俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2024年10月20日週の兼題

冬暖か

【曜日ごとに結果を公開中】

【佳作】

  • 冬あたたか兎に耳を縫いつけて

    久森ぎんう

  • 跨れば冬暖かな木馬の背

    鈴木来穂

  • 冬ぬくしエンドロールに母校の名

    桜鯛みわ

  • 遺言の付言書き終へ冬あたたか

    このみ杏仁

  • モビールの鳥の重心冬ぬくし

    百瀬一兎

  • 冬あたたかブリキの胸に手を添へて

    成瀬源三

  • 理科室も冬暖かし器具の群れ

    斎藤さんけん

  • 冬暖か気球の重り二個外す

    星醒

  • 猫掴む冬あたたかのたの部分

    芋 二郎

  • 読みたき本の待つてゐる今朝冬ぬくし

    あま門

  • 冬暖か広場のチェスに大拍手

    平野芍薬

  • 算額の丸三角や冬ぬくし

    与志魚

  • 讃美歌の冬暖かき母音かな

    常磐はぜ

  • 暖冬や魚影は薄く潮遠く

    水間澱凡

  • 冬暖か泉の広場抜けてより

    暖井むゆき

  • シャム猫の冬あたたかき威嚇かな

    ギル

  • ストーマを冬暖かへ咲かせけり

    凪太

  • 帰路に湧くこれは便意や冬ぬくし

    せり坊

  • ヒンメリのゆらぎ冬暖かな影

    織部なつめ

  • 冬温しパントマイムの箱に傷

    雑魚寝

  • ガントリークレーン湾岸に伏す冬ぬくき

    樋口滑瓢

  • 診療船着くを待つ杖冬ぬくし

    山田不律

  • 母子像の冬暖かな祈りかな

    島田雪灯

  • 二羽の鳩冬暖かな川の音

    山田翔子

  • 冬ぬくしのんきにのびる鳥の首

    島田あんず

  • 小窗なき法廷を出づ冬あたたか

    トラヴィス ビックル

  • 冬ぬくし鳥は撮れぬわつまづくわ

    あたなごっち

  • 冬暖かランボルギーニ校庭に

    海音寺ジョー

  • 工場にはためく国旗冬あたたか

    駒村タクト

  • 冬暖か茶箱の隅の1セント

    平野水麦

  • リクガメのまぶたに木の葉冬暖か

    富佐野ほろよい

  • 表向き会社に飼はれ冬ぬくし

    水鏡新

  • 千体の千手千眼冬ぬくし

    TAKO焼子

  • 濯ぎ終へ純毛匂ふ冬ぬくし

    棗椰子(なつめやし)

  • 冬暖か頭の黒い羊が来

    田村美穂

  • 冬ぬくき教科書に詩のある哀れ

    ノセミコ

  • 仔牛らのまなぶたぴくく冬あたたか

    青木りんどう

  • 冬あたたか軍港のボラードに猫

    晴田そわか

  • 四トンの車体拭き上げ冬暖か

    百瀬はな

  • いただきの冬あたたかやだけかんば

    山姥和

  • 冬暖の文鳥ぽぷちよんぽぷちよん

    温井冬子

  • 木の箱にしまふ木の鳥ふゆあたたか

    常幸龍BCAD

  • 献杯は酢屋冬暖かに龍馬祭

    コーノ凡士

  • 冬暖か樹に養命酒色の洞

    トポル

  • 冬暖の角打ちボブ来リーさん来

    三浦海栗

  • 冬暖かなハローワークの喫煙所

    奈良の真

  • 発つバスの冬暖かな凹み席

    山田季聴

  • 猫よぎる防犯カメラ冬あたたか

    星埜黴円

  • 胎児いま豚まんほどや冬暖か

    山本先生

  • 冬ぬくし夕のチャイムもぽかんとす

    宮井そら

  • 冬ぬくき陽へ過労死のテディベア

    樹海ソース

  • 冬暖か色鉛筆の木の匂ひ

    櫂野雫

  • 冬暖か父の遺品にロシア帽

    ハルノ花柊

  • 冬あたたかひよこの色の余り布

    天陽ゆう

  • 恐竜の糞てふ石や冬あたたか

    伊藤映雪

  • 羽の音水の音冬あたたかし

    青居 舞

  • オロナインに去年の指痕冬暖か

    蒼空蒼子

  • カナリアの嘴噛み合うよ冬あたたか

    弘友於泥

  • 僕という堆積層へ冬あたたか

    半熟かさぶた

  • 銃の肌冬暖かに腥し

    佐藤俊夫

  • かごめかごめ冬暖かを逃がさない

    小田和子

  • 裏山の冬あたたかくすぐてっぺん

    藤原素粒子

  • 巨岩抱く冬暖かな山として

    楽花生

  • 刑務所で食うぜんざいや冬暖か

    松田寛生

  • 赤ペンの指導百枚冬暖か

    竹春エリザベス

  • 軽トラの冬暖かなご飯どき

    誠馬ノマド

  • オルガンのクレッシェンドのごと冬暖

    そら

  • 木の蓋か冬暖かや木の箱に

    春風流士

  • 冬暖かSUP一艘揺らがざり

    梵庸子

  • 階段に膝蹴り暖冬の朝日

    アポカリプス

  • 冬暖か知らない人の住む生家

    うさぎ柚和

  • 冬暖か陽色の地獄蒸しプリン

    樫の木

  • タワマンもベンツも売って冬ぬくし

    青山ちひろ

  • シェーバーの父の髭くず冬暖か

    高橋寅次

  • 石室にあそぶ神獣冬あたたか

    日永田陽光

  • 冬ぬくし青空市で天使買う

    森中ことり

  • 冬暖か亀に亀乗る永遠に

    刈田陽子

  • 口笛や冬暖かな音で終へて

    桜井教人

  • 気の合はぬはうの姉来て冬ぬくし

    RUSTY=HISOKA

  • 会堂は冬暖かに人疎ら

    長谷機械児

  • 散骨の海洋ポイント冬ぬくし

    風花美絵

  • ブラジャーのレースの痒み冬暖か

    蘂六

  • 冬暖のロビーゆらゆらみづかげろふ

    渋谷晶

  • 冬暖か自在に曲がる鳥の首

    板柿せっか

  • 冬あたたか耳鳴りとも付き合っていくか

    大塚迷路

  • 組み立てる冬暖かの付録かな

    酒井均

  • 貸していた本の歪みや冬暖か

    松山めゐ

  • 花置けば冬暖かし四畳半

    風花まゆみ

  • 絵タイルの海は故郷か冬暖か

    勇緋ゆめゆめ

  • 消防の詰所のやかん冬ぬくし

    緩木あんず

  • 冬ぬくし谷川俊太郎の「ここ」

    あまぐり

  • 合掌の擦り込む塗香冬ぬくし

    たかみたかみ いつき組広ブロ俳句部

  • 冬暖かやイソップの文語体

    丁鼻トゥエルブ

  • 冬暖かケースに揃へやる薬

    竹田むべ

  • 冬暖かファスナーのよな手術痕

    鳥不驚

  • 福耳に聞こゆる鳥語冬ぬくし

    沼宮内 かほる

  • 賢治像の右手の鼠冬暖か

    越智空子

  • 冬ぬくしパンダがこんなデカいとは

    青井えのこ

  • 冬暖かさくらももこの名のどこも

    二重格子

  • 冬暖かペンキ剥げたる給水塔

    也和

  • 冬暖や漬物石のなで心地

    植木彩由

  • 礬水ひく画家のまなじり冬あたたか

    岬ぷるうと

  • 冬暖や今日退役の蒸気船

    東京堕天使

  • すこしだけ遠い木星冬あたたか

    長谷川水素

  • 冬あたたか降車ボタンを長めに押す

    アロイジオ

  • 死が鳥を冬あたたかに曝しゐる

  • 冬あたたかシュークリームに善き空虚

    西川由野

  • 暖冬の結露を優しく殺してく

    ぜのふるうと

  • 背凭の背広縒れたり冬暖か

    ひでやん

  • 冬暖か洗車済ませて食うゼリー

    リンク

  • 職安のコピー機の音冬ぬくし

    星月彩也華

  • 冬ぬくし風見鶏休暇取得中

    桜月夜

  • 冬あたたか吾子の寝息は杏子の香

    ぐでたまご

  • ブービー賞の葉山コロッケ冬ぬくし

    小倉あんこ

  • 冬ぬくし飛鳥の石とナスカの絵

    松高法彦

  • 冬暖かけれど松葉は指を刺す

    八光地蔵

  • 冬暖かチーズ淋しくのびにけり

    コンフィ

  • 手すりにはスケボーの傷冬ぬくし

    清水祥月

  • 冬暖かワゴンの古書に積んで古書

    ふるてい

  • 退学す冬暖かき停留所

    白神ハムサンド

  • 冬暖か愛車に駐車監視員

    藤白真語

  • 太郎冠者てふ生き様も冬温し

    高木石塊

  • 豆苗の二度目の輪廻冬ぬくし

    澪那本気子

  • お手本のやうな重石や冬暖か

    洒落神戸

  • 継ぎたての肋骨痒し冬暖か

    仁和田永

  • 冬あたたか胎児を仮の名で呼びつ

    きつネつき俳句系Vtuber

  • 住職と来世の話冬暖か

    石塚彩楓

  • 骨壺と埋葬許可書冬暖か

    飛来 英

  • 傘の群れ冬暖かき死者の国

    菅田斑猫

  • 冬あたたかほこりきらきらきらきれい

    千歳みち乃

  • 冬暖か木箱を椅子に待つフェリー

    小豆白虎

  • 歌のやうな鳥の骸や冬暖か

    苫野とまや

  • 冬暖や蛹の中の静かな死

    村岡花風

  • 冬暖か目薬のふたきゆつとせり

    森葉豆

  • 工房や冬暖かに土のこゑ

    夏雨ちや

  • 冬暖か今日が予約の逝く日付

    冬のおこじょ

  • 冬ぬくし橋の下からホルンの音

    太平楽太郎

  • 冬暖かいびつに割れる鳩サブレー

    桃園ユキチ

  • 雀荘の壁にラムちゃん冬ぬくし

    藍創千悠子

  • おじさんのやうなカピバラ冬ぬくし

    きなこもち

  • アトリエを描くアトリエ冬暖か

    ひねもす

  • 冬暖か風の死骸のようなジャム

    九重かずら

  • 詩人老いて象の目を持つ冬暖か

    杏乃みずな

  • 夫を看る吾の傍に吾子冬あたたか

    あまぶー

  • 着たままで洗う合羽よ冬あたたか

    ろまねす子

  • 錠剤のころがるさきの冬あたたか

    古瀬まさあき

  • ドミニカは危険日本って冬暖か

    鳥田政宗

  • ふゆあたたかふゆあたたかと呟けり

    髙田祥聖

  • 冬暖か旋回の窓の海原

    青木豊実

  • 冬暖か踊り場のたび山を見て

    伊予素数

  • バーバーの前の鳥籠冬暖か

    渡辺桃蓮

  • 冬ぬくしにぎり仏に千の顔

    香依蒼

  • 人間は単純で冬暖かで

    あみま

  • 冬暖のみづ狼狽へる豆腐店

    玉庭正章

  • 折り目なき五百円札冬暖か

    赤馬福助

  • 冬ぬくしはちみつ色の磨りガラス

    砂楽梨

  • 靴紐は螺旋構造冬あたたか

    川越羽流

  • 霊園のポップコーン機冬ぬくし

    西村 棗

  • 鳩へ菓子やりつつ食ふ子冬ぬくし

    飯村祐知子

  • 冬暖か鯉に台詞を当ててゐる

    稲畑とりこ

  • ぶらさがるオランウータン冬あたたか

    井納蒼求

  • 冬あたたかキリンは雨を気にしない

    澤田捨楽

  • 冬暖かやコビトカバ似の消火栓

    七瀬ゆきこ

  • 冬ぬくし原稿用紙のある独居

    西村青夏

  • 冬暖か洗車の泡の逞しく

    石本コアラ

  • 冬ぬくし九州に似たエンターキー

    河上摩子

  • 形見の傘さして三年目の冬暖

    安達りんだう

  • 山の端の雲の怪獣冬暖か

    秋野しら露

  • 出音の重たき導師冬ぬくし

    白プロキオン

  • 翻車魚に閉ざせぬ眼冬ぬくし

    内藤羊皐

  • ペンギンの足に赤い輪冬ぬくし

    ななかまど

  • ポンコツのラジオまだ鳴る冬暖か

    朱鷺9条湯八

  • 踝と凸は出すべし冬暖か

    野村齋藤

  • 猫島はごはんの時間冬暖か

    とりゆふ

  • 木つ端きらきら冬暖のチェーンソー

    伏見丹耶

  • 冬ぬくし二錠飲み込むための水

    鳥羽南良

  • 半月の明るさほどに冬ぬくし

    猫ふぐ

  • 井月が襤褸で歩く冬暖か

    鈴木古舟

  • 冬暖か百十円なる渡し賃

    香羊

  • ご破算にそろふ珠の音冬あたたか

    綾竹あんどれ

  • 冬暖か子ら終鈴に弾かれて

    かなの りえこ

  • 冬ぬくし犬飲む水の波打ちて

    葉月けゐ

  • 木々私素直に立ちて冬暖か

    香田 野分

  • 猫肩に乗せる住職冬ぬくし

    河村静葩

  • 削蹄のナイフを研いで冬ぬくし

    田畑 整

  • 煎餅に焦げてゐる瘤冬あたたか

    巴里乃嬬

  • 冬暖か棚に百ほどアルミ鍋

    岸来夢

  • 冬あたたか老爺のやうな鸚鵡の目

    げばげば

  • 目のまるい牛が糞した冬ぬくし

    あらかわすすむ

  • 冬暖か浜の絵に足す白はひかり

    鈴白菜実

  • 語り部と落ち合ふ遺堂冬ぬくし

    北欧小町

  • 仔象駆くまるき足裏冬ぬくし

    庭野環石

  • 冬ぬくし赤血球が甘くなる

    酒井おかわり

  • ヘルパーから小匙の雪花菜ふゆぬくし

    服部勝枝

  • 冬ぬくしソフビのアヒルよく鳴きぬ

    はぐれ杤餅

  • 階段に冬暖かく靴並ぶ

    立山穂高

  • 冬ぬくしポマード香る古本屋

    谷本均

  • 冬ぬくし寿トラックは右折

    ⑦パパ・いつき組広ブロ俳句部

  • 洗濯機ばたがたどたた冬あたたか

    わたなべ☆いつせい

  • しわのなき選挙ポスター冬ぬくし

    あらい

  • 羊羹の飾らぬ厚み冬ぬくし

    津々うらら

  • 冬あたたか囚人のキャッチボールかな

    可笑式

  • イマジンの和訳写すや冬ぬくし

    高山佳風

  • 湯をつかむやうにつなぐ手冬あたたか

    えらいぞ、はるかちゃん!

  • 鳩を乗せ冬暖かな家となる

    嶋村らぴ

  • 鳩小屋の鳩出払って冬ぬくし

    横山雑煮

  • 冬暖か無意味の意味の塑像かな

    南方日午

  • 鳥屋を掃く三拍子冬暖かし

    橘鶫

  • 冬暖か朔日餅の餡赤し

    山川腎茶

  • 冬暖か火の見の鐘に日のあたり

    永井無々

  • 研究や冬暖かの物足らぬ

    阿部八富利

  • 凸面鏡の冬暖かき窪みかな

    彫刻刀

  • 薄葉紙みたいな仮病冬ぬくし

    ま猿

  • シーソーにヒジャブの母子冬あたたか

    武田ラーラ

  • あゝ冬暖晴着と亀に囲まれて

    宮下ぼしゅん

  • web会議冬あたたかきことを先づ

    立川猫丸

  • 瓢箪に冬暖かやひるごころ

    ほこ

  • 御不浄は解脱の砦冬暖か

    トマト使いめりるりら

  • 船来たる冬暖かき待合浦

    武井 超凡

  • ギターひく冬暖に創ふさがりて

    あるる

  • 一本足の鳩の一歩や冬暖か

    文茶影

  • 冬暖かどこにも出なくていい迷路

    素数

  • 冬暖かキルトの図案描くチャコペン

    三月兎

  • ちと強き猫の頭突きや冬ぬくし

    多々良海月

  • 片肺のよく膨らみて冬暖か

    芦幸

  • 鴎外も子規もあんぱん冬暖か

    斉藤百女

  • 冬あたたか畳の反射光に座す

    伊藤柚良

  • バックシートにいつかのトミカ冬あたたか

    かねつき走流

  • 福耳の宮司五代目冬ぬくし

    じょいふるとしちゃん

  • 木の匙の底の滑らか冬ぬくし

    空井美香

  • イーゼルに描きかけの猫冬ぬくし

    風虎

  • 冬暖かクルーズ船に窓多き

    紗羅ささら

  • 冬暖か「ぱいなつぷる」の「つ」の無音

    あなぐまはる

  • 砂浴びの窪み小さし冬ぬくし

    紫水晶

  • 冬暖か釣り具豊かに海の店

    風早杏

  • 月老の廟に口論ふゆぬくし

    宇野翔月

  • 吾は己が根暗を愛す冬あたたか

    碧西里

  • 冬あたたか念仏銭の錆やさし

    オーガストスガワラマサト

  • 小児科の冬あたたかや歌つて待つ

    磐田小

  • さみしさに似たる再会冬あたたか

    広瀬康

  • 冬あたたか手押しポンプの水たぷたぷ

    ののはな誉茂子

  • バスの巣へバスまたバスや冬ぬくし

    イサク

  • 用済んでまだしゃべる口冬暖か

    馬場めばる

  • カーテンをぐるぐる洗ふ冬暖か

    オキザリス

  • 冬暖か軒に木地師の輪かんじき

    羽住玄冬

  • 冬暖か毛玉取り機の腹八分

    立石神流

  • 仮免や冬暖かき教習所

    くずもち鹿之助

  • 冬あたたかすわれば椅子になる手すり

    にゃん

  • ゴリラ舎のタイヤの枕冬ぬくし

    安春

  • 軽トラの拾う冬暖なるノイズ

    秋雪

  • 冬あたたか相続放棄して闊歩

    コーヒー博士

  • 伊能図に小さき島や冬暖か

    秋津穂 実

  • 冬暖か座右の銘はハシビロコウ

    コモドドラゴン

  • 出土瓦に残る金箔冬あたたか

    おかげでさんぽ

  • 猫が死を咥へて冬のあたたかさ

    眩む凡

  • 放送のエコー冬暖かにじむ

    秋桜みりや

  • 船旅や冬あたたかを金の雲

    森野みつき

  • 路地裏を冬暖かのうまい棒

    青柳修平

  • 鬣を飾る輓馬や冬ぬくし

    赤尾てるぐ

  • 冬暖か馬の埴輪の尻に穴

    秋野茜

  • 冬暖か薬草の根を削りをり

    素因数分解

  • 冬暖のジャングルジムいつから大人

    亘航希

  • 炊き出しを片す冬暖かき母

    着流きるお

  • 冬暖の空へアザラシ裏返る

    西田月旦

  • 爪下を冬あたたかにうすき爪

    一斤染乃

  • 暖冬や鳩から水の匂いして

    宗平圭司

  • 冬暖かや磯の波音は無拍

    逢來応來

  • 冬あたたか水輪の芯に鯉の口

    葦屋蛙城

  • ポン菓子機は白きシンバル冬ぬくし

    山田蚯蚓

  • 母国語が苦手な李さん冬ぬくし

    下條ちりり

  • 冬ぬくし裸の王様化現象

    乃の

  • 排水管替へ冬暖の洗面台

    青桜ウインド

  • 冬あたたか浜辺の貝の成長線

    沢 唯果

  • 前かごにチワワすつくと冬ぬくし

    平本魚水

  • 面会日諏訪も暖冬なんですね

    イシデ電

  • 冬ぬくし点眼薬は乳のいろ

    ピアニシモ

  • 冬暖かキックボードに昨日の泥

    霧賀内蔵

  • 冬あたたか学級だより二十五号

    天風月日

  • 夜型の冬あたたかき街の鳥

    鶴小なみ

  • 冬暖かし旧邸を公開す

    うみのすな

  • 冬あたたかにして鉄塔は怪獣

    ヒマラヤで平謝り

  • 冬ぬくしゆたにたゆたに金時煮

    蝦夷野ごうがしゃ

  • 冬暖の診察室にタルトの絵

    竜退治の騎士

  • 花巻や冬暖かに賢治の字

    多数野麻仁男

  • 手配書の☓(バツ)高らかや冬ぬくし

    うめやえのきだけ

  • 抽斗の隅に校章冬暖か

    となりの天然水

  • 冬あたたか御廟の門の色硬し

    椋本望生

  • アロサウルスの骨格標本冬暖か

    沢拓庵◎いつき組カーリング部

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