俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2023年5月20日週の兼題

蜘蛛

【曜日ごとに結果を公開中】

【佳作】

  • 錆のごと蜘蛛の臭ひぞ納屋の隅

    田村利平

  • 太陽を真つ逆さまに風の蜘蛛

    あつちやん

  • 風に嫌われ蜘蛛に好かれる生家です

    ギル

  • 蜘蛛の囲や山の厠の落とし紙

    えいぎょ

  • 終活もおわり蜘蛛だらけの生家

    たーとるQ

  • 未だ透きたる子蜘蛛小指の長さ飛ぶ

    おかげでさんぽ

  • 蜘蛛歩く水甕の底ゆらゆらと

    めいおう星

  • 震源は四時方向か蜘蛛のたり

    あねもねワンヲ

  • 板に穴あいてるだけのトイレ蜘蛛

    ほしの有紀

  • 美しき巣に待つ蜘蛛は痩せてゐる

    あさのとびら

  • 恋の糸爪弾く蜘蛛を喰らふ蜘蛛

    いさな歌鈴

  • 陰膳の箸置きを蜘蛛舐めてゐる

    百瀬一兎

  • 蜘蛛の囲のなんて綺麗な死の揺らぎ

    三月兎

  • 人影に蜘蛛の子走る農具小屋

    ひだ岩魚

  • 蜘蛛たれて賽銭箱へ消えにけり

    ちゃあき

  • 朝の蜘蛛座敷箒に攫われる

    夏椿咲く

  • 蜘蛛の囲や十字に結ぶ教祖本

    犬山裕之

  • 蜘蛛ゆれる空の淋しきあたりかな

    RUSTY=HISOKA

  • 家蜘蛛や離れは父と同い年

    このみ杏仁

  • 蜘蛛の巣やくるりと褪せた不在票

    いたまきし

  • 蜘蛛の囲を奏でマタイの受難曲

    クラウド坂の上

  • 蜘蛛の囲に鉄のにおいや工場裏

    木染湧水

  • 花材尽きてアトリエの蜘蛛失せにけり

    北欧小町

  • 蜘蛛とゐる午後職安は明日いく

    青井えのこ

  • マンションと肉のチラシで掬う蜘蛛

    シュリ

  • 蜘蛛はいま斜めの糸を張る工程

    日向こるり

  • 虚子たらんや素十たらんや蜘蛛を愛づ

    河島 八々十

  • 大蜘蛛を叩き潰せる夜の眩暈

    香壺

  • 蜘蛛落ちて棚引く糸のとぎれけり

    あるる

  • 韋駄天の大蜘蛛仏壇の余間へ

    青居 舞

  • 蜘蛛走る恋の焦げたるにほひさせ

    ことまと

  • 蜘蛛の子のぶつかりながら散らばれる

    彼方ひらく

  • エアコンと蜘蛛を残して売却す

    宮坂暢介

  • 蜘蛛はもう乾びかけをる古行李

    さとうナッツ

  • 車はかすりぎず蜘蛛の囲は破損

    まっちゃこ

  • 蜘蛛の巣や空き家の奥に人の影

    こま爺

  • 前の脚跨ぎて四歩ずつの蜘蛛

    どくだみ茶

  • 蛾のようなもの捕らわれて蜘蛛不在

    一走人

  • 蜘蛛下がる壁にいつかの表彰状

    おのまい

  • 月獲てなほ蜘蛛の淋しき足余る

    元野おぺら

  • 連勝の足を掲げて桶の蜘蛛

    富佐野ほろよい

  • 蜘蛛の子の散つてひかりの熱さかな

    亘航希

  • 蜘蛛の巣があるけどここの飯は美味い

    つちや海郷

  • 条件は南向き、蜘蛛五匹以上

    コンフィ

  • 蜘蛛に影蜘蛛の囲に影なかりけり

    常幸龍BCAD

  • 鍵盤の清潔な指蜘蛛の脚

    冬島 直

  • 蜘蛛の巣やギブスの腕の頼りなき

    くぼたみどらー

  • 門柱の蜘蛛は百年眠らない

    たかみたかみ

  • 風に鳴る蜘蛛の獲物の吸ひ枯らし

    遠山比々き

  • 洗顔のしぶきに蜘蛛の死んでいる

    どみ どみそ

  • 地球儀のここで戦争蠅虎

    冬のおこじょ

  • 走り飛び走り飛び蜘蛛墓裏へ

    TAKO焼子

  • 痛みとはたとへば蜘蛛を逃がす夜

    げばげば

  • 蜘蛛さがりくるお逮夜の僧の肩

    にゃん

  • 女郎蜘蛛そちらは父の遺骨です

    幸田梓弓

  • ほぐれゆく星座は蜘蛛の湿り気に

    本村なつみ

  • 蜘蛛の腹照らして青き風俗街

    はせがわ水素

  • 蜘蛛の巣を破って離婚記念日に

    たまのねこ

  • 金網の補修に蜘蛛の巣を割つて

    さとけん

  • 誰も来ぬ畳を拭いて拭いて蜘蛛

    きゅうもん@木の芽

  • 黒蜘蛛の咥へる蜘蛛のうすみどり

    深山むらさき

  • 塀のなき家あさ蜘蛛に諮られて

    椋本望生

  • 祭壇へ蜘蛛オルガンの重低音

    藤 雪陽

  • 蜘蛛の子やアポトーシスのきれいな死

    駒水一生

  • 蝿取り蜘蛛と間合い取り合う朝の居間

    いごぼうら

  • 蜘蛛の囲も子らの振る枝には勝てぬ

    かつたろー。

  • 臆病な蜘蛛なり影を奪われて

    ちゃうりん

  • 小さき蜘蛛ちくま文庫のパラフィン紙

    横縞

  • 露ほどの蜘蛛を警らとする暮らし

    かねつき走流

  • うさぎ小屋の天井高い蜘蛛多い

    光峯霏々

  • 壁にゐる蜘蛛の自由を家訓とす

    梅朶こいぬ

  • 掌ほどの囲に砂粒ほどの蜘蛛

    樫の木

  • 百年の梁の窪みや袋蜘蛛

    大庭慈温

  • さかさまに抱く月光蜘蛛しづか

    天陽ゆう

  • 先手7六歩後手まず蜘蛛払う

    新蕎麦句会・凪太

  • 人体に肺とふ隙間蜘蛛を飼ふ

    桃園ユキチ

  • しろがねの脚かしゃかしゃと来る蜘蛛

    広木登一

  • 随分と蜘蛛に親しまれる生家

    今野淳風

  • 見えない友と名のある蜘蛛がいる仏間

    あなぐまはる

  • 蜘蛛の子と電気料金請求書

    ぐでたまご

  • をどりばに大蜘蛛たれてゐる弊社

    倉木はじめ

  • 進撃のルンバよ小蜘蛛逃げる逃げる

    ツナ好

  • 月影の軒に蜘蛛の囲組み上がる

    あずお玲子

  • 拙宅の蜘蛛なに食べてゐるのやら

    西川由野

  • 蜘蛛の巣やコンビニ前の喫煙所

    きなこもち

  • 猫車転がる屋敷女郎蜘蛛

    いつか

  • ぷらぷらと蜘蛛や硝子の名は夜空

    眩む凡

  • 引き出しのギデオン聖書の上に蜘蛛

    武田ラーラ

  • 蜘蛛の子や尻から風につままれり

    井納蒼求

  • 四方より風とほりゆく蜘蛛の下

    すりいぴい

  • 千年の御堂に蜘蛛の影走る

    中根由起子

  • 違反駐車の張り紙に蜘蛛の跳ぬ

    ペトロア

  • 嘆願書のごとく吐き出す蜘蛛の糸

    河合郁

  • モニターの矢印を追ふ蜘蛛の影

    あさぬま雅王

  • 毀れたのだらう脚無き朝の蜘蛛

    古瀬まさあき

  • 特殊清掃終わりし部屋のドアに蜘蛛

    ジン・ケンジ

  • 鳥になる夢見た夜の端に蜘蛛

    橘鶫

  • 洗髪の薄目の視野に走る蜘蛛

    ひぐちいちおう(一応)

  • 熱の子の吐息に濃度蜘蛛しづか

    柚木みゆき

  • 蜘蛛の巣の明るき温泉街廃墟

    玉庭正章

  • 蜘蛛の巣や風は鬼門を通りぬけ

    まこちふる

  • 土臭き体育倉庫蜘蛛疾し

    千波佳山

  • その蜘蛛にまだたゆたへる脚一本

    えむさい

  • 蜘蛛の巣を払つたときのことである

    たけろー

  • 標識へ囲を張る蜘蛛の教習所

    とおやまみえこ

  • まはりつつ降りくる蜘蛛の薄き影

  • 蜘蛛きれい爪長に星摘ままんと

    錆田水遊

  • 蜘蛛去ってヘッドセットをかけ直す

    さくさく作物

  • 夜の蜘蛛排水口へ吸い込まれ

    森海まのわ

  • わが家の*として蜘蛛は

    西野誓光

  • 蜘蛛の囲や食料備蓄二日分

  • 止むを得ず蜘蛛と暮らしているらしい

    妹のりこ@金曜カル

  • 夜蜘蛛や処分と決めた父の本

    ひいらぎ

  • 乾ききる蜘蛛を離れぬ子蜘蛛かな

    蜘蛛野澄香

  • 花蜘蛛の光も影もうすみどり

    妹のりこ

  • 殺したる蜘蛛の巣にいま掛かる虫

    石井一草

  • 天井の蜘蛛返信はまだかまだか

    梅路みね

  • 蜘蛛を殺しただけの一日をはる

    赤馬福助

  • 蜘蛛に夕日尻より真綿めくなにか

    じゃすみん

  • 麻痺残る右大腿を蜘蛛跳ねる

    玖良咲

  • 巨人軍打てばまた蜘蛛現はるる

    明後日めぐみ

  • 花蜘蛛のさみどり白き花に透く

    えりべり

  • 垂れてくる蜘蛛を定規の穴に入れん

    ぞんぬ

  • 蜘蛛が蜘蛛じゅわじゅわ丸めこむ無臭

    一斤染乃

  • 蜘蛛の囲を貌で破つて転職す

    夏湖乃

  • くちびるに触れた手で蜘蛛飼う話

    後藤麻衣子

  • 流し場の蜘蛛避けて湯を流しけり

    朶美子(えみこ)

  • 蜘蛛打てば四肢のゆつくり閉ぢにけり

    堀雅一

  • 裸電球ぢぢぢぢ納屋の蜘蛛でかい

    古賀

  • 蜘蛛の囲や遺品整理の蔵の裏

    すがりとおる

  • 第一糸ポストの角へ蜘蛛は飛び

    かん かんし

  • ひれ伏してオラショを唱ふ島の蜘蛛

    GONZA

  • 非常階段裏の蜘蛛は垂直

    まるかじり

  • 吾か蜘蛛かまなこのにごりゆくものは

    青空まる

  • 破綻日の最後は蜘蛛が囲の回収

    戸部紅屑

  • 風呂にまたあの蜘蛛七本脚の蜘蛛

    むらぴ

  • ぱやぱやとあゆむ子蜘蛛のうすみどり

    朝月沙都子

  • 表札を蜘蛛悠々と飾りけり

    播磨陽子

  • 大いなるものかかりたり蜘蛛の留守

    青柿

  • 蜘蛛の巣は精緻マクベスは臆病

    灰色狼

  • 贄のごと寝かす赤子の足へ蜘蛛

    平本魚水

  • 方除けの別邸いくつ蜘蛛走る

    トウ甘藻

次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています!

投句はこちら