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中級者以上結果発表

2023年10月20日週の兼題

【曜日ごとに結果を公開中】

【佳作】

  • ゆつくりと朝日へ霜の転車台

    はぐれ杤餅

  • 強霜や真つ赤な声の鴉立つ

    津々うらら

  • 霜晴のバス見えて列縮み出す

    ふもふも

  • ぬめぬめの無く朝霜の御冥福

    酒井おかわり

  • 立枯れの脚が生きむと霜を吸ふ

    沼野大統領

  • 霜は綺羅愛しつづける勇気欲る

    あまぶー

  • 霜の花しづかに草の盾となる

    そら

  • 駐車券なくて霜の音なほ増して

    帝菜

  • 産声や明るき霜の降りた日に

    おかだ卯月

  • ハーレーを跨げば夜空霜匂ふ

    山田蹴人

  • 霜晴や事務所に沸かす大やかん

    林常住

  • あれ埋めしあたりの霜の殊に濃し

    可笑式

  • 強霜の上野朝マックの塩気

    西野誓光

  • 長編の余韻のやうな霜のこゑ

    中山月波

  • 指先の痛みしづかに窓の霜

    haru_sumomo

  • 縁ひとつ切りたり霜の綺羅の馬鹿

    おきいふ

  • 霜びつしり私のこころ見せやうか

    青海也緒

  • 歯ブラシ置いて帰ってやった霜夜

    花紋

  • 霜割ってずんずん歩きだす無職

    伊藤映雪

  • 捕虫葉ぽかんと霜にまみれけり

    ぞんぬ

  • 鎮火せる畳屋に霜明け初める

    火炎幸彦

  • 霜晴や聖書を開くホテルの灯

    ぎんやんま

  • ひだるきか霜の藪より出で来猿

    らん丸

  • 畑を踏む賢治の聞きし霜の声

    加藤多作

  • 永訣の朝へとつゞく霜夜かな

    めいおう星

  • 巡回の霜夜まぶたは痙攣す

    みづちみわ

  • 朝の霜もう野良犬のをらぬ町

    平本魚水

  • 朝霜や屋上で炊く土瀝青

    鈴木裕公仁

  • 鳥たちの蹴る霜の枝霜の棘

    にゃん

  • 猛きもの押し通るごと霜を踏む

    市橋正俊

  • 強霜や農機支払い日の朝

    戸部紅屑

  • 不可逆の難聴朝霜は真白

    斉藤百女

  • 痩せし父よ今朝は横浜にも霜ぞ

    麦のパパ

  • 敷石も霜も銀座や坪単価

    帝釈鴫

  • まだ泣けぬまま朝霜の斎場へ

    水須ぽっぽ

  • 後悔は鉄扉のにほひ霜のこゑ

    げばげば

  • 人質の数告げる霜夜のラヂオ

    朶美子(えみこ)

  • 天下取らんとローソンの夜霜踏む

    樹海ソース

  • 引き出されし腸に噛み付く霜二尺

    山香ばし

  • 校門の霜を積分すれば水

    コンフィ

  • 惑星の草原に似て郷の霜

    野中泰風

  • 風熄みて深霜の翳濃紫

    巴里乃嬬

  • 霜晴れや空の漬物樽並べ

    加和志真

  • この村の墓地は赤土霜ひそと

    星詩乃すぴか

  • 霜仰ぐトラック仮眠三時間

    居並小

  • 膵臓にさびしき凝り青女来る

    七瀬ゆきこ

  • 霜の声墓地は岬に届きさう

    彼方ひらく

  • S棟の裏の金魚の墓の霜

    播磨陽子

  • 薔薇線に錆色の霜検問所

    西村小市

  • 草原の霜踏む山羊の欠けた爪

    どこにでもいる田中

  • あんパンと牛乳はある霜の夜

    大黒とむとむ

  • よこたはるけものの起伏朝の霜

    板柿せっか

  • バス降りて霜の本日よりひとり

    新蕎麦句会・凪太

  • 朝日撥ぬ装甲板の霜の花

    たていし 隆松

  • 中指で印して霜の百度石

    桜井教人@金カル

  • 霜だたみ日の出の遅き町を捨て

    このみ杏仁

  • 霜晴や地磁気は赤錆の匂い

    栞虫かじり

  • 霜が降る明け方の夢ただ清く

    あおのめ

  • 甲板の解けたる縄に霜の花

    清水明美

  • 駿馬放てば霜一色の原へ

    橘 春香子

  • 月曜の霜解け土木員の紫煙

    松山松男

  • 灯台めく霜夜のナースステーション

    天陽ゆう

  • 霜降りるラジオから余計なお世話

    野口真砂輝

  • 霜凪や起伏も影も夜を飽き

    楽花生

  • サイドミラーの霜見て少し眠ろうか

    伊藤辰弥

  • 霜の花石炭のごとばん馬燃ゆ

    はせがわ水素

  • 強霜や満載の豚送り出す

    幸田梓弓

  • 触れてみて霜はさみしき棘と知る

    かねつき走流

  • 柿の葉の霜や両手に可燃ごみ

    山姥和

  • 霜ばさばさはらひ横断旗を示し

    TAKO焼子

  • 歓声を聞く霜晴の保健室

    林省造

  • 生身供御廟へ清き霜だたみ

    はなぶさあきら

  • 本畳むごと会社を畳む霜の朝

    あなぐまはる

  • 赤錆びた不法投棄のバスの霜

    at花結い

  • 霜しばし潰えるまでのパレスかな

    ウロ

  • コルチャック先生と踏む霜の道

    GONZA

  • 霜野行く子山羊しつぽをぴんと立て

    うはのそら

  • 野犬その剥き出しの腸に霜

    石井一草

  • 子を産みて窓は霜晴朝ごはん

    かゐみすず

  • 強霜をおどろかしたる猫の舌

    ひねもす

  • 通夜明けて喫煙所まで霜を踏む

    芦幸

  • 霜の花折り目の付かぬ空ばかり

    シュリ

  • 霜の朝鋼の弦を巻く力

    中岡秀次

  • 死のはなし読んで小窓の霜溶かす

    松本独り

  • 霜晴や逃げしインコのきれいな死

    深山むらさき

  • 刃物みな刃先を下に霜降る夜

    えむさい

  • カラットに和訳をつけるとしたら霜

    沢胡桃

  • 伊吹まで霜晴れていく往診日

    まんぷく

  • 霜の朝ビスクの底の薄き殻

    細川鮪目

  • シマウマの糞みりみりと霜日和

    ぐでたまご

  • しくと咲く霜や筆談するやうに

  • 神だけを通し参道覆う霜

    笑松

  • 霜の葉の間の霜の葉の間

    二重格子

  • 一夜にして兵舎を包囲したる霜

    広瀬 康

  • 朝霜に万年筆の蒼を刺す

    理酔蓮

  • 祝福のごと朝霜のひかりの野

    樫の木

  • ベランダのカメムシの骸にも霜

    豆闌

  • 行間を裂く霜のこゑ抑留記

    佐藤烏有

  • 学校こわい霜のひかりが息苦しい

    あいだほ

  • ライブカメラに霜車両基地の灯

    橋本こはく

  • 霜の生れ始めてをりぬシャベルの柄

    音羽凜

  • 生きてゐるだけの身体へ霜熱く

    真井とうか

  • 霜降りてゆふべ轢かれた烏だらう

    髙田祥聖

  • 栄転や定礎の定の丶に霜

    濃厚エッグタルト

  • 家畜車に残る糞尿霜の駅

    ふわり子

  • 薄明や仮設トイレは霜の匣

    いかちゃん

  • ホームドア開く霜振り落としつつ

    さくさく作物

次回の兼題も
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お待ちしています!

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