喫茶マダムの薔薇に溺れさう

    ももたもも

  • 咲き乱るる薔薇捨猫は餌を乞ふ

    星埜黴円

  • 薔薇繚乱グループラインが重い

    幸田柝の音

  • 匂いたつ嵐の薔薇園は無人

    なか かよ

  • 戦争を抽出できさうな薔薇だ

    広瀬 康

  • むんむんと喪中の家の白き薔薇

    木村ひむか

  • 上演は学生寮の薔薇の庭

    瀬央ありさ

  • 一輪の薔薇重さうに壊れをり

    城内幸江

  • 薔薇の花ちくちくジンジャーエルの泡

    古賀

  • 呑みほした角瓶へ薔薇を一輪

    あまぶー

  • 雨の夜やウルフトーンに歪む薔薇

    斎乃雪

  • 薔薇の香にひりひり傷のありどころ

    宮武濱女

  • 王様の薔薇韻文的に香るのね

    オペラ座の俳人

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